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第1章
5-1.ワークへの想い ~エミリス視点~
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私は最初、ワーくんのことは大嫌いだった……。私が物心ついたときにはいて、おじいちゃんの話だと村の外れで捨てられていたって言ってた。
初めは両親のいない私に弟という家族が増えたって思ってたんだけど…。
店に売ってあるものを見つめてはブツブツと何か言っているし、私と言い合いになったりすると大人のような正論をぶつけて私を黙らせたりしていた。正直ちょっと気味悪い子と思ってた……。
でも、10歳になったある時に私の考えは変わった。
私のおじいちゃんがこの村の神官をやっているってだけで私のことをよく思っていない連中がたくさんいて、よく悪口を言われていた。
その日もいつものように裏に呼ばれて男の子数人に囲まれていた。
「おい!いい加減なんとか言ったらどうなんだ?」
「……。」
「俺たちもこうやっておまえを呼ぶの飽きたんだよ…。」
「……。」
「おまえのじいちゃんが神官だからっていい気になってんだろ?どうなんだ…?」
「……。」
「……ケッ!まただんまりかよ…。」
私はとりあえず無視をきめこんだ。何も言わなければこいつらは危害を加えることもない。
ただいつものように悪口を長々と聞いて家に帰り、ただ何事もなく過ぎていく。……そのはずだった。
「……もういい。どけ。」
そう言って1人の大男がズカズカと私に近づいてくる。そして私の髪を掴んで持ち上げた。
「……っ!」
「ほう…いい顔するじゃねぇか。」
私のこの状況を見て、下っ端の人が大男に注意した。
「兄貴!何してるんですか?アルマンの孫ですよ?丁重に扱わないと、何言われるか…」
「そうですよ!儀式を受けられなくなるかもしれないんですよ!?」
しかし大男はそんな忠告を聞かず、下っ端たちを睨む。
「そんなこと知るか…。おまえらが泣き顔が見れるって言うから来てみれば、どれだけおまえらに愚痴言われても冷たい目をして睨むガキが立ってるだけじゃねぇか。それも何日も…。いい加減飽きたんだ。だったら悪口で響かねぇなら暴力に走らねぇとな…。」
そう言って私の髪を強く握る。持ち上がっていることもあって痛みがさらに倍増した。
「い…痛い…やめて!」
「お!初めて聞いたぜ。おまえそんな声だったんだな。じゃあ今度はかわいい声で泣いてくれよ!」
大男の拳が振り上げられる。
怖い…痛い…やめて…怖い…痛い!誰か……
(誰か助けてよ!)
私は心の中で助けを求める。誰も助けは来ないと思っていた……その時。
「やめろ!」
1人の男の子が走って近づいてくる。あの姿は……
「ワーくん!?」
ワーくんが大男目掛けて走ってくる。
「義姉さんから離れろぉ!」
大男がそれを見て私の髪から手を離した。
「いいじゃねぇか。気が変わった。このガキをボコボコにしておまえが泣く姿を見てやるぜ!こい!」
「やめてワーくん!逃げて!」
体格差は圧倒的だ。このままじゃワーくんがやられちゃう…。
「うぉりゃあ!」
「はっ!こんなへなちょこパンチ、俺の手で受けとめて…」
ワーくんの拳が大男の手に触れた瞬間、
「なんでだぁあ?!」
まぬけな声とともに空へと吹っ飛ばされた。
「……?」
下っ端たちは沈黙の後、
「あ...兄貴~!」
そう言って大男が飛ばされた方向へ逃げて行った。
私は改めてワーくんの方を見る。ワーくんも何があったか分からないといった表情で自分の拳を見つめていた。
そして私の方に向き直るとギュッと抱きつき。
「よかった…!無事でよかった!」
と言ってわんわんと泣き出した。
「ねぇ、なんで私がここにいるって分かったの?」
「男の人が裏に入っていくのが見えたので付いていったんです。最近、義姉さんが帰ってくるのが遅い日が多かったのでもしかしてと思って…」
「私のこと、心配してくれたの?」
「そんなことより!」
ワーくんは私の目をじっと見て、
「もうあんな危ないことはしないでください!1人で背負わず、ちゃんと僕に相談してください!僕はどんなことがあってもあなたの義弟なんですから。」
その言葉を聞いて私は涙が溢れだした。
「ありがとう……!」
私はワーくんに抱きつき、大声で泣いた。
今まで私はワーくんのことを大人ぶっていて気味悪い子と思っていた。ワーくんのことが大嫌いだった。
でも今は違う……。私は、ワーくんが……
ワークのことが大好きだ!
初めは両親のいない私に弟という家族が増えたって思ってたんだけど…。
店に売ってあるものを見つめてはブツブツと何か言っているし、私と言い合いになったりすると大人のような正論をぶつけて私を黙らせたりしていた。正直ちょっと気味悪い子と思ってた……。
でも、10歳になったある時に私の考えは変わった。
私のおじいちゃんがこの村の神官をやっているってだけで私のことをよく思っていない連中がたくさんいて、よく悪口を言われていた。
その日もいつものように裏に呼ばれて男の子数人に囲まれていた。
「おい!いい加減なんとか言ったらどうなんだ?」
「……。」
「俺たちもこうやっておまえを呼ぶの飽きたんだよ…。」
「……。」
「おまえのじいちゃんが神官だからっていい気になってんだろ?どうなんだ…?」
「……。」
「……ケッ!まただんまりかよ…。」
私はとりあえず無視をきめこんだ。何も言わなければこいつらは危害を加えることもない。
ただいつものように悪口を長々と聞いて家に帰り、ただ何事もなく過ぎていく。……そのはずだった。
「……もういい。どけ。」
そう言って1人の大男がズカズカと私に近づいてくる。そして私の髪を掴んで持ち上げた。
「……っ!」
「ほう…いい顔するじゃねぇか。」
私のこの状況を見て、下っ端の人が大男に注意した。
「兄貴!何してるんですか?アルマンの孫ですよ?丁重に扱わないと、何言われるか…」
「そうですよ!儀式を受けられなくなるかもしれないんですよ!?」
しかし大男はそんな忠告を聞かず、下っ端たちを睨む。
「そんなこと知るか…。おまえらが泣き顔が見れるって言うから来てみれば、どれだけおまえらに愚痴言われても冷たい目をして睨むガキが立ってるだけじゃねぇか。それも何日も…。いい加減飽きたんだ。だったら悪口で響かねぇなら暴力に走らねぇとな…。」
そう言って私の髪を強く握る。持ち上がっていることもあって痛みがさらに倍増した。
「い…痛い…やめて!」
「お!初めて聞いたぜ。おまえそんな声だったんだな。じゃあ今度はかわいい声で泣いてくれよ!」
大男の拳が振り上げられる。
怖い…痛い…やめて…怖い…痛い!誰か……
(誰か助けてよ!)
私は心の中で助けを求める。誰も助けは来ないと思っていた……その時。
「やめろ!」
1人の男の子が走って近づいてくる。あの姿は……
「ワーくん!?」
ワーくんが大男目掛けて走ってくる。
「義姉さんから離れろぉ!」
大男がそれを見て私の髪から手を離した。
「いいじゃねぇか。気が変わった。このガキをボコボコにしておまえが泣く姿を見てやるぜ!こい!」
「やめてワーくん!逃げて!」
体格差は圧倒的だ。このままじゃワーくんがやられちゃう…。
「うぉりゃあ!」
「はっ!こんなへなちょこパンチ、俺の手で受けとめて…」
ワーくんの拳が大男の手に触れた瞬間、
「なんでだぁあ?!」
まぬけな声とともに空へと吹っ飛ばされた。
「……?」
下っ端たちは沈黙の後、
「あ...兄貴~!」
そう言って大男が飛ばされた方向へ逃げて行った。
私は改めてワーくんの方を見る。ワーくんも何があったか分からないといった表情で自分の拳を見つめていた。
そして私の方に向き直るとギュッと抱きつき。
「よかった…!無事でよかった!」
と言ってわんわんと泣き出した。
「ねぇ、なんで私がここにいるって分かったの?」
「男の人が裏に入っていくのが見えたので付いていったんです。最近、義姉さんが帰ってくるのが遅い日が多かったのでもしかしてと思って…」
「私のこと、心配してくれたの?」
「そんなことより!」
ワーくんは私の目をじっと見て、
「もうあんな危ないことはしないでください!1人で背負わず、ちゃんと僕に相談してください!僕はどんなことがあってもあなたの義弟なんですから。」
その言葉を聞いて私は涙が溢れだした。
「ありがとう……!」
私はワーくんに抱きつき、大声で泣いた。
今まで私はワーくんのことを大人ぶっていて気味悪い子と思っていた。ワーくんのことが大嫌いだった。
でも今は違う……。私は、ワーくんが……
ワークのことが大好きだ!
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