巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
440 / 557
第11章 開拓と聖霊の森創り?

11-42 神界へ戻り報告?

しおりを挟む



 そんな事があり俺とティナ、それにフィリエちゃんとフェリエちゃんは一緒に神界へと戻る準備をして、神界で待っている娘達に無事赤ん坊達が生まれ事と、フィーナ達母親3人も健康ある事を告げる為に大神界を後にしたのであった。



 まず最初に神界へ戻ると何故か神界では殆どの機能が停止した。いつも以上に静かで女神候補の娘達はもちろん、守護天使の子達ものんびりすごし俺達の帰りを待っていた。
「どうなってんだ?いつも以上にみんなのんびりしているな。どうしたんだ、これ?」

 俺が不思議がって訪ねると、守護天使筆頭のレミちゃんが答えてくれた。
「それがですね・・・・」
 どうやら不思議と今現在下界でのトラブルとかが、いっさい起こってない状態になっており、稀に平和で静かな日々が先日から続いていて、争い事も何もなく魔獣モンスター自体も活動していない状態になっていて、誰もが新しい生命・・・得に俺の子供達が生まれるのを期待して待っていたようであったとか・・・。しかもそれは不思議とスレリア大陸・・・いや、アーストリアの星全体が喜んで祝福しているような感じであった等と教えてくれた。
 ついでに言うと俺の子達が誕生した、その日に同じ様に誕生した子達には、何故か聖印が体のどこかにあり、後の未来で重要な存在となるのであった。(まあ、それは別の物語なのだが・・・)
「・・・・という事なのですよ。すごく不思議な事ですよ、こんな事って初めてですよ」

 その様な事を教えられたのだが、どうやらその時にはアーストリア中どころか、大神界や聖霊界、それに神獣界では奇跡のオンパレードが起きていたとかいないとか、まあ実際その事は俺達が知る事では無いし、どうでもいいのだが・・・とりあえずは子供達が無事に誕生した事をみんなに伝える事にした。

「・・・それでとりあえずは彼女達と赤ん坊達は無事で、今はまだお休み中だ。ただフェルト様と創造神の爺様の話じゃ、リンカとシルフィーの検査に時間がかかるらしいし、赤ん坊もその間に色々と検査をしないといけないらしい」
 実際に赤ん坊達の方は、神の力を封印した後の経過を見ないといけないらしい。どうも封印したからいいという訳ではないらしい、それなりに何らかのリスクがある可能性があるらしいのでそれの検査確認らしい。
 そちらの方は然程心配は要らないのだが、問題はフィーナの方で大半の神に力を自分の2人の子供達に持っていかれてそれが回復するまでは、大神界で検査をしないといけないらしいのだ。

「大丈夫だよお兄ちゃん!お姉ちゃんは別に神核が傷付いた訳でなくて、あの双子の赤ちゃん達に神の力の全てを譲り渡してたみたいなの」
「そうなのそうなの。普通だったら1週間程度で回復する予定なんだけど、神核が以前と違って強力な物に変化してるらしいんだよね。なんでそこまでなっているのか解んないらしいけど・・・あと、それとどこまでその神核がすごい事になってるかを詳しく調べるんだって、それで時間がかかるらしいよ」
 フィリア様の妹である双子ちゃんのフィリエちゃんとフェリエちゃんは、俺とティナが聞かされていなかった事まで教えてくれた。

 まあ内容は聞いていなかったが、時間がかかる事は聞いていたので・・・然程気にはしていない。ただ神界にいた子達は赤ん坊達の顔を見られないのは残念がっていたのと、俺は生まれてきたばかりの子を抱き上げる事が出来るのは、まだ先の事だと言う事だけが決まっていた。

 そんな事があってから月日は流れ、既に神聖霊の森の周りには立派な・・・いや、立派を通り越して何から護る為なのか自分でも解らないが、ただ事では無い物凄い鉄壁で頑丈な外壁(防衛壁)がもう少しで完成する予定だ。
「自分で造って置きながら、なんちゅう物を造ったのだか・・・」
 そう言葉に出し目の前に聳え立つ壁を《コンコン》と叩いて確認していた。

 ついでに防衛門自体も、恐らく何者にも破壊できない感じの門が出来ていると思う。もちろん外壁の外側にある周囲の空堀にも計画通り神聖な水が注ぎこまれ、今ではその水の中には生き物がいる状態だ。ただまだ一箇所を残してだが・・・。

「さて・・・これはどうすればいいのだか?なんなんだこれは・・・」
 この場所には相変わらず魔獣モンスターの類は近付いて来ない。しかし、獣の類は安全な水場を求め暗黒の森からこちらの神聖霊の森へと集まって来ているのだ。
 ただし悪意や凶暴な獣達は魔獣モンスター同様近付いて気もしない。

 それで俺の目の前を・・・数匹の小動物が横切ってある場所を目指していたのだ。

 それに以前から聖魔狼ホーリーフェンリルのランとそのランの背中に乗せられたシロスラが暗黒の森へとチョクチョク行っていたのは、解ってはいたが、それはどうやら無害である獣や妖精種を神聖霊の森へと、内緒で連れて来ていたのである。
「どうりで最近は、ここの森の中の生物が増えて賑やかになったと思ったら・・・お前らが率先して連れて来てたのか、毎回何をしてるのかと思ってはいたが、なるほどな・・・」
「・・・・」《プルプルン・・・》

 今日で防衛壁である外壁が完全に出来上がる予定なのだが、そう後残している2、3メートルある幅の空間を繋げるだけなのだが、そこを小動物の団体さんが通り抜けて、こちら側の安全な森へと移住してきている。
「・・・う~ん、このままじゃ作業が出来ないな。どうしよう?というよりなんでこんな小さな動物があの危険な森の中で生活できたんだ?・・・まあ、確か暗黒の森の中には安全地帯みたいな森の場所もあるが、そこから来たのか?わざわざ・・・」

 現状俺の目の前をかなりの数の小動物達が、防衛壁の中にある神聖な森へと移動している。それを横にいるランとシロスラがその様子を俺と共に見ているのだ。
「ちなみに、この状態を俺にどうしろと・・・」

 俺のこの質問を聖魔狼ホーリーフェンリルのランに向けて聞いてみたが、その肝心のランはキョトンと不思議そうに俺を見て答えようとしない。まあ、もし答えられてもミーアぐらいしか意思疎通はできないので、なにを言っているのか解らないが、反応だけは出来れば欲しかった。
 実際には動物達が中にある神聖な森に住み着くのはいいのだが、問題は食料だ!その点は俺にはどうする事もできない。その点を考えてるのかは知らないが結構な数の獣と動物達・・・まあ、どうやら殆どが小動物類なのだが、それでも結構な数がいるのだがどうするつもりだ。

 そう思いながら俺はある決断をする事にした。
「こいつ等の面倒は、ラン!お前達が見ろよ。俺は文句は言わないから・・・」

『・・・・・ワゥッ!?』
 俺のその言葉を聞いたランは一瞬驚いた感じはあったが、納得したようでそのまま最後に入って来た元同種らしき狼の数匹と共に、神聖な森へと消えて行った。もちろんシロスラも一緒にであった。

「そんなに驚くような事だったのか?まあ、森の長として頑張ってくれ。どの道誰かがその役目をしなくちゃいけないのだから、まあ実際はミーア辺りがいいのだがあの娘は当分勉学に励んで貰いたいし、ランなら問題ないだろう・・・」
 そんな事があって、ついに防衛壁の残り分を完成させ、この場所を動物達の出入り口用に小さなゲートを造った。まあ反対側は堀の上に茂みを植え動物などが出入りできるようなスペースを造った。

「・・・まあ、予定と違うけどこうしておけば、ランとシロスラも自由に外に出れるだろう。それに他の動物達も出入り出来るし、ちゃんと危険な奴はは入れないように・・・」
 恐らく人が通るの事は無理だとは思うが、もしかしたら小さな子供程度ならば・・・まあ、とにかくここに入る事は可能だろうが、防衛壁の外出るにはある程度の強さがないと、どう足掻いても出る事が簡単に出来ない様な出入り口にしている。



 まあ動物達の方に関してはランとシロスラに任せて、俺の方は自分達の住む事になる住居の方を新たに建設する事にした。・・・というよりもう既に大半は完成しているのだ。


しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

心が折れた日に神の声を聞く

木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。 どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。 何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。 絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。 没ネタ供養、第二弾の短編です。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

姉妹差別の末路

京佳
ファンタジー
粗末に扱われる姉と蝶よ花よと大切に愛される妹。同じ親から産まれたのにまるで真逆の姉妹。見捨てられた姉はひとり静かに家を出た。妹が不治の病?私がドナーに適応?喜んでお断り致します! 妹嫌悪。ゆるゆる設定 ※初期に書いた物を手直し再投稿&その後も追記済

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

処理中です...