花は闇に誓いを捧ぐ

希音

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第4章 裏に隠れた本当

準備期間

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「おはようございます。レオン様」

次の日、朝早くから声がかかり、いつもの食堂に来ていた。

「ああ。おはよう」

軍服に身を包み、少し緊張感がある。

沈黙が流れる。

それを破ったのはレオン様だった。

「ルイエンへ行く」

ルイエン。隣接する国のことだ。

「ルイエンですか。約1日はかかりますよね」

「ああ。そうだな。明後日ぐらいに襲撃するらしいという情報が入ってな」

「それを阻止すると。それなら一応のために防衛魔法陣を貼りましょう」

「防衛魔法陣?」

「そうです。上級魔法の中でもさらに上級のものです。相当な力でないと破ることはできませんし、こちら側にも有利なものです」

「……そうか。ラル。―――」

「承知しました」

「昼にはここを出る。準備しておけよ」

そう言って立ち上がり、横に来た。

何かと思うと私の頭に手を伸ばし、ぽんと乗せた。

「わっ」

「ふっ……じゃあ、また後でな」

「は、はい!」

小さくなる足音。

「は、はあ。き、緊張した」

そんなことを呟いていたなんてレオン様は知らないだろう。

* * *

部屋に戻り、軍服に身を包む。

「リディア様。本当に大丈夫ですか?」

「大丈夫よミリア。自分のことも、この街のこともちゃんと守るから」

それは自分への誓いも同然だった。

「リディア様は何を準備しているのですか?」

「ペンダントよ。万が一のことがあってはいけないから、防衛魔法陣をはるの」

のペンダントですね」

「そうね。私のもう一つの能力だから」

そう。を持っている人は少なく、とても稀なため重宝されてきた。

ちなみに言うと私は女神とのつながりを持つ。俗に言うチート能力だ。

「この世界はよくわからないことが多いわ」

「リディア様……本当に大丈夫なのですか?」

「ええ。大丈夫よ」

「ですが……リディア様は優しすぎます。無茶はなさらないでくださいね」

「ふふ、ありがと」

柔らかく笑って、軍服の上からペンダントを握りしめた。

――この力で、誰かを守りたい。

――もう、奪われるだけの私には戻らない。

自分に言い聞かせるように瞼を閉じると、ペンダントの光がひときわ強く瞬いた。

レオン様の隣に立つためにも……

「よし、行きましょう。ミリア」

背筋を伸ばして扉を開ける。

廊下の先には、出発を待つあの人がいる。

胸は高鳴るのに、足取りは迷わない。

「レオン様。準備、整いました」

12時を告げる鐘が鳴り響いた。
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