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逃げろっ……

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「んんっんんっ」


「どうしました?」
感じているわけでもない声、なにか言いたそうに口をもごもごしていた。

鍵はベッド横にあったので口枷を外すと

「はぁはぁ……ばっか何してる、はぁはぁ……早くここから逃げろ……」
「逃げる? なぜ、それに汗すごいじゃないですか!」
yumeは全身から汗を流していた。


顔に触れた途端、その逃げろという意味がやっと分かった。

!?

え? なにこれ脳内が支配されていく、
【このΩを抱け、抱き潰して、番にしろ、孕め、こいつを堪能しろ】俺じゃない誰かの言づてが聞こえた気がした。

「はぁはぁ……、も…早くどっか行け……」
くたっとその場に倒れた。

こいつは誰だ? 充?
違う、

【違いはないだろ、Ωなんてみんな一緒なんだ、俺たちαの脳内を掻き乱して己を忘れ、性欲発散だけの存在、さぁお前もこちらに来い】



「はぁはぁ……」
覆い被さるようにyumeの上に乗っかった。

「はぁはぁ……ばか…だから言ったのに……」

目がトロンとしていて火照った体、濃厚なΩの香り、そして彼の本当の姿。


-----
監視室というなのVIP室
「ふふふっ面白い展開ですね」
「これでいいのか?」

「彼には番が必要だと言ったのは堂島さんですよ」
「しかし、番になればファンは絶望だろうな」


「番にさせないのが今回の目的でしょ?」
「ああ、最悪な事態の場合は壬生、お前が行けばあいつの理性も戻るだろ」
「うふふっ」
「元恋人のお前がな、あいつにとっては嫌で嫌でしょうがないからな」
「そこまで批判しなくても」

「俺はお前が捨てた後のあいつの世話をしたんだ、相当荒ぶってたけどな」
「なるほど、今度襲ってみようかな」
「おい、俺をこれ以上関わらせるな」
「はいはい、で今日がyumeの発情期の日」
「計算しているあんたが怖いよ」
「ふふっ発情期の日に会わないようにしていたものでね、習慣がついちゃっていました」

「yumeは特にΩの中でも特別だ、特別というよりもそうなってしまったが正しいのか」
「ええ、そうです、yumeの発情期は半年に1度だけっていうのもあるから相当キツイはずです」
「普段からして気を紛らわせてはいるが」
「そしてこの発情期は特にフェロモンが濃くでます」
「抑えられるαはいない、しかしEDなのかは知らないがその役目になれるんだったら葉山福太郎は特別になるんじゃないか?」

「はい、ですがこの状況の説明としてはどうでしょ、彼完全にα領域に入ってますよ」
カメラ2は捕らえていた。
彼が勃起していることを。
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