男子校の姫は生徒会長に愛される

土方 椿姫

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―06 睦月の怪我と水無瀬家―

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睦月に告白してから、毎日のようにアタックする浅葱の姿が学院内でも話題になっていた。
「おはよー、睦月姫」
「はよ、朝比奈」
「……どうした、それ…」
睦月は眼鏡とマスクをしていた。
眼鏡を掛けている為、分かりにくいが目が腫れていた。
「……あー、昨日さ…」
「……おじさん帰って来たのか?
出張だったんだろ?」
「……暫くは家で仕事だって」
「……なら、俺のとこ泊まる?」
「……大丈夫」
「ヤバいときは逃げて来いよ。
俺にすぐ電話して、助けに行く」
「………ん」
「でも、帰り病院は寄って?
父さんに怪我診てもらおう。
腫れはすぐ引くと思うけど…顔は?」
「顔も少し腫れてる。だからマスクしてんだよ」
「今日はあんまり無理すんなよー」
「あぁ」
「―おはよう、神崎君、朝比奈君」
優斗が後ろから2人に声を掛ける。
「先輩、おはよーっす」
「おはようございます、先輩」
「神崎君、眼鏡掛けてたっけ?
おまけにマスクまでして」
「……俺、普段はコンタクトなんですけど、今日は目の調子悪くて…」
「マスクはどうしたの?」
大和が話しに割って入る。
「―先輩!!会長はどうしたんですか!?」
「浅葱なら家出る時、母さんに呼び止められてね…」
「そうなんですかー。あ、俺ら日直あるんで行きますねー」
足速に立ち去る2人。
(……なんか、神崎君…様子がおかしかったな…
なんか、眼鏡掛けててあんまり分からなかったけど、目が腫れてたような…?)

―水無瀬家。
「……なんだよ、母さん。
遅刻するんだけど?」
「浅葱、貴方最近、1年の子にご執着らしいじゃないの」
家を出ようとした浅葱を呼び止めた女性、水無瀬緋鞠。__みなせ__ひまり__浅葱、優斗の母親。
「……優斗から聞いたのかよ」
「貴方は将来、優斗と一緒に[Sweet Sweets]を継ぐのよ!?
分かってるの!?
そんなことしてる場合じゃないでしょ!!
しっかり勉強して…」
「―母さん。
優斗だけ継げばいいじゃん。
俺は自由に生きたいんだよ。
遅刻するから行くわ」
「―浅葱!!待ちなさい!!
そんなこと許しませんからね!!」
家を出る浅葱。
優斗に電話する。
「今から行く。
……―え、睦月君が?
詳しい話は後で聞くよ」
電話を切り、走り出す。
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