36 / 53
ライゼン通りの雑貨屋さん3 ~雑貨屋の娘と訳ありのお客達~
エピローグ
しおりを挟む
寒風吹きすさぶ中、今日も雑貨屋は大いに賑わっていた。
「はい、こちらは今季入荷したばかりですよ。お土産に如何ですか?」
「こんにちは」
「あら、ミラ。パン屋さんの方はいいの?」
忙しなく店内を飛び回っているとミラに声をかけられ近寄る。
「今の時間帯は落ち着いているから大丈夫よ。それよりも、ちょっとベティーに話でもと思ってね」
「話って?」
友人の言葉にベティーは首をかしげた。
「実は、ここ最近一人だとどうしても大変な時があってね。それでベティーにまた手伝ってもらえないかと思ったの」
「あら、いいわね。ならわたしも手伝うわ」
「「!?」」
ミラの言葉に答えたのは第三者の声で驚いてそちらへと振り返る。
「ロ、ローズ様。いつからいたの?」
「ついさっき、来たところよ。それよりもお店が忙しいならわたしが手伝ってあげる」
「え、でもローズ様に手伝ってもらうわけには……」
ベティーの問いかけに王女が答えると微笑む。それにミラが戸惑いながら言うも、その先の言葉を飲み込み見詰める。
「そうよ。私は兎も角ローズ様はちょっと……後で問題になったりしたら困るわ」
「あら、どうして? お友達が手伝うのに何か問題でもあるの」
王女に手伝ってもらうわけにはいかないと思う二人の様子など気にも留めずに、ローズが不思議そうな顔をして首をかしげた。
「「問題大ありよ」」
「わたしの立場を考えてるのかしら。それなら何も問題ないわ。ふふっ。それじゃまた今度パン屋さんに手伝いに行くからね」
「「はぁ……」」
声をそろえて言われた言葉に不思議そうにしながら答えるとローズは帰ってしまう。
その様子にミラと一緒に盛大に溜息を吐き出した。
「もう、ローズ様ったら仕方ないわね」
「ベティー。後で問題にならないかしら?」
「問題になったら本人に解決してもらいましょう」
「そうね」
二人で話し合っているとジュディーがやって来る。
「ベティーやミラちゃんと話しているところ悪いのだけれど、お客様に商品の説明をしてくれないかね。あちらの言葉で話されても解らなくて」
「分かったわ」
祖母の言葉に頷くとその様子を見ていたミラが口を開く。
「それじゃあ、私もパン屋に戻るわね。お店頑張って」
「ミラも頑張ってね」
彼女がそう言って踵を返すのでベティーも笑顔で送り出す。
こうして今日も看板娘として変わらずに雑貨屋のお店に立つのであった。
「はい、こちらは今季入荷したばかりですよ。お土産に如何ですか?」
「こんにちは」
「あら、ミラ。パン屋さんの方はいいの?」
忙しなく店内を飛び回っているとミラに声をかけられ近寄る。
「今の時間帯は落ち着いているから大丈夫よ。それよりも、ちょっとベティーに話でもと思ってね」
「話って?」
友人の言葉にベティーは首をかしげた。
「実は、ここ最近一人だとどうしても大変な時があってね。それでベティーにまた手伝ってもらえないかと思ったの」
「あら、いいわね。ならわたしも手伝うわ」
「「!?」」
ミラの言葉に答えたのは第三者の声で驚いてそちらへと振り返る。
「ロ、ローズ様。いつからいたの?」
「ついさっき、来たところよ。それよりもお店が忙しいならわたしが手伝ってあげる」
「え、でもローズ様に手伝ってもらうわけには……」
ベティーの問いかけに王女が答えると微笑む。それにミラが戸惑いながら言うも、その先の言葉を飲み込み見詰める。
「そうよ。私は兎も角ローズ様はちょっと……後で問題になったりしたら困るわ」
「あら、どうして? お友達が手伝うのに何か問題でもあるの」
王女に手伝ってもらうわけにはいかないと思う二人の様子など気にも留めずに、ローズが不思議そうな顔をして首をかしげた。
「「問題大ありよ」」
「わたしの立場を考えてるのかしら。それなら何も問題ないわ。ふふっ。それじゃまた今度パン屋さんに手伝いに行くからね」
「「はぁ……」」
声をそろえて言われた言葉に不思議そうにしながら答えるとローズは帰ってしまう。
その様子にミラと一緒に盛大に溜息を吐き出した。
「もう、ローズ様ったら仕方ないわね」
「ベティー。後で問題にならないかしら?」
「問題になったら本人に解決してもらいましょう」
「そうね」
二人で話し合っているとジュディーがやって来る。
「ベティーやミラちゃんと話しているところ悪いのだけれど、お客様に商品の説明をしてくれないかね。あちらの言葉で話されても解らなくて」
「分かったわ」
祖母の言葉に頷くとその様子を見ていたミラが口を開く。
「それじゃあ、私もパン屋に戻るわね。お店頑張って」
「ミラも頑張ってね」
彼女がそう言って踵を返すのでベティーも笑顔で送り出す。
こうして今日も看板娘として変わらずに雑貨屋のお店に立つのであった。
0
あなたにおすすめの小説
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜
ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」
あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。
「セレス様、行きましょう」
「ありがとう、リリ」
私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。
ある日精霊たちはいった。
「あの方が迎えに来る」
カクヨム/なろう様でも連載させていただいております
聖女の力は使いたくありません!
三谷朱花
恋愛
目の前に並ぶ、婚約者と、気弱そうに隣に立つ義理の姉の姿に、私はめまいを覚えた。
ここは、私がヒロインの舞台じゃなかったの?
昨日までは、これまでの人生を逆転させて、ヒロインになりあがった自分を自分で褒めていたのに!
どうしてこうなったのか、誰か教えて!
※アルファポリスのみの公開です。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
記憶喪失となった転生少女は神から貰った『料理道』で異世界ライフを満喫したい
犬社護
ファンタジー
11歳・小学5年生の唯は交通事故に遭い、気がついたら何処かの部屋にいて、目の前には黒留袖を着た女性-鈴がいた。ここが死後の世界と知りショックを受けるものの、現世に未練があることを訴えると、鈴から異世界へ転生することを薦められる。理由を知った唯は転生を承諾するも、手続き中に『記憶の覚醒が11歳の誕生日、その後すぐにとある事件に巻き込まれ、数日中に死亡する』という事実が発覚する。
異世界の神も気の毒に思い、死なないルートを探すも、事件後の覚醒となってしまい、その影響で記憶喪失、取得スキルと魔法の喪失、ステータス能力値がほぼゼロ、覚醒場所は樹海の中という最底辺からのスタート。これに同情した鈴と神は、唯に統括型スキル【料理道[極み]】と善行ポイントを与え、異世界へと送り出す。
持ち前の明るく前向きな性格の唯は、このスキルでフェンリルを救ったことをキッカケに、様々な人々と出会っていくが、皆は彼女の料理だけでなく、調理時のスキルの使い方に驚くばかり。この料理道で皆を振り回していくものの、次第に愛される存在になっていく。
これは、ちょっぴり恋に鈍感で天然な唯と、もふもふ従魔や仲間たちとの異世界のんびり物語。
追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜
音無響一
ファンタジー
わーい、異世界来ちゃった!
スキルスキル〜何かな何かな〜
ネットスーパー……?
これチートでしょ!?
当たりだよね!?
なになに……
注文できるのは、食材と調味料だけ?
完成品は?
カップ麺は?
え、私料理できないんだけど。
──詰みじゃん。
と思ったら、追放された料理人に拾われました。
素材しか買えない転移JK
追放された料理人
完成品ゼロ
便利アイテムなし
あるのは、調味料。
焼くだけなのに泣く。
塩で革命。
ソースで敗北。
そしてなぜかペンギンもいる。
今日も異世界で、
調味料無双しちゃいます!
前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)
miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます)
ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。
ここは、どうやら転生後の人生。
私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。
有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。
でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。
“前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。
そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。
ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。
高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。
大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。
という、少々…長いお話です。
鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…?
※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。
※ストーリーの進度は遅めかと思われます。
※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。
公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。
※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、146話辺りまで手直し作業中)
※章の区切りを変更致しました。(9/22更新)
ハズレスキル『自動販売機』を授かって婚約破棄されましたが、 実は回復薬も魔力食も出せる最強スキルでした
暖夢 由
ファンタジー
十八歳の成人儀式で授かったのは、誰も聞いたことのない《自動販売機スキル》。
役立たずと嘲られ、婚約者レオンには即座に婚約を破棄され、人生が崩れ落ちたように思えた。
だがそのスキルには、食べ物を作り、摂取すれば魔力を増やし、さらに“治癒効果”を付与できるという隠された力があった。
倒れた母を救い、王都の名門・ヴァルセイン伯爵夫人を救ったことで、カミーラは“呪詛”という闇の存在を知る。伯爵邸で出会った炎の力を持つ公爵家次男レグナスとの出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。
やがて王都全体に“謎の病”が蔓延。カミーラは治癒スープの炊き出しを行い、人々を次々と回復へ導く。
一方、病の裏で糸を引いていたのは………。
“無価値”と嘲られたスキルが、いま世界を癒し、未来を照らす光となる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる