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43. 交渉 4
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ガルドゥーン帝国の若き武将であるエドゥアは、今、ティルドルフ王国の王城の奥深い件のガゼボに茶トラ猫のドゥとして忍び込んでいた。
モアリナ魔森林でのルー探索を一旦、中止し、襲撃者の足取りやオークションなどの取引について情報収集していた。しかし、依然として確かな情報に繋がる様子が見られず、自分が動かなくては気がすまなくなっていた。
ギデオン第一皇太子殿下と一緒にソフィ嬢も帝都入りした。
また、レオナルド大公閣下対策も万全にして、そうして来てしまった。
ここに、初めてルーに出会った場所に。
そして、今、まさにセオドア殿下が来るのを待っている。
ティルブルフ王家及び王国の動きは、潜り込ませている間者たちから得ている。セオドア第一王子は来年の王国150周年に併せ、立太子式を行う予定であり、それに向けて国務に軍務、そして貴族令嬢たちとの見合いにと多忙を極めているということであった。
エドゥアにしてみれば、ソフィ嬢からの手紙を届けて半月も経たぬ内に、見合い三昧とは呆気に取られてしまう。番至上主義の獣人として、ここに人族の精神的な強かさを感じずにはいられない。
『これだから人族は脆弱なくせにすぐ数を増やすのだ。いや、弱さ故に、数を増やさねばならぬのか』などと考えていると視界にセオドア殿下が入り、エドゥアは気を引き締めた。イラついた気持ちではルーを探すという任務に支障が出るに違いない。
「お前たちは自由だな」
「きちんと手続きしておりましたら、どれだけ時間がかかるか分かりませんので」
「ふん、挨拶も礼もなしか?」
「これは、これは大変失礼致しました。知性のない獣の申しましたことです。どうぞ、お許しください。急遽お時間を割いていただき、誠にありがとうございます」
「で、何用か?」
ドゥは長い尾でパタンパタンと床を2度ほど叩き、口火を切った。
「まず、ソフィ嬢のことですが、大怪我をされたことになっておりますが、これは大公閣下避けでございますので、ご安心ください」
「そうか、それは僥倖」
既に使節団襲撃のあらましをヴィズから受けていたセオドアは、落ち着いた柔らかい笑みを浮かべる。
以前に比べて、眼光に鋭さが増したように感じるも、セオドアからの強い香水の香りにドゥは思わず、口を開きそうになるのを堪える。
「で、用件はそれだけか? 連絡にはシバトラが来るのではなかったか?」
「ええ、少々想定外なことが起こりまして」
「ほう? それで私に一体何をしろというのだ」
「話が早いですね。はっきりと申しましょう。用件と言いますのは仔猫のルーなのです」
それを聞いて、セオドアが少し眉を顰めた。
「ソフィ様はこの旅路に大事にされていたルーを連れておられたですが、襲撃を受けた際にルーが行方不明となりまして、ソフィ様がご心痛なのです。もちろん、すぐに配下の犬に追わせたのですが意図的に匂いが断ち切られており、見つけることが叶いませんでした。しかし、そこから考えますとソフィ様を襲った男が連れ去ったものと見られます」
「ソフィ……譲がな……」
ルーが行方不明になったことよりも、やはりソフィが憔悴していることの方が堪えるのかと、ルーの安否を憂うエドゥアは複雑な思いがした。
「あの使節団にはラウレア子爵がおられましたので、これはやはり殿下に伺うのが一番かと、ボクが罷り越した次第です」
ドゥは以前にソフィのことを調べていることを匂わせていた。その際にラウレア子爵が動いていることを知られたのだろう。ティルブルフ王家を長きに支える陰部隊の存在を知られずとも、似たような部隊や組織はどこの国にもある。そこで出てきたラウレア子爵が使節団にいるとなれば、疑われても仕方がない、とセオドアは即座に考え、ゆっくりと左手を上げた。
すると手入れの良くされている木立の合間から、文官姿の人物がすっと現れ進み出た。
「聞いていたな。知ってることを言え」
「……はい、確かに子爵が動いていたようです。が、かの者は用心深く最終的な実行犯には外部の者を使ったようであります。推測の域を出ませんが、パシュカル皇国かツィリル連合共和国にある裏ギルド辺りを調べられるのが宜しいかと」
「んー、それだけで、引き下がるわけにはいかぬのです。そちらから持ちかけてきた協定に、自作自演の妨害とは帝国をバカにされていると取られても仕方がないと思うのです。誠意を見せていただかねば」
「……」
「いや、待て、まだそれほど時間が経っておらん。今回の件は、国王たる父上も、さすがに不信感を拭えぬ、とおっしゃられていた。ラウレア子爵はこれまで忠を尽くしてきている。精査せねば結論はだせん。今後、判明したことがあれば、すぐに知らせよう。それで良いだろう? 子猫を見つけたら……、ソフィ譲の元が良いのだろうなぁ、が、まぁ、それも生きておればだ」
エドゥアはギクッとする。セオドアは暗にモアリナ魔森林で子猫が生きているわけがないだろう? と言わんばかりである。
セオドアの淡々とした言葉に文官は頭を垂れ、すぐその場を辞した。
それを見届けてセオドアはドゥに体を向けた。
「こちらの希望も一つ聞いてもらおうか」
「はい? ボクにできることですかね?」
「できる、だろう。いや、してもらわないと、甲斐がない……」
一呼吸おいて、為政者としての言葉を続ける。
「ソフィ譲、ボルストラップ侯爵家令嬢ソフィ譲が、賊に襲われ深手を負い、重症であり、帝国は不満を持っているということにしてもらいたい」
セオドアはソフィへの関心が失せたように落ち着き払った態度でドゥに視線を送ることなく話す。
「それは……宜しいのでしょうか?」
「初恋というものは実らないのだそうだな。犠牲になったのはソフィ譲だけではない。私も国に捧げたのだ。王家の老害共にこの策の愚かさを知らしめ、責任を取らせる」
「なるほど……」
「ギデオン殿の協力はもらえるのだろう? 存分に攻め立ててやってくれ」
「そのように、お伝え致しましょう」
「そう、子猫のルーか、ルーはお前の番であったりするのか?」
ドゥの反応を楽しむように、セオドアは聞いた。
「いえ、あの子は猫です。そのようなことは……」
言い淀む茶トラに、更に揶揄うようにセオドアは続けた。
「獣人とは厄介なものだな。番のためにはどんなことでもするとか、我ら人族には分からん。そう、番を失うと気が狂うとか、それは本当か?」
強い眼差しで挑むように、ドゥに視線を向ける。
まるで、お前の番であるならば、目の前で引き裂いてやろうか、と言っているかのような冷酷な微笑みを見せる。
「……そういうこともございますね」
「ギデオン殿の配下に、同様の病に罹患したものが集まっているらしいな。一生求め続ける者に会えぬばかりか、失ったことを知るのは辛かろうなぁ」
遠い目をして、口角を上げるセオドアを見て、エドゥアは自分の所属部隊のことが知られているのかと驚かされた。しかも、それだけではない。エドゥアが考えていた効果をもうソフィ譲が持っておらず、ルーを探す気があるのか、そればかりか腹いせに殺されるのではないかと、不安に駆られたのだった。
モアリナ魔森林でのルー探索を一旦、中止し、襲撃者の足取りやオークションなどの取引について情報収集していた。しかし、依然として確かな情報に繋がる様子が見られず、自分が動かなくては気がすまなくなっていた。
ギデオン第一皇太子殿下と一緒にソフィ嬢も帝都入りした。
また、レオナルド大公閣下対策も万全にして、そうして来てしまった。
ここに、初めてルーに出会った場所に。
そして、今、まさにセオドア殿下が来るのを待っている。
ティルブルフ王家及び王国の動きは、潜り込ませている間者たちから得ている。セオドア第一王子は来年の王国150周年に併せ、立太子式を行う予定であり、それに向けて国務に軍務、そして貴族令嬢たちとの見合いにと多忙を極めているということであった。
エドゥアにしてみれば、ソフィ嬢からの手紙を届けて半月も経たぬ内に、見合い三昧とは呆気に取られてしまう。番至上主義の獣人として、ここに人族の精神的な強かさを感じずにはいられない。
『これだから人族は脆弱なくせにすぐ数を増やすのだ。いや、弱さ故に、数を増やさねばならぬのか』などと考えていると視界にセオドア殿下が入り、エドゥアは気を引き締めた。イラついた気持ちではルーを探すという任務に支障が出るに違いない。
「お前たちは自由だな」
「きちんと手続きしておりましたら、どれだけ時間がかかるか分かりませんので」
「ふん、挨拶も礼もなしか?」
「これは、これは大変失礼致しました。知性のない獣の申しましたことです。どうぞ、お許しください。急遽お時間を割いていただき、誠にありがとうございます」
「で、何用か?」
ドゥは長い尾でパタンパタンと床を2度ほど叩き、口火を切った。
「まず、ソフィ嬢のことですが、大怪我をされたことになっておりますが、これは大公閣下避けでございますので、ご安心ください」
「そうか、それは僥倖」
既に使節団襲撃のあらましをヴィズから受けていたセオドアは、落ち着いた柔らかい笑みを浮かべる。
以前に比べて、眼光に鋭さが増したように感じるも、セオドアからの強い香水の香りにドゥは思わず、口を開きそうになるのを堪える。
「で、用件はそれだけか? 連絡にはシバトラが来るのではなかったか?」
「ええ、少々想定外なことが起こりまして」
「ほう? それで私に一体何をしろというのだ」
「話が早いですね。はっきりと申しましょう。用件と言いますのは仔猫のルーなのです」
それを聞いて、セオドアが少し眉を顰めた。
「ソフィ様はこの旅路に大事にされていたルーを連れておられたですが、襲撃を受けた際にルーが行方不明となりまして、ソフィ様がご心痛なのです。もちろん、すぐに配下の犬に追わせたのですが意図的に匂いが断ち切られており、見つけることが叶いませんでした。しかし、そこから考えますとソフィ様を襲った男が連れ去ったものと見られます」
「ソフィ……譲がな……」
ルーが行方不明になったことよりも、やはりソフィが憔悴していることの方が堪えるのかと、ルーの安否を憂うエドゥアは複雑な思いがした。
「あの使節団にはラウレア子爵がおられましたので、これはやはり殿下に伺うのが一番かと、ボクが罷り越した次第です」
ドゥは以前にソフィのことを調べていることを匂わせていた。その際にラウレア子爵が動いていることを知られたのだろう。ティルブルフ王家を長きに支える陰部隊の存在を知られずとも、似たような部隊や組織はどこの国にもある。そこで出てきたラウレア子爵が使節団にいるとなれば、疑われても仕方がない、とセオドアは即座に考え、ゆっくりと左手を上げた。
すると手入れの良くされている木立の合間から、文官姿の人物がすっと現れ進み出た。
「聞いていたな。知ってることを言え」
「……はい、確かに子爵が動いていたようです。が、かの者は用心深く最終的な実行犯には外部の者を使ったようであります。推測の域を出ませんが、パシュカル皇国かツィリル連合共和国にある裏ギルド辺りを調べられるのが宜しいかと」
「んー、それだけで、引き下がるわけにはいかぬのです。そちらから持ちかけてきた協定に、自作自演の妨害とは帝国をバカにされていると取られても仕方がないと思うのです。誠意を見せていただかねば」
「……」
「いや、待て、まだそれほど時間が経っておらん。今回の件は、国王たる父上も、さすがに不信感を拭えぬ、とおっしゃられていた。ラウレア子爵はこれまで忠を尽くしてきている。精査せねば結論はだせん。今後、判明したことがあれば、すぐに知らせよう。それで良いだろう? 子猫を見つけたら……、ソフィ譲の元が良いのだろうなぁ、が、まぁ、それも生きておればだ」
エドゥアはギクッとする。セオドアは暗にモアリナ魔森林で子猫が生きているわけがないだろう? と言わんばかりである。
セオドアの淡々とした言葉に文官は頭を垂れ、すぐその場を辞した。
それを見届けてセオドアはドゥに体を向けた。
「こちらの希望も一つ聞いてもらおうか」
「はい? ボクにできることですかね?」
「できる、だろう。いや、してもらわないと、甲斐がない……」
一呼吸おいて、為政者としての言葉を続ける。
「ソフィ譲、ボルストラップ侯爵家令嬢ソフィ譲が、賊に襲われ深手を負い、重症であり、帝国は不満を持っているということにしてもらいたい」
セオドアはソフィへの関心が失せたように落ち着き払った態度でドゥに視線を送ることなく話す。
「それは……宜しいのでしょうか?」
「初恋というものは実らないのだそうだな。犠牲になったのはソフィ譲だけではない。私も国に捧げたのだ。王家の老害共にこの策の愚かさを知らしめ、責任を取らせる」
「なるほど……」
「ギデオン殿の協力はもらえるのだろう? 存分に攻め立ててやってくれ」
「そのように、お伝え致しましょう」
「そう、子猫のルーか、ルーはお前の番であったりするのか?」
ドゥの反応を楽しむように、セオドアは聞いた。
「いえ、あの子は猫です。そのようなことは……」
言い淀む茶トラに、更に揶揄うようにセオドアは続けた。
「獣人とは厄介なものだな。番のためにはどんなことでもするとか、我ら人族には分からん。そう、番を失うと気が狂うとか、それは本当か?」
強い眼差しで挑むように、ドゥに視線を向ける。
まるで、お前の番であるならば、目の前で引き裂いてやろうか、と言っているかのような冷酷な微笑みを見せる。
「……そういうこともございますね」
「ギデオン殿の配下に、同様の病に罹患したものが集まっているらしいな。一生求め続ける者に会えぬばかりか、失ったことを知るのは辛かろうなぁ」
遠い目をして、口角を上げるセオドアを見て、エドゥアは自分の所属部隊のことが知られているのかと驚かされた。しかも、それだけではない。エドゥアが考えていた効果をもうソフィ譲が持っておらず、ルーを探す気があるのか、そればかりか腹いせに殺されるのではないかと、不安に駆られたのだった。
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