悪役のため息

たなか

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少女漫画における、当て馬的存在

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「マジで早くくっつけ、アイツら!」
俺は安藤  白兎。華の男子高校生だ。
俺はそれなりに顔が整っていて、今まで苦労したことはなかった。
だが、今は物凄く苦労している!!



それは!俺の親友である野嶋    皐が、鈍感×奥手すぎるというどこぞのギャルゲーの主人公レベルで面倒くせえってことだ!!

最近の皐は、幼馴染である荻野   雫に恋をしていることを俺に相談してくるんだ!うぜえ! 

しかも、雫は、俺の彼女の西岡   梨沙の親友なんだよ!


皆はここでどういうことかわかっただろうが、あえて説明させていただこう。


俺と梨沙が付き合う(この頃は疑う余地もなく幸せだった!)
                               ↓  
皐が俺にずっと前から雫が好きだったと相談(んなもんずっと前からわかってたわ!)

同時期に雫が梨沙ずっと前から皐が好きだったと相談(それも知ってたわ!バレバレだよお前ら!)      
                               ↓
梨沙と俺でくっつけようとする。(この辺からクラスの人に生暖かい目で見られるようになった)
                               ↓ 
                         イマココ!




面倒だけど、そのせいで梨沙との時間が減ることがないのがまだ不幸中の幸いだ。

ちなみに梨沙はクールビューティーだけどたまに見せる笑顔が何とも言えないというか、堪らん!
愛してる!
他にも梨沙が照れてる顔とか、疲れてるときにさりげなく癒してくれるところとか、何でも出来るように見えて意外と片付けが苦手なところとか、他にもいろいろ――――。




話が逸れたな。

まあ、そういうことだ!

早く解決しないと!今のところ俺が雫を誘惑して、梨沙が皐を誘惑しているんだ!梨沙が他の誰かを誘惑してるとことか、みたくねえんだよ!








だから解決してくれ!ハッピーエンドに導いてくれるんだろ!?






「うん。まあ僕はちゃんとやるよー?」
俺はベッドに入った記憶があるから、これは夢だ。

現実にはあり得ないほど真っ白な部屋の中で、俺の正面に座っているコイツは憎たらしいほど綺麗な動作で紅茶を飲んでいる。
しかもなんか面倒くさそうな顔で。
「ただちょっと面倒だなー?と思うねー。」
コイツ面倒って言いやがった!
「もう、放っておいたら良くない?」
「それがなー。」
「長年の付き合いで放っておけないんでしょ?」
わかってんのかい!なんだコイツ、煽ってんのか?
「アハハ、怒んないで?じゃあ、助言しまーす!えー、まずは、その当て馬作戦を止めましょう。あーいう奴らはねー、それで諦めちゃってもっと面倒になるから。えー、次に、この薬を飲ませて、二人っきりにしましょう。この薬は自白の効果がありまーす!」
そう言って渡されたのは、一本の薬の瓶。
「あ、それ余っても返さなくて良いよ。彼女さんに飲ませたら、羞恥プレイが出来るよ♪」
なるほど、恥ずかしいのに薬の効果で言っちゃうってことか…。なかなか良いな。
……じゃなくて!
「本当に効果あるのか?」
「じゃあ、試してみよっか?」
「え、誰nムゴゴゴ!!!!………………………なに飲ませるんだよ!」
「えー?飲みたそうな顔してたしー?」
うぜええええええ!!!!しかもこれなんか甘いし地味に美味いじゃねーか!
「はい、質問します。貴方は正直、僕を可愛いと思った。」
んなわけねえだろ!
「最初はマジで女神かと思ったよ。ん?あれ?なんだこれ!」
「お薬の、効果だよ?」
コテッと首を傾げるコイツ。
くっ、悔しいが可愛い!小動物的な可愛さだ!
「フフ、浮気者ー。」
いや、梨沙の方が可愛いからな!?本当だからな!?





「あ、もうこんな時間かー。じゃあ、そろそろお別れー!頑張ってねー?」
いきなりすぎかよ!
「アハハハ、気にしなーいで!これからも彼女さんとお幸せにね?







裏切ったら、ダメだよ?」


そう言ってアイツは、バカにしたように嘲笑った。









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







「は!!!!ゆ、夢、なのか?」
冷や汗をかいたようで、少し首元が濡れている。

ふと手を見ると、右手には薬の瓶が握られていた。

「ハハ、そうか。夢じゃなかったのか。」


よし、覚悟してろよ?皐!

お前らをさっさとくっつけて、梨沙とイチャイチャしてやるからな?





でも眠たかった俺は、取り敢えず時間を確認して、もう一度ベッドに寝転んだ。


だってまだ午前1時なんだもん!





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