15 / 19
巨人の進撃
14
しおりを挟む
スラム街の西、古いトンネル。
ベルは、暗いトンネルの中へと入って行った。……手に持つのは、メアリーからもらった懐中時計と、……数枚の紙。
例の店の主人に聞いた通り、トンネルは下水道管路につながっていた。
今は使われていないトンネルだ。立ち入らないようなところであるはずだが……頻繁に人が出入りしている形跡がある。
ピチョン、と、水が一滴垂れ落ちる音さえ大きく響き、長い余韻を残していく。
そんなところで、足音を立てずに歩くことなど不可能である。
下水道管路から、旧い監獄へは直接つながっている。取り立てて慎重に歩いているわけでもない彼の足音はそこまで遠慮なく響き、――侵入者の存在は、即刻、彼らに悟られてしまう。
「お前ッ、なにもんだ!」
スラム街の孤児らを攫い、この監獄に閉じ込め、そしてその子らを各地の変態金持ちに売りつける――という、極悪非道な商売を行っているクズども。あくどい冒険者パーティ、『蜘蛛のレグレッチ』。
そのうち三人のメンバーが、ベルの前に立ちふさがった。
「何者か、か……。まあ、あれだな。通りすがりの″小説家″だ」
「はあ? 小説家? 何言ってんだお前!」
「ああ、やっぱり知られてないんだなこの魔法職。俺以外にはいないのかな」
「なにをぶつぶつ言ってんだ、この野郎! ココは一般人が入って来るようなところじゃねえんだぞ。さっさと回れ右して帰れ」
「いや。ここに用があって来たんだ」
「なにィ?」
「ちょっと手癖の悪い猫娘が、奥にいる筈だ。……いや、彼女以外にも子供たちが大勢いるんだろうな。ともかく、子供たちを解放させたい」
「てめえ、なんでそのことを……!」
「本当は俺じゃなくて、領主の息子が警備隊を連れてここに来るはずだったんだけどな。なんか、どうにもあいつは俺の知ってるような正義感のある青年じゃなかったみたいだ」
「領主の息子だァ? な、なんだ、アイツ、俺たちを売ったのか? 約束が違うぞ……!」
「ん? 約束?」
「――ちッ!」
「落ち着け。こいつが何者かはよくわからんが……だが、見る限り、一人のようだぞ」
「ああ。小説家だかなんだか知らねえが、三人まとめてかかりゃなんでもねえ。まずは引っ捕らえて、あとで詳しく話しを聞き出せばいい」
前に出て声を荒げていた男に対し、もう二人の男は落ち着いた様子で言う。
彼らは五人組のパーティだ。だが、どうやら武器を持っている様子もないベルに対し、″勇者″と″魔術師″の二人を呼んで来るまでもなく、三人で余裕だと判断したようだ。
――確かに、彼ら三人に対してベル一人では為すすべはない。
元々、ベルは一切の昇級をせずにいた身。
以前は一応″初級魔法使い″の職を持ってはいたので、魔法を扱えないこともないが、それも初歩中の初歩程度のものに限られる。戦闘に仕えるような代物ではない。
そして″小説家″のスキルも、ただ『小説を書く』ということだけだ。
戦闘の役に立つようなスキルではない。
だからこそ『太陽のキャノウプス』を脱退させられたわけである。
だから、今、丸腰の男相手に三人の冒険者が立ち塞がっているという状況なわけである。
「お前が何者か知らねえが、俺らはそれなりに名の知れた冒険者パーティなんだぜ。個々の秘密を知ってやがるなら、お前を逃がすわけにはいかねえ。生かして捕らえるが、多少は痛い目を……って、お前、聞いてんのか!」
さっさと襲い掛かればよいものを、わざわざ威勢を張る男。
……そんな男を気にも留めず、ベルはというと、首から提げた小さな懐中時計を操作していた。
この魔法具の扱い方は、さきほど、例の店の主人から聞いた。
カチカチ、と、懐中時計の上部のネジを回す。
設定は、五分。
これは召喚の時間。
時間によって消費魔力は異なる。初めて使うので、どれほどの時間でどれほどの魔力を消費するのかは分からなかったので、ひとまず短めの時間に設定した。
『彼』の強靭さを考慮すれば、この程度の時間でも充分だろうと思われた。
(えっと、こっちの左側のスイッチを押すと……おっ)
ネジを挟むように左右にスイッチがある。その左を押すと、懐中時計の背と言うべきか、時計盤の裏側から細い光が放たれた。
「ライト付きの懐中時計か……。なんか普通に便利だな」
ぽつりと呟くベル。
「だからさっきからお前は何してんだよッ! ……もういい、さっさととっ捕まえんぞ、容赦しねえから覚悟しとけやあ!」
それぞれ武器を構え、駆け出してくる三人の男たち……には目もくれず、懐中時計をいじり続ける。
スイッチを押して点灯したライトを、もう片方の手に持っていた紙の束に向けた。
数枚の紙。
細かに文字が書き連ねられている。
さきほどスキルで書いた、小説だ。
――『巨人になったビゲル』。
この魔法具は、上位職″賢者″が扱うためのもの。
ベルは″賢者″にはなれなかったが、しかし職級はそれと同じである。
ならば、この魔法具を扱うことができるはず、と踏んだ。
スキルによって書いた小説が、召喚の媒体となり得るのかどうかはまったく確信のない賭けだった。
賭け事をしたことはないので、自分が掛けに強いかどうかは分からなかったが、……どうやら、強い方であったらしい。
召喚魔法具である懐中時計。そこから迸る一条の光が、物語を照らす。文字の一つ一つが、ぱあっと輝き……そして、浮かび上がった。
「な、なんだっ!?」
男たちは、突然の輝きに動揺し、足を止めた。
光は、ベルの手元から浮かび上がって……あくどい冒険者たちとの間を隔てる壁となった。
ずしんっっっっ。
……と、大きな音と共に。
巨大な光の塊は、人型だ。
略して言うと、『巨人だ』。
「しょ、召喚術!? こいつ、召喚術師だったのか!」
「なんだこれは、光の精霊? いやしかし、こんなでかい精霊なんて……」
「――いや、待て、こいつは……」
ただ光の塊だったのが、次第に分厚い肉へと変化し、やがてはっきりと『巨人』になったその姿を見て、――戦慄の表情になる。
そして、三人の男どもには見えないが……巨人の後ろに、ちょこん、と小さな少女が立っている。
「あなたが、私たちを召喚したのね?」
少女は、外見に反してずいぶんと大人らしい口調で、そう言った。
「あ、ああ。俺は、ベル。突然召喚して悪い。えっと、なにから説明をすればいいか……」
「あら。説明はいらないわ。すべて分かってる。ねえ、ビゲル」
「ああ」
「え? わかってる、って……」
「かなり特殊な召喚具を使って召喚をしたのでしょうね。転移させられるのに際して、なにかこう、瞬間的に色々と知識が流れ込んできたわ。けっこう不思議な感覚だったわ。ね、ビゲル」
「ああ。知りもしないはずの知識が外から流れ込んで来るというのは、妙なものだな。おそらくその魔法具は、召喚に際し、ある種の認識付与の魔法も施されるようになっているのだろう」
「へえ。そんな仕組みが……」
ずいぶん便利な魔法具だ。
「状況もすべて分かっているわ。あなたが、私たちに何をしてほしいのかもね」
ふふ、と笑う少女。名はレイアといい、見かけは少女だが実際は大人だ。ベルはそれを知っている。
どうやら、強制的に命令を聞かせるような、使い魔としての召喚とは違い、召喚した者の自由意思がそのまま残されているという感じだ。
もし、主に対して反抗的な意思を持つ者を召喚してしまったら大変だったろう。
……が、この二人は状況を把握し、ベルが何をしてほしいのかも分かっているという。
ならば、彼らは必ずそれに応えてくれるはずだ。
ビゲルとレイアという夫婦は、あくどい冒険者に攫われた子供たちを放っておくような冷たい人間ではない。
――ベルはそれを、知っている。
「さあ、ビゲル! 時間がないわ。行っちゃいなさい!」
「ああ。俺の力を子供たちのために振るえるというなら、そんな光栄なことはない」
妻である少女に促され、夫は愉快そうに笑う。
――そうして、逃げ場のない地下通路の中、巨人は進撃を開始した。
ベルは、暗いトンネルの中へと入って行った。……手に持つのは、メアリーからもらった懐中時計と、……数枚の紙。
例の店の主人に聞いた通り、トンネルは下水道管路につながっていた。
今は使われていないトンネルだ。立ち入らないようなところであるはずだが……頻繁に人が出入りしている形跡がある。
ピチョン、と、水が一滴垂れ落ちる音さえ大きく響き、長い余韻を残していく。
そんなところで、足音を立てずに歩くことなど不可能である。
下水道管路から、旧い監獄へは直接つながっている。取り立てて慎重に歩いているわけでもない彼の足音はそこまで遠慮なく響き、――侵入者の存在は、即刻、彼らに悟られてしまう。
「お前ッ、なにもんだ!」
スラム街の孤児らを攫い、この監獄に閉じ込め、そしてその子らを各地の変態金持ちに売りつける――という、極悪非道な商売を行っているクズども。あくどい冒険者パーティ、『蜘蛛のレグレッチ』。
そのうち三人のメンバーが、ベルの前に立ちふさがった。
「何者か、か……。まあ、あれだな。通りすがりの″小説家″だ」
「はあ? 小説家? 何言ってんだお前!」
「ああ、やっぱり知られてないんだなこの魔法職。俺以外にはいないのかな」
「なにをぶつぶつ言ってんだ、この野郎! ココは一般人が入って来るようなところじゃねえんだぞ。さっさと回れ右して帰れ」
「いや。ここに用があって来たんだ」
「なにィ?」
「ちょっと手癖の悪い猫娘が、奥にいる筈だ。……いや、彼女以外にも子供たちが大勢いるんだろうな。ともかく、子供たちを解放させたい」
「てめえ、なんでそのことを……!」
「本当は俺じゃなくて、領主の息子が警備隊を連れてここに来るはずだったんだけどな。なんか、どうにもあいつは俺の知ってるような正義感のある青年じゃなかったみたいだ」
「領主の息子だァ? な、なんだ、アイツ、俺たちを売ったのか? 約束が違うぞ……!」
「ん? 約束?」
「――ちッ!」
「落ち着け。こいつが何者かはよくわからんが……だが、見る限り、一人のようだぞ」
「ああ。小説家だかなんだか知らねえが、三人まとめてかかりゃなんでもねえ。まずは引っ捕らえて、あとで詳しく話しを聞き出せばいい」
前に出て声を荒げていた男に対し、もう二人の男は落ち着いた様子で言う。
彼らは五人組のパーティだ。だが、どうやら武器を持っている様子もないベルに対し、″勇者″と″魔術師″の二人を呼んで来るまでもなく、三人で余裕だと判断したようだ。
――確かに、彼ら三人に対してベル一人では為すすべはない。
元々、ベルは一切の昇級をせずにいた身。
以前は一応″初級魔法使い″の職を持ってはいたので、魔法を扱えないこともないが、それも初歩中の初歩程度のものに限られる。戦闘に仕えるような代物ではない。
そして″小説家″のスキルも、ただ『小説を書く』ということだけだ。
戦闘の役に立つようなスキルではない。
だからこそ『太陽のキャノウプス』を脱退させられたわけである。
だから、今、丸腰の男相手に三人の冒険者が立ち塞がっているという状況なわけである。
「お前が何者か知らねえが、俺らはそれなりに名の知れた冒険者パーティなんだぜ。個々の秘密を知ってやがるなら、お前を逃がすわけにはいかねえ。生かして捕らえるが、多少は痛い目を……って、お前、聞いてんのか!」
さっさと襲い掛かればよいものを、わざわざ威勢を張る男。
……そんな男を気にも留めず、ベルはというと、首から提げた小さな懐中時計を操作していた。
この魔法具の扱い方は、さきほど、例の店の主人から聞いた。
カチカチ、と、懐中時計の上部のネジを回す。
設定は、五分。
これは召喚の時間。
時間によって消費魔力は異なる。初めて使うので、どれほどの時間でどれほどの魔力を消費するのかは分からなかったので、ひとまず短めの時間に設定した。
『彼』の強靭さを考慮すれば、この程度の時間でも充分だろうと思われた。
(えっと、こっちの左側のスイッチを押すと……おっ)
ネジを挟むように左右にスイッチがある。その左を押すと、懐中時計の背と言うべきか、時計盤の裏側から細い光が放たれた。
「ライト付きの懐中時計か……。なんか普通に便利だな」
ぽつりと呟くベル。
「だからさっきからお前は何してんだよッ! ……もういい、さっさととっ捕まえんぞ、容赦しねえから覚悟しとけやあ!」
それぞれ武器を構え、駆け出してくる三人の男たち……には目もくれず、懐中時計をいじり続ける。
スイッチを押して点灯したライトを、もう片方の手に持っていた紙の束に向けた。
数枚の紙。
細かに文字が書き連ねられている。
さきほどスキルで書いた、小説だ。
――『巨人になったビゲル』。
この魔法具は、上位職″賢者″が扱うためのもの。
ベルは″賢者″にはなれなかったが、しかし職級はそれと同じである。
ならば、この魔法具を扱うことができるはず、と踏んだ。
スキルによって書いた小説が、召喚の媒体となり得るのかどうかはまったく確信のない賭けだった。
賭け事をしたことはないので、自分が掛けに強いかどうかは分からなかったが、……どうやら、強い方であったらしい。
召喚魔法具である懐中時計。そこから迸る一条の光が、物語を照らす。文字の一つ一つが、ぱあっと輝き……そして、浮かび上がった。
「な、なんだっ!?」
男たちは、突然の輝きに動揺し、足を止めた。
光は、ベルの手元から浮かび上がって……あくどい冒険者たちとの間を隔てる壁となった。
ずしんっっっっ。
……と、大きな音と共に。
巨大な光の塊は、人型だ。
略して言うと、『巨人だ』。
「しょ、召喚術!? こいつ、召喚術師だったのか!」
「なんだこれは、光の精霊? いやしかし、こんなでかい精霊なんて……」
「――いや、待て、こいつは……」
ただ光の塊だったのが、次第に分厚い肉へと変化し、やがてはっきりと『巨人』になったその姿を見て、――戦慄の表情になる。
そして、三人の男どもには見えないが……巨人の後ろに、ちょこん、と小さな少女が立っている。
「あなたが、私たちを召喚したのね?」
少女は、外見に反してずいぶんと大人らしい口調で、そう言った。
「あ、ああ。俺は、ベル。突然召喚して悪い。えっと、なにから説明をすればいいか……」
「あら。説明はいらないわ。すべて分かってる。ねえ、ビゲル」
「ああ」
「え? わかってる、って……」
「かなり特殊な召喚具を使って召喚をしたのでしょうね。転移させられるのに際して、なにかこう、瞬間的に色々と知識が流れ込んできたわ。けっこう不思議な感覚だったわ。ね、ビゲル」
「ああ。知りもしないはずの知識が外から流れ込んで来るというのは、妙なものだな。おそらくその魔法具は、召喚に際し、ある種の認識付与の魔法も施されるようになっているのだろう」
「へえ。そんな仕組みが……」
ずいぶん便利な魔法具だ。
「状況もすべて分かっているわ。あなたが、私たちに何をしてほしいのかもね」
ふふ、と笑う少女。名はレイアといい、見かけは少女だが実際は大人だ。ベルはそれを知っている。
どうやら、強制的に命令を聞かせるような、使い魔としての召喚とは違い、召喚した者の自由意思がそのまま残されているという感じだ。
もし、主に対して反抗的な意思を持つ者を召喚してしまったら大変だったろう。
……が、この二人は状況を把握し、ベルが何をしてほしいのかも分かっているという。
ならば、彼らは必ずそれに応えてくれるはずだ。
ビゲルとレイアという夫婦は、あくどい冒険者に攫われた子供たちを放っておくような冷たい人間ではない。
――ベルはそれを、知っている。
「さあ、ビゲル! 時間がないわ。行っちゃいなさい!」
「ああ。俺の力を子供たちのために振るえるというなら、そんな光栄なことはない」
妻である少女に促され、夫は愉快そうに笑う。
――そうして、逃げ場のない地下通路の中、巨人は進撃を開始した。
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
「お前は無能だ」と追放した勇者パーティ、俺が抜けた3秒後に全滅したらしい
夏見ナイ
ファンタジー
【荷物持ち】のアッシュは、勇者パーティで「無能」と罵られ、ダンジョン攻略の直前に追放されてしまう。だが彼がいなくなった3秒後、勇者パーティは罠と奇襲で一瞬にして全滅した。
彼らは知らなかったのだ。アッシュのスキル【運命肩代わり】が、パーティに降りかかる全ての不運や即死攻撃を、彼の些細なドジに変換して無効化していたことを。
そんなこととは露知らず、念願の自由を手にしたアッシュは辺境の村で穏やかなスローライフを開始。心優しいエルフやドワーフの仲間にも恵まれ、幸せな日々を送る。
しかし、勇者を失った王国に魔族と内通する宰相の陰謀が迫る。大切な居場所を守るため、無能と蔑まれた男は、その規格外の“幸運”で理不尽な運命に立ち向かう!
元王城お抱えスキル研究家の、モフモフ子育てスローライフ 〜スキル:沼?!『前代未聞なスキル持ち』の成長、見守り生活〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「エレンはね、スレイがたくさん褒めてくれるから、ここに居ていいんだって思えたの」
***
魔法はないが、神から授かる特殊な力――スキルが存在する世界。
王城にはスキルのあらゆる可能性を模索し、スキル関係のトラブルを解消するための専門家・スキル研究家という職が存在していた。
しかしちょうど一年前、即位したばかりの国王の「そのようなもの、金がかかるばかりで意味がない」という鶴の一声で、職が消滅。
解雇されたスキル研究家のスレイ(26歳)は、ひょんな事から縁も所縁もない田舎の伯爵領に移住し、忙しく働いた王城時代の給金貯蓄でそれなりに広い庭付きの家を買い、元来からの拾い癖と大雑把な性格が相まって、拾ってきた動物たちを放し飼いにしての共同生活を送っている。
ひっそりと「スキルに関する相談を受け付けるための『スキル相談室』」を開業する傍ら、空いた時間は冒険者ギルドで、住民からの戦闘伴わない依頼――通称:非戦闘系依頼(畑仕事や牧場仕事の手伝い)を受け、スローな日々を謳歌していたスレイ。
しかしそんな穏やかな生活も、ある日拾い癖が高じてついに羊を連れた人間(小さな女の子)を拾った事で、少しずつ様変わりし始める。
スキル階級・底辺<ボトム>のありふれたスキル『召喚士』持ちの女の子・エレンと、彼女に召喚されたただの羊(か弱い非戦闘毛動物)メェ君。
何の変哲もない子たちだけど、実は「動物と会話ができる」という、スキル研究家のスレイでも初めて見る特殊な副効果持ちの少女と、『特性:沼』という、ヘンテコなステータス持ちの羊で……?
「今日は野菜の苗植えをします」
「おー!」
「めぇー!!」
友達を一千万人作る事が目標のエレンと、エレンの事が好きすぎるあまり、人前でもお構いなくつい『沼』の力を使ってしまうメェ君。
そんな一人と一匹を、スキル研究家としても保護者としても、スローライフを通して褒めて伸ばして導いていく。
子育て成長、お仕事ストーリー。
ここに爆誕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる