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少年篇
帝国脱走
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スセルの話が始まって、今は暗殺者になるまでの話が始まった
もっと詳しく聞きたいこともあったが、聞いてみたところあまり話したくはないそうだ
「すみません…………話したくないようなことを聞いてしまい」
「いえいえ、気になるのは自然の事です。これは私の我儘ですので、お気になさらないでください」
そういって俺に笑いかける
その瞳の奥には、何か思い出しているのか、静かだがとても何かを悔いているように、何かを決意しているのかの様な、そんな風に見えた
この世界か国にうんざりしていて、復讐を考えているのか
それとも、もっと他の何かを考えている、のか?
いや、とりあえず話を全部聞いておこう
そして、俺が続きを話してくださいとお願いすると、少し笑みを浮かべてから
暗殺者になってからのことを話し始めた
その内容は、つい最近戦をした魔導王国ガイリアのスパイをしながら、帝国から依頼された要人の暗殺をする目的で派遣されたという話だ
だが、それは表向きで別に主の任務があったという
王族と暗殺部隊の隊長しか知らない極秘の任務を請け負っていたらしい
それは、俺の体にも埋め込んだリヴァイアサンとは別の陸の神獣、ベヒーモス
その魂が封じ込められている宝玉を奪取することがスセリの任務だった
この世界には、そんな簡単に神獣を封じ込めることが出来るのか?
まぁ、いまだに分からないことはあるが、いくつか分かったことがあるな、リヴァイアサンみたいのはこの世界には一定数いるっていう事、一つの国に宝玉が一つはあると思ったほうがいい事
そして、一番重要なのがそれを倒すための武器と封じ込める術を持っているという事だ
だが単純な話、宝玉を持っている方が強いから集めようという理由で戦争が起きているんだとしたら、この世界の戦いは単純すぎるようにも思える
強い力があるから、という理由だけで国力が世界一になる、そんな簡単で都合のいい話は無い、無いはずだが、ここは異世界だ
魔法やスキルという地球にはなかった戦いがあり、魔物までも使ったりしている
もしくは、帝国だけがそれを求めているというパターンもありうるか
どちらにしても、そう簡単な話ではなさそうだ
その後スセルは、ベヒーモスの宝玉を回収してからの話を始めた
宝玉を王族に献上した後、いきなり国王に呼び出されたという
そしてその横には、ビンケットが不敵な笑みを浮かべていたそうだ
国王に呼び出された理由は、暗殺者としての任を解き平民に戻すと言う話だった
金貨三百枚と平民の資格を持って褒美とすると言われたらしい
スセルは勿論嬉しくもあったが、どこか引っかかる部分もあったそうだが、その時はあまり考えすぎないように只々感謝をしたのだ
だが、城を出た瞬間に犯罪者として地下牢に投獄され、罪状は国王暗殺未遂によるものと言われ、犯罪奴隷に逆戻りした
勿論そんなことはしていないと抗議をしようとしたが、誰もそんなことを信じるわけもなく、毎日拷問と実験の日々になったらしく、殺してくれと何度も願ったそうだ
本来、王族暗殺未遂ならすぐに処刑される
だが、ここまで聞いてだいたい分かったが、恐らく後輩ということは…………
「おそらく察しがついているでしょう。そう私は、ベヒーモスの魂を埋め込まれたこの国兵器です」
「やっぱり…………成程その強さにも納得です。ですが、何故兵器から執事に? それもビンケットの進言ですか?」
「こらこら、いくら今結界を張っているからとはいえダメですよ。ふふ、ですが、はいそうです。あなたと同じで、あの男が私を戦場に連れて行き、その褒美として私を執事にしたのです」
やっぱり…………ビンケットは、何を企んでいるんだ?
スセルに平民の褒美を与えた時にいたことにも疑問が残る
国家転覆か? もしくは自信を次の王にするため?
ダメだ、今の俺には情報が少なすぎて絞り切れないのが、現状だ
だが、誰かと繋がっている可能性は高い確率であるだろう
理由は、国王になるにしても国家転覆をするにしても、他の目的があろうとも
資金、人、後ろ盾は必須だ…………そして世論も
でもなぜこれを、俺に話そうと思ったんだ? そこも疑問だ
俺は正直この人を信じたいと直感的にだが、思ってしまった
だけど、この人が俺を信じる通りはどこにも無い…………もう考えるのは疲れたな
「なぜ僕にその話を? 私はあなたを信じたいですが、正直何故という疑問が残ります」
「そうですねぇ…………強いて言えば私があなたを救いたいと、勝手ですが思ったからですね」
「救う? 俺を?」
「はい。ですが、それは今すぐに、ということではありません。先ずは、あなたが明日の任務に行く前にこの話を知っておく方が良いと思ったからです」
なんか、信じたいと思う気持ちはある
だけど裏切られるんじゃないかと、騙そうとしているんじゃないかと
そんな気持ちが俺の中で渦巻く
どろどろの心の奥深くから、まだ希望があるとそれに、期待してしまいそうになる
「あなたが、私を救いたいと理由は?」
「…………私に家族はいませんが、欲しいと思ったことがありましてねぇ。魔導王国ガイリアで潜伏をしていたころ。お世話になった、貴族がいたのです。そこの方たちは、本当にいい人達で、こんな私に優しくしてくださいました。そこの方たちと、もう会うことは出来ませんが、約束なのです。目の届く範囲でもいいから、救える命は救いなさいと…………」
「…………そのご家族は?」
「私が逃げたのですよ。あそこにいては、あの方たちが危ない」
そうか、そうだったのか…………この人も救ってもらったんだな
自分の心を救ってもらった恩人を口封じで殺させない為に、その場を逃げたと
信じてもいいかもしれないな…………いや、俺が信じたいんだ
「信じます、あなたの事を。疑ってしまい、ごめんなさい」
「いいえ、良いんですよ。私こそ、言葉足らずで申し訳ない」
「明日の任務の前の話、というのはこれ以外にもあるのですか?」
「さすが、あなたは賢い子だ。はい、その通りで御座います。明日のジークライア王国の聖女とその近衛騎士は、私と同じで、あなたを救う為に来ると言う話です」
いま、ジークライア王国の聖女と…………は?
もっと詳しく聞きたいこともあったが、聞いてみたところあまり話したくはないそうだ
「すみません…………話したくないようなことを聞いてしまい」
「いえいえ、気になるのは自然の事です。これは私の我儘ですので、お気になさらないでください」
そういって俺に笑いかける
その瞳の奥には、何か思い出しているのか、静かだがとても何かを悔いているように、何かを決意しているのかの様な、そんな風に見えた
この世界か国にうんざりしていて、復讐を考えているのか
それとも、もっと他の何かを考えている、のか?
いや、とりあえず話を全部聞いておこう
そして、俺が続きを話してくださいとお願いすると、少し笑みを浮かべてから
暗殺者になってからのことを話し始めた
その内容は、つい最近戦をした魔導王国ガイリアのスパイをしながら、帝国から依頼された要人の暗殺をする目的で派遣されたという話だ
だが、それは表向きで別に主の任務があったという
王族と暗殺部隊の隊長しか知らない極秘の任務を請け負っていたらしい
それは、俺の体にも埋め込んだリヴァイアサンとは別の陸の神獣、ベヒーモス
その魂が封じ込められている宝玉を奪取することがスセリの任務だった
この世界には、そんな簡単に神獣を封じ込めることが出来るのか?
まぁ、いまだに分からないことはあるが、いくつか分かったことがあるな、リヴァイアサンみたいのはこの世界には一定数いるっていう事、一つの国に宝玉が一つはあると思ったほうがいい事
そして、一番重要なのがそれを倒すための武器と封じ込める術を持っているという事だ
だが単純な話、宝玉を持っている方が強いから集めようという理由で戦争が起きているんだとしたら、この世界の戦いは単純すぎるようにも思える
強い力があるから、という理由だけで国力が世界一になる、そんな簡単で都合のいい話は無い、無いはずだが、ここは異世界だ
魔法やスキルという地球にはなかった戦いがあり、魔物までも使ったりしている
もしくは、帝国だけがそれを求めているというパターンもありうるか
どちらにしても、そう簡単な話ではなさそうだ
その後スセルは、ベヒーモスの宝玉を回収してからの話を始めた
宝玉を王族に献上した後、いきなり国王に呼び出されたという
そしてその横には、ビンケットが不敵な笑みを浮かべていたそうだ
国王に呼び出された理由は、暗殺者としての任を解き平民に戻すと言う話だった
金貨三百枚と平民の資格を持って褒美とすると言われたらしい
スセルは勿論嬉しくもあったが、どこか引っかかる部分もあったそうだが、その時はあまり考えすぎないように只々感謝をしたのだ
だが、城を出た瞬間に犯罪者として地下牢に投獄され、罪状は国王暗殺未遂によるものと言われ、犯罪奴隷に逆戻りした
勿論そんなことはしていないと抗議をしようとしたが、誰もそんなことを信じるわけもなく、毎日拷問と実験の日々になったらしく、殺してくれと何度も願ったそうだ
本来、王族暗殺未遂ならすぐに処刑される
だが、ここまで聞いてだいたい分かったが、恐らく後輩ということは…………
「おそらく察しがついているでしょう。そう私は、ベヒーモスの魂を埋め込まれたこの国兵器です」
「やっぱり…………成程その強さにも納得です。ですが、何故兵器から執事に? それもビンケットの進言ですか?」
「こらこら、いくら今結界を張っているからとはいえダメですよ。ふふ、ですが、はいそうです。あなたと同じで、あの男が私を戦場に連れて行き、その褒美として私を執事にしたのです」
やっぱり…………ビンケットは、何を企んでいるんだ?
スセルに平民の褒美を与えた時にいたことにも疑問が残る
国家転覆か? もしくは自信を次の王にするため?
ダメだ、今の俺には情報が少なすぎて絞り切れないのが、現状だ
だが、誰かと繋がっている可能性は高い確率であるだろう
理由は、国王になるにしても国家転覆をするにしても、他の目的があろうとも
資金、人、後ろ盾は必須だ…………そして世論も
でもなぜこれを、俺に話そうと思ったんだ? そこも疑問だ
俺は正直この人を信じたいと直感的にだが、思ってしまった
だけど、この人が俺を信じる通りはどこにも無い…………もう考えるのは疲れたな
「なぜ僕にその話を? 私はあなたを信じたいですが、正直何故という疑問が残ります」
「そうですねぇ…………強いて言えば私があなたを救いたいと、勝手ですが思ったからですね」
「救う? 俺を?」
「はい。ですが、それは今すぐに、ということではありません。先ずは、あなたが明日の任務に行く前にこの話を知っておく方が良いと思ったからです」
なんか、信じたいと思う気持ちはある
だけど裏切られるんじゃないかと、騙そうとしているんじゃないかと
そんな気持ちが俺の中で渦巻く
どろどろの心の奥深くから、まだ希望があるとそれに、期待してしまいそうになる
「あなたが、私を救いたいと理由は?」
「…………私に家族はいませんが、欲しいと思ったことがありましてねぇ。魔導王国ガイリアで潜伏をしていたころ。お世話になった、貴族がいたのです。そこの方たちは、本当にいい人達で、こんな私に優しくしてくださいました。そこの方たちと、もう会うことは出来ませんが、約束なのです。目の届く範囲でもいいから、救える命は救いなさいと…………」
「…………そのご家族は?」
「私が逃げたのですよ。あそこにいては、あの方たちが危ない」
そうか、そうだったのか…………この人も救ってもらったんだな
自分の心を救ってもらった恩人を口封じで殺させない為に、その場を逃げたと
信じてもいいかもしれないな…………いや、俺が信じたいんだ
「信じます、あなたの事を。疑ってしまい、ごめんなさい」
「いいえ、良いんですよ。私こそ、言葉足らずで申し訳ない」
「明日の任務の前の話、というのはこれ以外にもあるのですか?」
「さすが、あなたは賢い子だ。はい、その通りで御座います。明日のジークライア王国の聖女とその近衛騎士は、私と同じで、あなたを救う為に来ると言う話です」
いま、ジークライア王国の聖女と…………は?
応援ありがとうございます!
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