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第二章
4月17日(水):クララに聞く
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【京一】
午前の授業が終わり、昼休み。
学校での昼食は、食堂の端のテーブルで晃と二人で食べるのが、一年生からの常であった。今年のクラスでは山本という新たな友人ができたが、彼が僕らと昼食の席を同じくすることはない。
山本は交際相手である遊免と二人で昼食を共にする。彼としてもそれは一年生からの常となっているのだ。
だから、また一年、晃と二人の寂しい昼食となるのだろうと思っていたところ――先日、イブとクララが食堂内で僕らを探し、やってきた。それからは彼女らを交えた四人で昼食をとるのが新たな習慣となったのだ。
だが、今日は三人。
僕らと晃が先にいつものテーブルを取って座っていたところ、クララが一人でやってきた。
「美代ちゃん、今日は風邪を引いて休みなの」
サンドイッチが載せられた皿を静かにテーブルに置きながら、クララが寂しそうにそう言う。
遊免の言った通りだ。本日、イブは欠席。
……彼女の情報力には戦慄さえ覚える。なぜ、たった一度会っただけの下級生がこの日に欠席していることを把握しているのか。
いつもは何かにつけてイブと晃が言い争いをしているが、本日はイブを除いた三人の昼食。
さすがに沈黙とはいかないまでも、食堂全体のざわめきの中ではいくらか落ち着いたテーブルとなっている。個人的には、むしろ食事とはかくあるべきと思うのだ。
定食のおかずを順々に食べ進めながら、僕は昨晩の宮本との電話を思い出していた。
手芸部部員の空きの残り一枠を埋めるのが本当に自分で良いのか、一年生の二人に改めて確認を取ってほしい――宮本はそう言っていた。
残念ながらイブはいないが、そもそも手芸部の存続を一番願っているのはクララだ。まず彼女に聞いてみるべきだろう。そう考え、さっそく隣に座っている少女に問いかける。
「なあクララ」
「ん? なあに、京一君」
「昨日のさ、手芸部のことなんだけど」
手芸部、という単語を耳にした途端、ぴくりと反応したた彼女は、頬張ろうと手に持ったサンドイッチを皿に戻して僕の方をじっと見た。まん丸の瞳はきれいに磨いたビー玉のようである。
「……えっと、クララに聞いておきたくてさ。昨日、手芸部のもう一人の部員に、僕や晃と同じクラスの宮本っていう子を誘おうって話になってただろ。――クララは、本当にそれで大丈夫だったか?」
「え? 大丈夫か、って、……どうして?」
「だって、クララやイブは宮本のこと知らないしさ。いや、宮本はいい子だし、実際すぐに馴染めるとは思うんだけど。でも、あのときちゃんとクララの意思を確認しないまま話しを進めちゃってたよな。……クララが他に誘いたい人がいるなら、そっちを優先したほうが良いのかなと。そこのところ、聞いておきたくて」
「…………。うーん……」
クララはテーブル上のサンドイッチに視線を置き、少し考え込む。
晃はそこに口を挟むことはせず、黙々とおかずを口に放り込んでゆく。まるで咀嚼をせず丸飲みしているかのような早さである。
しばし間を置いてから、クララは顔を上げ、言う。
「――私は、部活として手芸ができるならなんだって嬉しいし、わざわざ京一君や晃君まで一緒に入ってくれるっていうのに、それ以上はわがままになっちゃうけど……。でも、正直言えば、あと一人部員を誘うなら、……やっぱり私たち四人の共通の友達を誘いたいかなあ」
遠慮がちに、クララはそう言った。
まあ、確認をするまでもなく察せられたことではある。特にクララは初対面の上級生といきなり話すなんて億劫に感じるだろう。
僕からすれば、宮本ならば人見知りのクララが相手でもうまく打ち解けられるだろうと思えるが、ここで重要なのは僕の見解よりもクララの意志である。
……いや、でも。
「でも、僕ら四人の共通の友達って、誰かいるかな……」
ぽつりと口に出しつつ、思い当たる人物を頭の中で探った。
クララたちはまだ入学したばかりの新入生だし、僕や晃はそれほど広く交友関係を築いていない。そんな四人にとっての共通の友達なんて、そんな人物はいるだろうか?
「凛ちゃんだよ」
すぐに、クララが言った。
当てはまる人物がいるかと考え込んでいた僕に対し、そんなの考えるまでもないでしょ、とでも言いたげな、諫めるような目つきだった。
凛。――確かに、この学校の中で僕ら四人の共通の友達と言うなら彼女しかいない。
小学生の頃は凛を含めた五人でよく一緒に遊んでいた。もちろん中学も同じ学校であった。そして現在通う高校も同じ。僕たちにとって、小学校から一貫して同じ学校に通うのはこの五人だけだ。
「なるほどお、凛か……。うん、確かにな」
早々に定食を食べ終えた晃が、うむ、と頷きながら言った。なにか含みのある言い方に聞こえる。
そこに含まれる意思を僕なりに察するならば――「俺は別にいいんだけど、ちょっと引っかかる部分があるんだよなあ……」と、いう感じだろうか。
それに関しては僕も大いに同意であり、また、クララも承知しているはずである。
間が良いのか悪いのか、そこで昼休み終了前の予鈴が鳴る。
話の続きはまた後で、と、口にはしなかったが三人の意思が通じていた。立ち上がり、盆を持って食器の片づけに向かう。
「京一君って、けっこう気が利く人だよね」
歩きながら、唐突にクララが言ってきた。
「え? なんで?」
「だって、手芸部の件さ、昨日の話の流れのまま宮本さんって人が入ってくればすぐに済んだのに。わざわざ私の気持ちを考えなおしてくれるなんて」
クララはそう言うが、僕が彼女に意思確認をしたのは宮本にそう促されたからであって、僕が気を利かせたわけではない。
――でもそれをクララに明かすことは宮本から止められている。変に気を遣わせるだろうから、と。だから真に気が利くのは宮本の方なのだと伝えたいが、それは言えないわけで、もどかしい。
「やっぱり、京一君が凛ちゃんと仲良くやれているのは、京一君が気の利く良い人だからだよね」
ふと、クララがそんなことを言う。
「は? 仲良くって、別にそんなことは……」
「えへへ、そんな謙遜しなくても」
謙遜とかではないのだが。なぜそんなに嬉しそうなのかクララ。
「あ、そうだ二人とも。あの、今日の帰りにね、ちょっと付き合ってほしいんだけど……」
食堂を出ようとしたところで、ふと思い出したようにクララが口を開いた。
「なんだよ、また手芸部の部室に行くのか? どうせ行ったって、もぬけの殻じゃねえか」
「ううん、違うよ晃君。あのね、美代ちゃん家にお見舞いに行くのに、一緒に付いてきてほしいの」
「なんだよ、なんでわざわざ俺たちが一緒に行かなきゃならんの」
文句を垂れる晃に対し、クララは心細そうな声で答える。
「えっと、だ、だって……。私一人で美代ちゃんの部屋には入れないもん」
午前の授業が終わり、昼休み。
学校での昼食は、食堂の端のテーブルで晃と二人で食べるのが、一年生からの常であった。今年のクラスでは山本という新たな友人ができたが、彼が僕らと昼食の席を同じくすることはない。
山本は交際相手である遊免と二人で昼食を共にする。彼としてもそれは一年生からの常となっているのだ。
だから、また一年、晃と二人の寂しい昼食となるのだろうと思っていたところ――先日、イブとクララが食堂内で僕らを探し、やってきた。それからは彼女らを交えた四人で昼食をとるのが新たな習慣となったのだ。
だが、今日は三人。
僕らと晃が先にいつものテーブルを取って座っていたところ、クララが一人でやってきた。
「美代ちゃん、今日は風邪を引いて休みなの」
サンドイッチが載せられた皿を静かにテーブルに置きながら、クララが寂しそうにそう言う。
遊免の言った通りだ。本日、イブは欠席。
……彼女の情報力には戦慄さえ覚える。なぜ、たった一度会っただけの下級生がこの日に欠席していることを把握しているのか。
いつもは何かにつけてイブと晃が言い争いをしているが、本日はイブを除いた三人の昼食。
さすがに沈黙とはいかないまでも、食堂全体のざわめきの中ではいくらか落ち着いたテーブルとなっている。個人的には、むしろ食事とはかくあるべきと思うのだ。
定食のおかずを順々に食べ進めながら、僕は昨晩の宮本との電話を思い出していた。
手芸部部員の空きの残り一枠を埋めるのが本当に自分で良いのか、一年生の二人に改めて確認を取ってほしい――宮本はそう言っていた。
残念ながらイブはいないが、そもそも手芸部の存続を一番願っているのはクララだ。まず彼女に聞いてみるべきだろう。そう考え、さっそく隣に座っている少女に問いかける。
「なあクララ」
「ん? なあに、京一君」
「昨日のさ、手芸部のことなんだけど」
手芸部、という単語を耳にした途端、ぴくりと反応したた彼女は、頬張ろうと手に持ったサンドイッチを皿に戻して僕の方をじっと見た。まん丸の瞳はきれいに磨いたビー玉のようである。
「……えっと、クララに聞いておきたくてさ。昨日、手芸部のもう一人の部員に、僕や晃と同じクラスの宮本っていう子を誘おうって話になってただろ。――クララは、本当にそれで大丈夫だったか?」
「え? 大丈夫か、って、……どうして?」
「だって、クララやイブは宮本のこと知らないしさ。いや、宮本はいい子だし、実際すぐに馴染めるとは思うんだけど。でも、あのときちゃんとクララの意思を確認しないまま話しを進めちゃってたよな。……クララが他に誘いたい人がいるなら、そっちを優先したほうが良いのかなと。そこのところ、聞いておきたくて」
「…………。うーん……」
クララはテーブル上のサンドイッチに視線を置き、少し考え込む。
晃はそこに口を挟むことはせず、黙々とおかずを口に放り込んでゆく。まるで咀嚼をせず丸飲みしているかのような早さである。
しばし間を置いてから、クララは顔を上げ、言う。
「――私は、部活として手芸ができるならなんだって嬉しいし、わざわざ京一君や晃君まで一緒に入ってくれるっていうのに、それ以上はわがままになっちゃうけど……。でも、正直言えば、あと一人部員を誘うなら、……やっぱり私たち四人の共通の友達を誘いたいかなあ」
遠慮がちに、クララはそう言った。
まあ、確認をするまでもなく察せられたことではある。特にクララは初対面の上級生といきなり話すなんて億劫に感じるだろう。
僕からすれば、宮本ならば人見知りのクララが相手でもうまく打ち解けられるだろうと思えるが、ここで重要なのは僕の見解よりもクララの意志である。
……いや、でも。
「でも、僕ら四人の共通の友達って、誰かいるかな……」
ぽつりと口に出しつつ、思い当たる人物を頭の中で探った。
クララたちはまだ入学したばかりの新入生だし、僕や晃はそれほど広く交友関係を築いていない。そんな四人にとっての共通の友達なんて、そんな人物はいるだろうか?
「凛ちゃんだよ」
すぐに、クララが言った。
当てはまる人物がいるかと考え込んでいた僕に対し、そんなの考えるまでもないでしょ、とでも言いたげな、諫めるような目つきだった。
凛。――確かに、この学校の中で僕ら四人の共通の友達と言うなら彼女しかいない。
小学生の頃は凛を含めた五人でよく一緒に遊んでいた。もちろん中学も同じ学校であった。そして現在通う高校も同じ。僕たちにとって、小学校から一貫して同じ学校に通うのはこの五人だけだ。
「なるほどお、凛か……。うん、確かにな」
早々に定食を食べ終えた晃が、うむ、と頷きながら言った。なにか含みのある言い方に聞こえる。
そこに含まれる意思を僕なりに察するならば――「俺は別にいいんだけど、ちょっと引っかかる部分があるんだよなあ……」と、いう感じだろうか。
それに関しては僕も大いに同意であり、また、クララも承知しているはずである。
間が良いのか悪いのか、そこで昼休み終了前の予鈴が鳴る。
話の続きはまた後で、と、口にはしなかったが三人の意思が通じていた。立ち上がり、盆を持って食器の片づけに向かう。
「京一君って、けっこう気が利く人だよね」
歩きながら、唐突にクララが言ってきた。
「え? なんで?」
「だって、手芸部の件さ、昨日の話の流れのまま宮本さんって人が入ってくればすぐに済んだのに。わざわざ私の気持ちを考えなおしてくれるなんて」
クララはそう言うが、僕が彼女に意思確認をしたのは宮本にそう促されたからであって、僕が気を利かせたわけではない。
――でもそれをクララに明かすことは宮本から止められている。変に気を遣わせるだろうから、と。だから真に気が利くのは宮本の方なのだと伝えたいが、それは言えないわけで、もどかしい。
「やっぱり、京一君が凛ちゃんと仲良くやれているのは、京一君が気の利く良い人だからだよね」
ふと、クララがそんなことを言う。
「は? 仲良くって、別にそんなことは……」
「えへへ、そんな謙遜しなくても」
謙遜とかではないのだが。なぜそんなに嬉しそうなのかクララ。
「あ、そうだ二人とも。あの、今日の帰りにね、ちょっと付き合ってほしいんだけど……」
食堂を出ようとしたところで、ふと思い出したようにクララが口を開いた。
「なんだよ、また手芸部の部室に行くのか? どうせ行ったって、もぬけの殻じゃねえか」
「ううん、違うよ晃君。あのね、美代ちゃん家にお見舞いに行くのに、一緒に付いてきてほしいの」
「なんだよ、なんでわざわざ俺たちが一緒に行かなきゃならんの」
文句を垂れる晃に対し、クララは心細そうな声で答える。
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