『青い不死鳥の物語』に関する私的考察及び考証

o2ca

文字の大きさ
4 / 19

4・『アクトレス』と『マイスター』

しおりを挟む
 藍の前には一人の女性が佇んでいた。
薄青緑色のいわゆるセーラーワンピースを着た、見た目だけなら十代後半の金髪少女…ただ、弛みそうな肌を念動力で張り詰めている…はっきり言えば『ブルふぇに』のキャラクターのコスプレで、見ただけでも分かる『ブルふぇに』マニアである。
「『青い不死鳥の物語』の公的調査権を譲って頂けませんか?」
 …丁寧な口調だが、強引な要求である…
 彼女は数多くいる『青い不死鳥の物語』の研究家の一人…多くの『ブルふぇに』作品の編纂や考証を担当している有名人であり、藍も知る作品のクレジット欄に名を連ねている程度に知名度がある人物である。あまり表に出ない人物ではあるが、その辺は『実在する架空の人物』と言った一面に即しているのだろうなぁ…と思っていたが、
「なるほど」
 と、彼女の姿を見た時に、藍は納得する事になった…
「内密に進める案件じゃなかったのか?」
 そんな藍の隣にいる白井に確認すると、
「そんな事はないが?」
 とぼけて、白井は虚空に目線を向ける。
 彼らは太平洋岸にある港町に来ていた。勿論、この街にも『ブルふぇに』遺産がある。
 と言っても、実際の葵の関係率は低いのだが、ある意味、この存在が『青い不死鳥の物語』をチープな創作ではなく、重大な現実である事を証明したのだが…

 …第四章は長編ではない。まぁ、第一章程ではないが…
 内容的には、『クラスメイト殺し』の種明かしと、破壊された人体の再生及び、操作を行った人物たちの末路である…
 人物たちと言うのは、一人の能力で行われた訳ではない為である。と言っても、二人きりではあるが…一人は『マイスター』、もう一人は『アクトレス』…『マイスター』は男性で『アクトレス』は女性である。
 字面的には冒頭と最後の方に葵達が出て来るが、重点的に描かれているのは『マイスター』達の動向である。葵ファンには物足りなく感じるだろうが、この章には超能力者同士の闘いがあるので、各映像作品では、必ず組み込まれている重要なシーンである。
 …『西陰生化学研究所』を後にした葵達はマイクロバスを駆り、一路北に向かう。そこには、葵の隠れ家として用意していた南東北の限界集落にある一軒の家…鳳家の葵にとっての祖母が暮らしていた家である。そこで出会いがある。インディゴ・クレーン。通称IC…まぁ、本編でもICの略称で彼を表記していたので、ICで良いのだろう…その名の示す通り、コンピュータ関係に精通していて、名うてのハッカー。その腕で情報関係専門の警備会社を設立するが、他役員の経営戦略に異を唱え出奔。葵に味方する理由については、後の映像品的には「面白そうだから」と言うのが大半で、「正義のため」とか、「個人的な理由…秘密だ」とか語っているが、全体的に軽い性格を印象付けている。その際、ICが葵に手土産として渡したのが直径五ミリ程の赤い球体…通称『不死鳥の血』…昔、採血された葵の血液である。受け取った葵はそのカプセルを念動力で破壊するのだが、掌の上でパチンと弾ける場合と、握り潰す様に弾けさせる場合、更に、親指で弾き、目線より少し上の辺りで破裂させる場合がある。
 ここから『マイスター』&『アクトレス』の動向が綴られる。が、ト書きで纏められている上に彼らの感情描写もあまりない。何処に行って、何をしたのか?程度である。

「この辺をどう考察されます?」
 ふと、気になったので、女性研究者に問う。
「字数制限の為に省略されたのでしょうね」
 その辺は、後に作者が独白している。実際、字数制限いっぱい近くまで使って『青い不死鳥の物語』は投稿されている。
 少し、『青い不死鳥の物語』の発行事情を記す。
 『青い不死鳥の物語』は、当時、設立間もない出版社の設立記念公募に投稿された作品である。が、実は、特賞・入選作品については引き抜きの意味合いも込めて、編集者が以前勤務していた出版社の投稿経験者…更に目を付けていた者を優先的に受賞させていたらしいし、一部の受賞者の中には個人的な男女関係の者もいたとの噂もあった。更に、旧編集部からの引き抜き編集員や、彼らが担当していた作家等も引き連れ、なんとか体裁を保った状態での新出版社の船出だったが、旧出版社としてはダメになった時、有力作家だけ吸収するつもりの人員整理だったし、新出版社としてもダメなら作家込みで戻れば許されるか…程度の覚悟だった様だ。はっきり言って、その辺りはズブズブのグズグズだった…
 懸賞で問題となったのは佳作作品の選考だった。四作ある内の三作は旧出版社のベテラン投稿者の中から選ばれたが、最後の一席を選ぶのに難航していた。正直、その辺は誰でも良かったらしく、選考された作品で字数の多い作品を重視。この選考基準なら「読みごたえがある」と言い訳が出来るとの思惑があった…結果発表まで三日後となった昼時、運命が動く。一通り、作品群に目を通した編集者が、昼食時に、同じネットニュースを目撃。それが今回の港にある『ブルふぇに』遺産である…

 『マイスター』と『アクトレス』の行動は次の通り。
 『マイスター』が造り出し、『アクトレス』が操作していた葵と緑のクラスメイトが破壊された上に、彼らの操作権が奪われた事で現場の教室まで赴くも、既に全員が帰宅済…旧葵のアパートに赴くも既に引き払われた状態…その為、指示を仰ぐために『西陰生化学研究所』へ向かう。到着すると研究所は『沈下』によって消失済みで研究所所長の元へ向かい、そこで所長から三万円を渡される。それを持って系列の研究所に向かうが、火災で焼失。途方に暮れつつ、港の鍵が開いていた倉庫に侵入…そのまま夜を明かす…と言った流れである。

「…正直言って、解釈がなぁ…」
 観光客もあまり居ない田舎の漁港…磯の香りが鼻に届いて来る防波堤沿いの道を三人は歩いていた…先頭を行く研究者が、虚ろな目線を前に向けたまま、時に険しく、時に笑顔で、更に悲壮感を滲ませつつ…な百面相で足早に目的地に向かっている。何処かに念話を送りながらだが…その側面の防波堤に張られた交通安全ポスターに『ながら運転禁止‼』のポスターがある。描かれている人物は念話しながらのトラック運転手と歩行者の絵…しかも絵画コンクールで子供の描いた絵である…研究者は気にした様子もないが…
「あれで問題ないでしょ?」
 と、研究者が振り返るが、目線は虚ろなまま…
「『物語』としてなら、あれで問題ないと思いますけど…」
 もはや呆れ気味に答える藍。
「何?どこに問題があるの?」
「『マイスター』達の描写」
 その藍の言葉に、研究者の目線が彼女に向く。
「最初の映像作品から継承されているのに?」
「そもそも、その段階から彼らの解釈が間違っているんじゃ…」
 面倒そうに眉を顰める藍に、
「話しになりませんね」
 吐き捨てる様に、再び、前を向く研究者が溜息を吐きだし、
「…そうですか…」
 別の意味の溜め息を藍が漏らす…
 映像化におけるビジュアルイメージは、『マイスター』は背の低い小太りの男性で、『アクトレス』は見目麗しい美女…いわゆる凸凹コンビである。
 性格的にはヒステリックな『アクトレス』に、御用聞きの様に付き従う『マイスター』と言った感じになるだろうか…『マイスター』自身が『アクトレス』に惚れていると言った描写をする作品も若干あるが、総じて『アクトレス』は『マイスター』に嫌悪感すら抱いていると言った描写である…
 多く見られる映像化作品の例を繋ぎ合わせると…
「どうなってんのよ?」
 葵の居た教室に血の一滴どころか、人一人いない状況に『アクトレス』が怒りの表情も露に、奥歯を軋ませ、
「あ、あれぇ?」
 その背後から、焦った表情の『マイスター』が教室を覗き込む。むしろ彼の焦りは沸点に到達寸前の『アクトレス』の癇癪を恐れて…と言った演技も見られるが…
「…ちっ‼ヤツの所に行くよ‼」
 踵を返し、旧葵の住んでいたアパートに向かう…彼女の手には二通の手紙…内容は帰還命令と処分命令…帰還命令の方が研究所の一般職員から、処分命令は元葵の母親から…両方とも封が破られており、廊下を歩きながら『アクトレス』が帰還命令の方を焼却、または破り捨てるシーンが差し込まれる場合がある。
 帰還命令の手紙を処分した理由は自分達の優位性を示し、少しでも、外の世界で行動したい為…戻れば、培養液の臭い&マズい液体に漬け込まれてしまう…更に、彼女達より使える超能力者が現れればこちらが処分され兼ねない…との思いから、彼女は少しでも優秀な超能力者を排除する事に躍起になっていた…
だが、彼女の能力は人間の脳にこちらの命令を与え、状況に応じて、自身が操ると言った精神感応系…しかも、操り人形に出来るモノは、気絶以上の完全前後不覚状態の人体でなければならない…人を殺めて操り人形を仕立てるなら簡単だろうが、健全な人体でなければ完璧に操作する事が出来ない。これは人間の神経をそのまま使って操る為で、脳に繋がる神経組織が欠損・切断されていれば、脳から下の身体を動かす事が出来ないのである。勿論、生命活動を維持するのに必要な運動…呼吸や拍動なども必要になる。なので、首を絞めたり、高所から落とされたままの遺体は彼女には動かす事が出来ない。
 なので、彼女はに現地で調達した遺体を修復及び補充を行う者が必要になる。
 ちなみに、動かすと言うだけなら、別に人体でなくとも動かせるのだが、彼女の能力的には人体が最も動かし易い物体だったらしい。
そんな彼女の相棒が『マイスター』。
 彼は素材さえあれば、あらゆるモノを創り出す事が可能な能力を持っている。まぁ、最大でアフリカゾウか、小型のクジラ程度だろうが…そんな訳で、『マイスター』と『アクトレス』はペアで行動する事が多く、研究所員からは二人共、付き合っちゃえば?等と冷やかす者も居たりする…まぁ、主に女性だが…この辺のシーンで、照れる『マイスター』に対し、ムカつく『アクトレス』の様な対比も描かれているが、ある意味、この辺りを後の伏線にしている場合もそこそこある…
 そんな二人が旧葵の住むアパートに行くと、既にもぬけの殻…しばらく周辺を『マイスター』が探し回ったりと言った場面も映像化作品には見受けられる。
「…仕方ない…戻るよ‼」
 幹線道路沿いの駅に向かう二人…途中、タクシーを拾うも、料金が足りなくなる…等の演出もありつつ、二人は『西陰生化学研究所』に到着…そこには建物がなく、ただの更地に警備会社と警察車両が留まっている状態…遠巻きに眺める二人…ここでも慌てふためく『マイスター』だったが、『アクトレス』は思案に耽る…培養液の中に入るのは御免だが、持っている能力を強化するには研究所の処置…培養液の成分が必要になる…それに培養液の成分を摂取していない状態が続けば能力が減衰するのではないか…?
 そこで『マイスター』が、以前聞いた別の研究所の事を思い出す。
 すぐ様、研究所所長の元…愛人との密会現場に向かう。ちょうど食事中らしく、高級レストランに殴り込むと、鼻息荒く所長を脅し、財布から三万円を強奪する。
「ちっ‼シケてやがる‼」
 怯えまくっている所長に財布を叩き付け、悠然と『アクトレス』はその場を立ち去る。この際、胸ぐらを掴むだけだったり、席から引き擦り倒したりと、傍若無人な様子を盛り込んでいるが、愛人に一瞥し、「こんな女がいいのかよ」と凄むシーンのバージョンもある…これは所長が『アクトレス』に気があった…的な伏線でもあり、彼女達の去り際に所長の未練とも取れる捨て台詞が零れる場合もある…とは言え、多くの場合は「いい女だってのに」とか、「役得ぐらいあってもいいだろ?」的なモノローグではあるが、台詞として語られているのは「いい気になるな」的な含みを持たせた場合が多い…
 店を出て、『マイスター』が記憶していた研究所に向かう。そこは彼が以前行った事のある研究所で、記憶を頼りに新幹線で向かう。途中、コンビニで食料を調達。培養液の栄養補給前の贅沢と言う事で買い込んだと『アクトレス』が独白。だが、研究所が焼失。『マイスター』と常に一緒だった事で、我慢が限界まで達し、食料の入ったコンビニ袋を振り回し、『マイスター』を打ち付る。狂気の怒りが爆発し、袋が破け、周囲に中味を巻き散らし、無抵抗に蹲る『マイスター』を罵倒し、殴る&足蹴…体力の限界を迎え、「ちきしょー‼」と絶叫。この辺りはどの映像作品も同様で、藍が最も気迫が溢れていたと語るのが実写化劇場版四作目で、研究者は劇場アニメ版三作目との事。この辺りは彼女達の青春時代に起因しているのだが、藍も研究者もリバイバル作品とした視聴しただけである。
 息を整えて、『アクトレス』は海の方向に歩き出し、『マイスター』も後を追う…海に向かった意味は特にない…港に入り、鍵の開いている倉庫に侵入…鍵を破壊する場合の作品もある。倉庫には鉄屑が積み上げられており、入口付近の隅に並んで座り込むと、疲労ですぐに睡眠…『アクトレス』の腹が空腹で鳴り苛立ったり、先に『マイスター』が寝て、彼の鼾で『アクトレス』が眠れなくなると言った場合もあったり、『マイスター』が『アクトレス』にキスしようとするが、彼女が目を覚まし、元の位置に戻って断念すると言ったシーンも数作品あったりする。
 翌朝、『アクトレス』が目を覚ますと、『マイスター』が積まれてある鉄屑で何かの造形物を造っていた。「♪鉄の怪獣、ガオ~‼ガオ~‼」と歌いながら組み上げられていく造形物は、テレビで見た幼児向け番組のキャラクターで、全長は十メートル程…正直、『アクトレス』はその歌もキャラクターも嫌いで、何度も彼に「やめろ‼」と注意している。もっとも、このキャラクターは権利関係でそのモノは使われていないが、作品によっては「いや、まんま、アレだろう‼」と追及したくなる容姿だったり、パチモン全開だったり、全然似てなかったり…ちなみに、モデルであり創造されたキャラクターはカワイイ系で、歌の中の『鉄の怪獣』はブルドーザーやパワーショベルの様な重機である。
目覚めても取れない疲労感と、目の前の嫌悪の権化とも言うべき巨像…更に、これからの絶望的な展望に、『アクトレス』は一線を越える。この豹変が上手く現れているのが劇場アニメ版三作目と評されている。
「それ、動かしてあげようか?」
 悟られない様に、『アクトレス』は微笑みを向けると、
「いいの?」
 疑いもせず、無邪気に答える『マイスター』。ここで、すぐに取り掛かる場合と、造形を整える為に待たされる場合とがあるが、後者の場合は映像技術を魅せる為の演出の面が近年の作品に強く見られる。
 彼らが言う所の『鉄の怪獣』に『アクトレス』が手を向けると、鉄が擦れ合う不快な音を立てて立ち上がろうと手を突き、四つん這いで上体を起こす…
 興奮に『鉄の怪獣』に足を向ける『マイスター』…両膝を畳み、つま先立ちの姿勢…いわゆる蹲踞の姿勢、もしくは膝立ちの姿勢を見せると、躊躇する事なく、前足を『マイスター』に振り下ろす…このシーンも一撃で潰される場合と、逃げ回りながらも追い詰められて叩き潰される場合がある。
 その後、遺体の後始末で『鉄の怪獣』が『マイスター』を喰らい出す…その辺りは元となった動物を参考にしている為か、何度も咀嚼して見せるが、さすがに、背後からの映像でボタボタと口元から血が落ちるだけの表現に抑えされている…正面から見れば、R指定ぶっちぎりなスプラッター表現で、上映禁止となるであろう…
…葵達のアジトに引っ越し荷物の片付けを始めた時に、『マイスター』の断末魔テレパシーを受けた葵と緑が『アクトレス』のいる港に向けて転移する…

 『ブルふぇに』遺産が置かれている港まで数百メートル…漁協関係のプレハブの建物が近くに見えて来る。ちなみに彼女達が歩いている理由は港までの乗り合いバスが通っていない為で、鉄道の駅からは二・三キロはある。もっとも『ブルふぇに』遺産が発見されてから十年ほどはバス停が設けられていたが、乗り合いバスの路線縮小で、現在は観光バスが港の駐車場に数台入るだけとなっている…
「『マイスター』と『アクトレス』のやり取りはそこまで」
 研究者の声が藍の続きの言葉を遮る。
「あたしとしては、ここから先でも、差異があるんだけど」
「それにしても、後はバトるだけでしょ?」
「バトルの内容ですよ」

 …転移した先は倉庫のある港…
「ん?」
 倉庫の一つから『鉄の怪獣』が出て来る。倉庫から出て来る際に、二歩脚で立って歩いたり、四つん這いでハイハイ状態だったり…更に、『マイスター』を食べたと言う事実を表現するために『鉄の怪獣』の口元は血に塗れていたり、リアリティを表現するために腹部からも血が滴っていると言う演出もある。
「…『マイスター』はどうしたの…?」
 葵と並ぶ時もあれば、葵の後ろに隠れながら…映像作品によって、立ち位置が違うが、緑が『アクトレス』に問う。
「…死んだわ…」
 静かに『アクトレス』が答えると、『鉄の怪獣』が動きだす。この際の彼女の目線は、葵を見下したカンジだったり、挑戦的だったり…
 しかし、『鉄の怪獣』は、思う通りに動かない。
「…な…⁈」
 葵の念動に『アクトレス』の念動が完全に抑えられる。その気になれば『鉄の怪獣』をバラバラに解体する事も出来る…だが…
「‼」
 『鉄の怪獣』は『アクトレス』を一口で食べてしまう。このシーンの葵は、ほぼ全てが怒りを露にした感情任せな演技を魅せている。中には、気合の一声を入れる場合もある。
 そのまま顔を挙げる『鉄の怪獣』が岸壁に向かって歩き出し、海に落下…
「沈めるって言うのはこう言う意味よ」
 泡を立てて沈む『鉄の怪獣』に向けて、葵は言い放つ…

「これが映像化された『第四章』でしょ?」
 漁港に到着した三人…その内の女性二人が『ブルふぇに』遺産である『鉄の怪獣』の前にあるベンチに座っている。藍の手には未開封の缶コーヒー…ブラックの二百五十ミリ缶で、財務省でも購入していた缶コーヒーである。
「それはそれで、別に良いかとも思うんですけど…」
「何が不満なの?」
「…そもそもの前提がおかしいと思いませんか?」
「どの辺の前提?」
 捻じ伏せる気満々の研究者。だが、
「『アクトレス』と『マイスター』の年齢です」
 藍は、はっきりと言い切り、
「…妙齢の『アクトレス』に、中年間近の『マイスター』がどうやって中学生と接触するんですか?」
 目線を『鉄の怪獣』に目線を向けたままに呟く。
「そ、それは登下校時に無理矢理…」
「不審者扱いされて、通報されて、余計に警戒されませんか?」
「じゃあ、教師として…」
「だったら、直接的に、旧葵を攻めませんか?」
「旧葵が反抗的で…不良生徒で‼」
「その気質があるなら、学校無視してズル休みするでしょうし、葵のイメージとして不良生徒ってのは、ないでしょ?」
「じゃあ、『マイスター』と『アクトレス』の年齢はいくつなら納得するの⁈」
 藍に苛立ちの感情をぶつける研究者。
「そりゃあ、中学生…最低でも小学校高学年、高くても高校生程度でしょ?」
「え?」
 戸惑う研究者…
「木を隠すなら森の中って言いますよね?」
「…だから学生…」
「別に葵達とクラスメイトじゃなくても良い訳ですし、近くにいれば不測の事態に即応できるし、何と言っても、他の生徒と紛れ込めるし…」
 言い訳めいている藍の呟きだが、研究者からは愕然とした表情が見える。
「…なので、あたしは…」

「居なくなっちゃったね?」
 旧葵のアパートの玄関に、セーラー服の少女が息を弾ませつつ呟くと
「そうだね」
 同じように息を切らしている半袖ワイシャツの少年…
 少女の方が『アクトレス』で、少年の方が『マイスター』…少年の方が幼く見えるのは彼の背が少女より低いから…いや、むしろ少女の方が周囲の学生より若干高いだろうか…いずれにせよ二人並ぶと凸凹コンビだが、不釣り合いと言う程でもない見た目で、牧歌的な雰囲気と言うのが初見のイメージだろう…とは言え、姉弟と言うより、仲の良い幼馴染が、そのままの関係で相応の年齢を重ねた、と言うカンジだろうか…
 二人は旧葵と接触しようとしていた。理由は『西陰生化学研究所』への帰還の催促。それと同時に旧葵の母親から処分命令を受けていた。この矛盾する二つの命令に二人は混乱していた。しかし、彼らは命令通り、帰還の手紙を旧葵のアパートに送りつつ、彼女の処分も同時に行う事にした…しかし、ここで彼らに絶対的な妨害者が現れる。それが旧緑…真・葵である。おそらく旧葵処分を止める様に提言したのだろう…まぁ、彼女の提言など殆ど実力行使するなら叩き潰すぞ‼と言う意味に当たるのだろうが…なので、真・葵の居るうちは旧葵に手が出せなかったのだろう…最終的な夏休み前の総攻撃も真・葵の前には意味がない事も、真・葵が旧葵を連れて行く事も予想の範疇だったが、旧葵の母親の命令を遂行する意味を込めて、二人はアパートの周囲を走り回っていた。
 はっきり言って時間潰し。今日中に『西陰生化学研究所』に戻らなければならない事もあり、二人は時間いっぱいまで、はしゃいでいたかった。別段、培養液に浸かる事に抵抗はなかったが、離れ離れになるのが耐えられなかった…その想いは『マイスター』より『アクトレス』の方が強く感じていただろう…何しろ、彼女の能力を十全に発揮できるモノを創造し、失敗しても文句を言わずに再生してくれる…同程度に感じていた彼の存在が一気に尊敬に値するまでの好意を抱かせる事となった…
 外でしか出来ない…でも、思い出にしか残せない時間を過ごし、彼らは『西陰生化学研究所』に帰還した…しかし、研究所は『沈下』によって消失し、警備会社と警察のパトランプを遠目で眺めるしか出来なくなってしまう。戻る場所を失った二人だったが、近くに所長の住居がある事をどちらかが思い出し、歩き出す…が、途中で、所長の車に拾われ、彼の居宅に招き入れられる。奥さんは副所長で二人の事を子供同然に扱っていたし、実の子供の様に思っていたが、二人は遠慮していた…子供のいない所長夫妻だったが、彼らの子供となるのは違う気がしたから…おそらく、二人を養子に迎える用意もしていただろうし、居宅に招いた際に養子の話もしただろう…しかし、迷惑になるなどの理由を付けて、玄関先で踵を返し去ろうとするが、所長から三万円を手渡され、副所長に最寄り駅まで送られる…落ち着いたら連絡を入れる様に念を押され、副所長と別れる…
当てはあった。『マイスター』が以前、連れて行かれた研究所。『アクトレス』なら年齢を偽って働く事も出来るだろうが、見た目が子供のままの『マイスター』では無理があるし、何と言っても、女の子に養ってもらう事に抵抗もある…そんな僅かなプライドが彼に研究所行を判断させた…が、該当する研究所は焼失。行く当てが無くなってしまった…
 新幹線代と途中の食事代にお金を使ってしまった事で戻るに戻れない…『マイスター』は『アクトレス』を連れ立ってしまった事を後悔しただろう…当てもなく彷徨い、いつの間にか、海…そして、倉庫が建ち並ぶ、港に来ていた…
 ふと気付くと、『アクトレス』が後ろに付いて来ていた。
 せめて、彼女だけでも守りたかった『マイスター』は倉庫に侵入。入口付近の隅で、二人並んで夜を明かした…
「この夜に、二人は幼馴染の一線を越えたかも…」
 手の届かない憧れだった『マイスター』が自分と同じ様なミスをしている姿に『アクトレス』は彼を自分と同じ一人の人間…いや、男性として認識した…学校の女子たちとおしゃべりしている中で、恋バナも、篭絡方法も、その先の事も耳にしている…それを実施するかは『マイスター』次第と思っていたが、今の弱っている彼を慰める意味合いも込めて彼女はその先の事をすべきだと思い込んでいただろう…
しかし、当の『マイスター』は自分の容姿が『アクトレス』とは不釣り合いだと思っていた。だからこそ、彼女の役に立つ為に、完璧なモノを創造する事に執着した。好意を寄せて欲しい訳ではない。せめて、嫌いじゃない程度の存在でありたいと思っていた…
「『アクトレス』が強引に関係を作ったか、それとも、合意の上だったかは分からないけど…思春期真っ只中の二人だから激しい夜が展開されたかもね♡」
 …ふざけた口調で語りながらも、藍の目線は静かな光を讃えてながら、『鉄の怪獣』を見据えている…
 そんな激しい夜があったかは別として、夜が明けて、『アクトレス』が目を覚ました。
 隣に居るはずの『マイスター』が居ない。そこに、
「♪鉄の怪獣‼がお~‼がお~‼」
 『マイスター』の歌声が響き渡り、倉庫内に積まれてあった鉄屑が『アクトレス』が好きなキャラクターの姿を象っていた。昔見たテレビの幼児番組のメインキャラだ。
「これ、どうしたの?」
 ウキウキが止まらないと言った表情の『アクトレス』に、
「ごめんなさいのプレゼント」
 『マイスター』は、背を向けたままで答え、『鉄の怪獣』に向けていた両腕を下ろす。制作完了の合図だ。
「動かして良いの?」
「うん」
 頷く『マイスター』を確認して、『アクトレス』は『鉄の怪獣』に両手を向ける。
 すぐ様、鉄の擦れる音が響き渡り、ゆっくりと四つん這いになる…程なく、片膝を突いて、『鉄の怪獣』が立ち上がる。
 しかし、
「‼」
 力を入れていた右膝の内部関節が破壊される様な音が響き渡り、反射で手が床面に振り下ろされる…
「ごめん」
 鉄の擦れる音に紛れる『マイスター』の声…僅かに振り向かれた彼の表情は後悔と謝罪の入り混じった涙を流した笑顔…『鉄の怪獣』の左手が彼を圧し潰した…

「…『マイスター』を食べたのは、『西陰生化学研究所』の方針に従った証拠隠滅なんだろうけど…この時から覚悟はしていたのかも…」

 断末魔テレパシーに導かれ、葵達が港に転移し、『鉄の怪獣』を従えた『アクトレス』が葵達と対峙する…
「…『マイスター』は?」
 葵の前に出る緑が毅然とした表情で問うと、
「…死んだわ…」
 俯いたまま、力なく答える『アクトレス』。その言葉と共に、彼女は『鉄の怪獣』に命令を出す。
「‼」
 咄嗟に、葵は『鉄の怪獣』の制御権を奪うが、『アクトレス』が抵抗。だが、既に『鉄の怪獣』をバラバラにするだけの制御権を葵は握っている。
 だが、『アクトレス』の抵抗は、葵を『鉄の怪獣』に喰わせる為の抵抗ではない。
 『鉄の怪獣』に自らを喰わせる為で、葵は『鉄の怪獣』の牙が彼女を引き裂かない様に反発しているのだ。
 だが、そこで『アクトレス』の思念が流れて来る。今までの『マイスター』との思い出…彼に向けた想いと彼が向けてくれた想い…成果を出せなかった自分の不甲斐なさと、無言で慰めてくれた彼…何より、大好きな彼を失い、悲しみしか残っていない…だったら、彼を死なせた方法で自分も死にたい。それが叶わないなら彼と一緒に居たい‼
 一瞬の強烈な思念が集中を乱し、その隙に『鉄の怪獣』が『アクトレス』を喰らう。
 …瞬間、緑に『鉄の怪獣』を『沈下』の能力で沈めてほしいとの、残留思念が囁く…
 だが、葵は『鉄の怪獣』を岸壁に向かわせ、そのまま海に落とし、
「沈めるって言うのはこう言う意味よ」
 泡を立てて沈む『鉄の怪獣』に向けて、言い放つ…

「…つまり『アクトレス』の自殺…?」
 呆気に取られていた研究者が、声を絞り出すと、
「何も、葵が絶対の正義の側ってわけじゃないでしょ?」
 藍がため息交じりに結びの言葉を放つ。隣の研究者が納得の沈黙に入った為である。

 超能力が当たり前になった世界とは言え、戦争に超能力…特に念動力が使われていると言う事はなく、むしろ、そういった部分は国際条約によって規制されている面が多くある。その辺りは人の知恵とでも言うべきだろうか…現状、戦争になる前の事前交渉が徹底され、中程度以下の規模を誇る国家の政権・財界の重要人物の入れ替えが頻繁に行われている。これは念話能力の発展の成果であり、超能力世界になって以降、物理的な戦争が縮小傾向にある最大の理由である。
 精神感応系の超能力が戦争において有効である事を研究者が知っている為に、藍の語った『アクトレス』と『マイスター』の顛末は、至極納得のいく展開だった。むしろ、葵達の目の前にある『鉄の怪獣』を念動力のみで扱えていた事の方が驚異的であると、改めて思わせる考察となった。ただ、『鉄の怪獣』を動かす…というなら『アクトレス』も動かせたが、『アクトレス』の場合は神経を伝い、筋肉を動かす…と言った内部から生物的動作であるのに対し、葵の場合は手足を掴んで力任せに動かしている外圧的動作で、『鉄の怪獣』を詳しく調査した結果、骨格の関節部分が『鉄の怪獣』に張り巡らされた筋繊維を使用した挙動時の摩耗状態と僅かな違いがあったらしい。

 …波の音を聞きながら、藍は『鉄の怪獣』が落水した後のシーンを思い浮べる…

 …海から上がる泡が完全に無くなる…映像作品の中には区切りを付ける意味合いもあり、大きな泡がボコンと最後に浮かび上がる演出もある…
「…あたしが消えたら…」
 静かになった海面に目線を向け続ける葵が呟く。しかし、
「ダメ‼」
 遮る緑の声。
「葵ちゃんが消えちゃヤダ‼」
 まるで子供の感情を剝き出しにした叫び。実際子供だが、見た目年齢的ではない。
 …数秒の沈黙があり…
「大丈夫。あたしはまだ、消えないよ」
 葵は緑の手を取る。
「ほんと?」
 涙声の緑に、
「うん」
 笑顔で頷く葵…
「帰ろっか」
 葵に手を引かれるままに、二人は帰路についた…
…第四章はこれで終わる…

 帰宅時の列車の中で藍は第四章のラストシーンを想起する。研究者は少し調べたい事があると駅で別れ、白井も仕事の都合で別方向の列車に乗り込んでしまった…現在、藍は一人っきり…車窓の景色を呆然と眺めている…百二十年前、葵も同じ景色を見ていたのだろうか…いや、百二十年経っているのだから、景色は変わっているだろうな…取り留めのない事を考えながら、藍の思考は『ブルふぇに』逃避から直近の現実に向いた…
後日、同行していた研究者から、最新作の『青い不死鳥の物語』の有料配信サービス用の暗号コードが謝罪の言葉と共にメールされていた。「自分は忙しいのでそんな調査に時間を使えない」と負け惜しみの文章が添えられていたが…
 この最新作は彼女がシナリオにも参加し好評を博する事となる。理由の一つが葵の心情を『正義の味方』然としない描き方をしていると言う点であろう…近年の作品は子供向け化しつつあった為、この路線は『ブルふぇに』人気を回復させる結果となった。勿論…と言うべきか…『マイスター』&『アクトレス』の描き方は従来の『悪の一味』ではなく、藍が示した人物像として描かれていたが…

 この第四章は超能力者にとって様々な解釈と意味を持った物語である。と言っても、現在、強盗や暴徒鎮圧に精神感応系能力を使用している事案が多い事も事実で、念動力による抑え付けは余程の事がない限りは制限されている…
 また、この章には後の大いなる伏線が含まれている…『青い不死鳥の物語』をすべて読み切ってしまえば分かる、葵自身の顛末が…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち

半道海豚
SF
本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。 最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。 本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。 第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。 どうぞ、お楽しみください。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

処理中です...