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第七話
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高校入試の日。
『もう少し待ってて~』
恵那からのRINEだ。どうやら私だけ早く終わってしまったらしい。校門を出てすぐのところでみんなを待つ。
と、そのとき。後ろから肩を叩かれた。
「あの、これ落としましたよ……?」
そう言って、おそらく私と同じ受験生であろう男子が私の鍵を手のひらの上に乗せて差し出してきた。
「ひっ……」
私はこのとき、とある事情で男性不信だったのだ。まともに話せるのは晃達くらいのもので、その晃達でさえ、二人きりになると緊張する。それ以外の男子とは仮にそばに恵奈がいても、目を見て会話するなんて不可能に近かった。
それでも、誰にも知られたくないという私の意地を汲んで、恵奈達は学校では必死に隠し、男性不信ということを知っているのは親と恵奈達しかいなかった。
今日だって、大きめのマスクと、太い黒縁の地味なメガネをかけて試験を受け、今は帽子をなるだけ深く被りマフラーを巻いている。
顔なんてほとんど見えない。だから、目の前の男が悪意や下心を持って私に話しかけているわけじゃないのはわかっている。ただ私の落とした鍵を拾って、届けようとしてくれただけ。紛れもない親切心。頭ではわかっている。それでも、どうしても体が震えてしまうのは、私じゃどうしようもない。
「あ……、あり……」
ちょっと礼を言って受け取るだけ。そんな簡単なこともできない自分が情けなくて、涙が出てきそうだ。
流石に異変を感じ取ったのか、目の前の男は、軽くしゃがんで私の顔を覗き込んだ。
「あっ……」
ばっちり目があってしまった。震えながら硬直する体。
声を出そうにも出ない。
「あの、大丈夫ですか?」
私を心配するその声も、低くて不快な音に変わる。耳の中を何かが這い回り、脳内に鈍く響き渡る。
呼吸が乱れて息苦しい。
誰か助けて。
と、そのとき、眼鏡をかけた男子が鍵を拾った男子の肩を叩いた。
「あの、ごめんなさい」
「え?」
この眼鏡の子は覚えている。受験のとき、私の隣に座っていた人だ。中性的な顔立ちと雰囲気から、他の人に比べてあまり恐怖を感じなかった。
「その子、よほど試験ができなかったみたいで落ち込んでて。鍵、ありがとうございます」
と、まるで私の知り合いかのように振る舞って、鍵を受け取ろうと手を伸ばす。
「えっと……お知り合い?」
「はい。同じ塾の友達で」
「あ、そうっすか。じゃあ、これ」
眼鏡の子は、鍵を受け取ると、私をチラッと見てため息をついた。
「じゃあ、これ、ここ置いとくから」
彼はハンカチを取り出すと、近くの塀の上にそれを敷いて、その上に鍵を置いた。汚れないようにするためだろう。
「ハンカチは捨ててもらって構わないから。落ち着いたら拾って」
私が男性不信なことに気づいてるのか、それ以上何も言わず立ち去ろうする。
その背中を見て、私は反射的に声を上げた。
「あの…っ」
振り返った彼の目は、「まだ何か? 忙しいんだけど」とでも言いたげた。
彼の容姿や雰囲気から感じる恐怖は相変わらず薄いけど、彼の冷たい目には体が硬直する。
「あ、ありがとう、ございます……」
彼と目があったまま、数秒が経過した。
「……それ」
やがて、彼がゆっくりと口を開いた。
声色はどこか冷たい。というより、私に呆れているような感じだった。
「さっきの鍵拾ってくれた人に言いなよ」
ドキリ、とした。
「僕は何もしてないし」
「それは……」
「何があったのか知らないし、僕もキャラじゃないから、君にどうこう説教するつもりはないけどね。彼、悪い人には見えないよ。高校、どっちも受かってたときに、お礼言いなよ」
そう言って、今度こそ彼は去っていった。
恥ずかしさで、顔が熱かった。
その日から、私は恵奈達に協力してもらって、男性不信の克服に努めた。
高校に入学する頃にはもう、二人きりはちょっと怖いけど、そうでないのなら平気で話せるようになっていた。
そうして幕開けた、高校生活。一年生のクラスでは、私と恵奈と真那元と、それから私に鍵を届けに来てくれた男子が一緒だった。
入学式初日に早速お礼を言って、仲良くなった。
それが、今やいつも私たちと一緒にいる、秋田だった。
そして一年後。私は再び、眼鏡の子──基山と再会した。といっても、会ってすぐお礼を伝えようと話しかけても、彼は私のことを完全に忘れていたけど。
最初はただ、大人しそうなやつだと思っていた。
二年生になって、二学期が始まったばかりだというのに、遅刻常習犯として、先生から目をつけられていた。
寝坊した、とかいう理由で二時間目の途中に来たこともあったし、移動教室のときでも、気付かず教室で寝てた、という理由でまるまる一時間サボることもあった。
珍しく遅刻せず来たかと思えば、ホームルームが始まるまで、イヤホン付けて、何やら音楽を聴いており、喋りかけるなオーラ全開である。授業が始まれば最初から最後まで叩いても起きないぐらい寝るし、休み時間も音楽を聴いていた。
当然そんなんなので話は聴いておらず、宿題もほとんどやってこないし、忘れ物も多い。先生に何回も注意されてたし、小テストでは点数がよほど酷かったのか、毎回怒られていた。落ちたものを拾ったことがあるが、0点だった。それなのに、定期テストでは毎回3三十番以内で、成績優秀者として張り出されていた。そのためか、先生もだんだん厳しいことは言わなくなって言った。
体育のとき、何度か男女合同でやったことがあるが、いつも端の方でボーっとしていた。
そのくせ足は速いのか、体育祭ではクラス代表のリレーとして出てくれないかと懇願されていた。もちろんめんどくさそうに断っていたが、勢いに負けたのか、『代表に選ばれたら、当日休む!』と言って、そのまま流され、代表に選ばれていた。
当日、まさに【有言実行】という伝説をたたき出した。頭痛かったらしい。
まぁ、ギリギリのところで晃が引っ張ってきたんだけど。
十分癖の強いキャラなのに、クラスの話題に上がらなかったのは、彼が大人しく、友達と呼べるような人がこのクラスに晃以外いなかったし、近づくなオーラが全開だったからだろう。
だけど私は、受験の日のこともあって、どこか基山のことが気になっていた。
気になれば自然と目で追ってしまうもので、おそらく人よりも彼のことをより深く知ってしまうのだろう。
例えば、放課後の掃除。先生の目が光らないうちは、どうしてもおざなりになってしまう。居残って一人で……なんてことは絶対にしないけど、少なくとも時間中は誰よりも真面目に、細かいとこまできっち。やる。
他にも、プリントをたくさん抱えて職員室まで運ぶ人に声をかけて手伝ってたり、喧嘩しそうになってる二人の間に入って「そこ、僕の机なんだけど」となだめたり。
おまけに、晃が基山と仲が良くて、度々褒めるから、彼を好きになるのにあまり時間はかからなかった。と言っても、まだまだ気になるってだけだったけど。
晃曰く、基山はみんなが当たり前にすることは、気配を消し、色々理由をつけて、サボろうとする。そのくせに、誰もやらないことは、進んでやろうとする。性根のひねくれた真面目マンらしい。
私が基山のことを気になっている打ち明けたときは、みんなはとても驚いた顔をしていた。晃だけは嬉しそうだったけど。
そして、それから数週間経って、未だに告白どころかアプローチすらかけれない私に業を煮やした恵奈達に罰ゲームとして告白させられた。
あまり恋愛に興味が無さそうだったから、絶対振られると思ったけど、答えはOK。あまりにあっさりと返事されたから、一瞬振られたかと思ったけど、たしかにOKで、すごく嬉しかった。
付き合ったからと言っても、私達の関係性は特に変わりはしない。メッセージを送っても寝てる振りばかりだし、教室で話しかけたりもしない。
だから、恵奈に半ば強引に約束させられたと言っても、今回のデートは私にとってとても大事なものだった。
本当に私のことが好きなのか。不安で仕方なかったけど、聞いてしまった。
基山はニッコリと笑いながら、私のことが好きだって、きちんと答えてくれた。
楽しくなって、ウキウキした気分のまま、カフェに急ごうとする。
そのとき。
『──あれ?暦月じゃん!ひっさしぶりー!新しい彼氏とデートかい?』
忘れたはずの、封印したはずの声が聞こえた。
『もう少し待ってて~』
恵那からのRINEだ。どうやら私だけ早く終わってしまったらしい。校門を出てすぐのところでみんなを待つ。
と、そのとき。後ろから肩を叩かれた。
「あの、これ落としましたよ……?」
そう言って、おそらく私と同じ受験生であろう男子が私の鍵を手のひらの上に乗せて差し出してきた。
「ひっ……」
私はこのとき、とある事情で男性不信だったのだ。まともに話せるのは晃達くらいのもので、その晃達でさえ、二人きりになると緊張する。それ以外の男子とは仮にそばに恵奈がいても、目を見て会話するなんて不可能に近かった。
それでも、誰にも知られたくないという私の意地を汲んで、恵奈達は学校では必死に隠し、男性不信ということを知っているのは親と恵奈達しかいなかった。
今日だって、大きめのマスクと、太い黒縁の地味なメガネをかけて試験を受け、今は帽子をなるだけ深く被りマフラーを巻いている。
顔なんてほとんど見えない。だから、目の前の男が悪意や下心を持って私に話しかけているわけじゃないのはわかっている。ただ私の落とした鍵を拾って、届けようとしてくれただけ。紛れもない親切心。頭ではわかっている。それでも、どうしても体が震えてしまうのは、私じゃどうしようもない。
「あ……、あり……」
ちょっと礼を言って受け取るだけ。そんな簡単なこともできない自分が情けなくて、涙が出てきそうだ。
流石に異変を感じ取ったのか、目の前の男は、軽くしゃがんで私の顔を覗き込んだ。
「あっ……」
ばっちり目があってしまった。震えながら硬直する体。
声を出そうにも出ない。
「あの、大丈夫ですか?」
私を心配するその声も、低くて不快な音に変わる。耳の中を何かが這い回り、脳内に鈍く響き渡る。
呼吸が乱れて息苦しい。
誰か助けて。
と、そのとき、眼鏡をかけた男子が鍵を拾った男子の肩を叩いた。
「あの、ごめんなさい」
「え?」
この眼鏡の子は覚えている。受験のとき、私の隣に座っていた人だ。中性的な顔立ちと雰囲気から、他の人に比べてあまり恐怖を感じなかった。
「その子、よほど試験ができなかったみたいで落ち込んでて。鍵、ありがとうございます」
と、まるで私の知り合いかのように振る舞って、鍵を受け取ろうと手を伸ばす。
「えっと……お知り合い?」
「はい。同じ塾の友達で」
「あ、そうっすか。じゃあ、これ」
眼鏡の子は、鍵を受け取ると、私をチラッと見てため息をついた。
「じゃあ、これ、ここ置いとくから」
彼はハンカチを取り出すと、近くの塀の上にそれを敷いて、その上に鍵を置いた。汚れないようにするためだろう。
「ハンカチは捨ててもらって構わないから。落ち着いたら拾って」
私が男性不信なことに気づいてるのか、それ以上何も言わず立ち去ろうする。
その背中を見て、私は反射的に声を上げた。
「あの…っ」
振り返った彼の目は、「まだ何か? 忙しいんだけど」とでも言いたげた。
彼の容姿や雰囲気から感じる恐怖は相変わらず薄いけど、彼の冷たい目には体が硬直する。
「あ、ありがとう、ございます……」
彼と目があったまま、数秒が経過した。
「……それ」
やがて、彼がゆっくりと口を開いた。
声色はどこか冷たい。というより、私に呆れているような感じだった。
「さっきの鍵拾ってくれた人に言いなよ」
ドキリ、とした。
「僕は何もしてないし」
「それは……」
「何があったのか知らないし、僕もキャラじゃないから、君にどうこう説教するつもりはないけどね。彼、悪い人には見えないよ。高校、どっちも受かってたときに、お礼言いなよ」
そう言って、今度こそ彼は去っていった。
恥ずかしさで、顔が熱かった。
その日から、私は恵奈達に協力してもらって、男性不信の克服に努めた。
高校に入学する頃にはもう、二人きりはちょっと怖いけど、そうでないのなら平気で話せるようになっていた。
そうして幕開けた、高校生活。一年生のクラスでは、私と恵奈と真那元と、それから私に鍵を届けに来てくれた男子が一緒だった。
入学式初日に早速お礼を言って、仲良くなった。
それが、今やいつも私たちと一緒にいる、秋田だった。
そして一年後。私は再び、眼鏡の子──基山と再会した。といっても、会ってすぐお礼を伝えようと話しかけても、彼は私のことを完全に忘れていたけど。
最初はただ、大人しそうなやつだと思っていた。
二年生になって、二学期が始まったばかりだというのに、遅刻常習犯として、先生から目をつけられていた。
寝坊した、とかいう理由で二時間目の途中に来たこともあったし、移動教室のときでも、気付かず教室で寝てた、という理由でまるまる一時間サボることもあった。
珍しく遅刻せず来たかと思えば、ホームルームが始まるまで、イヤホン付けて、何やら音楽を聴いており、喋りかけるなオーラ全開である。授業が始まれば最初から最後まで叩いても起きないぐらい寝るし、休み時間も音楽を聴いていた。
当然そんなんなので話は聴いておらず、宿題もほとんどやってこないし、忘れ物も多い。先生に何回も注意されてたし、小テストでは点数がよほど酷かったのか、毎回怒られていた。落ちたものを拾ったことがあるが、0点だった。それなのに、定期テストでは毎回3三十番以内で、成績優秀者として張り出されていた。そのためか、先生もだんだん厳しいことは言わなくなって言った。
体育のとき、何度か男女合同でやったことがあるが、いつも端の方でボーっとしていた。
そのくせ足は速いのか、体育祭ではクラス代表のリレーとして出てくれないかと懇願されていた。もちろんめんどくさそうに断っていたが、勢いに負けたのか、『代表に選ばれたら、当日休む!』と言って、そのまま流され、代表に選ばれていた。
当日、まさに【有言実行】という伝説をたたき出した。頭痛かったらしい。
まぁ、ギリギリのところで晃が引っ張ってきたんだけど。
十分癖の強いキャラなのに、クラスの話題に上がらなかったのは、彼が大人しく、友達と呼べるような人がこのクラスに晃以外いなかったし、近づくなオーラが全開だったからだろう。
だけど私は、受験の日のこともあって、どこか基山のことが気になっていた。
気になれば自然と目で追ってしまうもので、おそらく人よりも彼のことをより深く知ってしまうのだろう。
例えば、放課後の掃除。先生の目が光らないうちは、どうしてもおざなりになってしまう。居残って一人で……なんてことは絶対にしないけど、少なくとも時間中は誰よりも真面目に、細かいとこまできっち。やる。
他にも、プリントをたくさん抱えて職員室まで運ぶ人に声をかけて手伝ってたり、喧嘩しそうになってる二人の間に入って「そこ、僕の机なんだけど」となだめたり。
おまけに、晃が基山と仲が良くて、度々褒めるから、彼を好きになるのにあまり時間はかからなかった。と言っても、まだまだ気になるってだけだったけど。
晃曰く、基山はみんなが当たり前にすることは、気配を消し、色々理由をつけて、サボろうとする。そのくせに、誰もやらないことは、進んでやろうとする。性根のひねくれた真面目マンらしい。
私が基山のことを気になっている打ち明けたときは、みんなはとても驚いた顔をしていた。晃だけは嬉しそうだったけど。
そして、それから数週間経って、未だに告白どころかアプローチすらかけれない私に業を煮やした恵奈達に罰ゲームとして告白させられた。
あまり恋愛に興味が無さそうだったから、絶対振られると思ったけど、答えはOK。あまりにあっさりと返事されたから、一瞬振られたかと思ったけど、たしかにOKで、すごく嬉しかった。
付き合ったからと言っても、私達の関係性は特に変わりはしない。メッセージを送っても寝てる振りばかりだし、教室で話しかけたりもしない。
だから、恵奈に半ば強引に約束させられたと言っても、今回のデートは私にとってとても大事なものだった。
本当に私のことが好きなのか。不安で仕方なかったけど、聞いてしまった。
基山はニッコリと笑いながら、私のことが好きだって、きちんと答えてくれた。
楽しくなって、ウキウキした気分のまま、カフェに急ごうとする。
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