その気になればいつだって帰れるんだからな! 異世界に堕とされた俺の帰還奮闘記

嫦娥

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リンドウの街

リンドウの街にやってきた。
俺はこの街が好きだ。ゲームをプレイしていたときは、よくこの街のクエストで遊んでいたんだよ。
広い大きなスペースに、大量に湧いて出るモンスターをひたすら倒し殲滅するだけのクエストで、マップ移動の必要が無いんだ。
なにも考えずに淡々とただ敵を倒すだけでいいからぼーっとレベリングするにはもってこい。
新武器の威力を確認するのにもちょうどいいしな。

そういえば、この街に来る為に倒した巨大なワイルドウルフからちゃんと紅玉はゲット出来たよ。
次は蒼玉なんだけれど、それも、次の街アザレアとの境にボスモンスターが現れれば討伐することで手に入るはずだ。

それまではぶっちゃけ暇だよね。
レベリングしようぜ!

「ふーん。いってらっしゃ~い」
おい、こらグレイ。
暢気に手ぇ振ってんじゃねーぞ。
必要なのはお前らのレベリングだ。
ほら、行くぞ!!
「えぇ~」
え~、じゃねえ。
「レベル上がったらこの街のドラゴン博物館に連れて行ってやる」
グレイの耳がぴくりと動いた。
本当、猫みたいだなー。
「入場料、払ってくれる?」
「………よし、任せろ」
払わせてやろう。コーラルに…。
「よおっし、早く行こう!」

急に張り切り出したグレイにザフィもコーラルも面食らっていたけれど、レベリングすること自体に異論はないらしく大人しくクエストを受けた。

クエストの場所はコロッセオのようになっていて、観戦出来るという面白い仕組みになっていた。
だって、観戦って、なあ?
見て楽しいのか?
って、思ったけど、楽しいわ。
他の冒険者の戦いぶりも参考になるしな。

ただね。あくまでも「観戦」で手出し出来ないから、最悪の場合パーティが全滅するのを助けられずに見守るっていう、実に寝覚めの悪そうなことになるらしい。

さて、俺たちの番だぞ。
「ひゃっほーい♪」
あんなに面倒くさそうにしていたのに、いざ始まったらグレイが一番楽しそうだな。

最初は小さな動物をモチーフにしたモンスターがわんさと出てくる。
ネズミとかウサギとかね。
一体一体が弱いし、グレイの範囲攻撃でほとんど倒せちゃうな。

次に出てくるのは少し大きめなモンスターだ。普通サイズのワイルドウルフやキツネやサルのモンスター。その中にちらほらウシとかサイとかイノシシとか大き目のモンスターが混ざっていて、グレイの範囲攻撃では削り切れなくなってくる。
残った大き目のモンスターをザフィとコーラルが競うように倒していく。
余裕だね。

俺の出番はまだまだ無いな。

今度は大き目のモンスターがメインで、さらに大きなゴリラやライオン、巨大なヘビ、クマのモンスターが出始めた。

「ちょっとー? そろそろキツいんだけどー?」

何言ってんの、グレイさん? チームプレイなんだから、連携ってものを意識してくれよ。

「まだいけるまだいける。ほら、そこ!」
「わ! ちょっと、も~!」
まあ、ね。
範囲攻撃ってヘイト集めやすいし、こんだけモンスターがいるといっぺんに狙われたら怖いよね。

グレイのそばに寄ってフォローしながらモンスターを倒していく。

よし。次で最後じゃねえかな。
現れたのは巨大なダチョウのモンスター。しかも5体。
あれ。これちょっとキツいかもね。

グレイの範囲攻撃に合わせて俺も全体攻撃を使う。
やっぱり、ヘイトは自分が持ってた方がやりやすいよな。

「おわっ!」
コーラルがダチョウにどつかれて尻餅をついた。
「ちょっとー。大丈夫ー?」
グレイが呆れたように声をかけるとコーラルは笑いながら立ち上がった。
「大丈夫だ。だが、ちょっとあれは足が早すぎるな」
コーラルの言葉にザフィが頷く。
「なんとか足を止められるといいんだが」
巨大なダチョウは鼻息荒く俺たちを睨みつけ、今にも駆け出しそうな様子で地面を蹴っている。

「よし、俺に任せろ」
一歩前に出ると、ザフィは心配そうに、コーラルは面白そうに、グレイは訝しげに言った。
「大丈夫か?」
「大丈夫なのか?」
「大丈夫なの~?」
多分な!

こんなときのために、ってわけじゃないけど、シールドをさらに強化したんだぜ。
俺はシールドを展開してザフィたちを振り返った。
「俺が盾やってる間に倒してくれ」


結果を言ってしまうと、巨大ダチョウは倒すことができた。クエストクリアだ。
かなりギリギリだったけどな。
ちょっと舐めてたなぁ。
でもその分獲得出来た経験値は大きくて、みんな無事にレベルアップすることが出来た。

俺たちはクエスト場であるコロッセオに併設されたカフェでひと休みしていた。

ああ、疲れた。
でも、この街でこのクエストを何回か繰り返したら、みんなもう少しレベルアップ出来そうだな。
「え~。まだやるの?」
不満そうにしないでくれる?
この街の通常クエストに苦戦するような戦力でボスモンスターが倒せるわけないだろ。
全滅エンドとか絶対勘弁して欲しいぞ。

「それより、ちゃんとクエストクリアしてレベルも上がったんだから、約束通りドラゴン博物館に連れて行ってよね?」

グレイがにっこり微笑む。
ドラゴン博物館はその名の通りドラゴンについての歴史的資料や模型なんかが展示してある施設だ。しっかりした博物館でもあるけれど、テーマパークのような側面もあって人気がある、という設定なんだけどグレイの様子を見ると設定に変わりはないみたいだ。

「なんだ、ドラゴン博物館に行きたいのか?」
グレイがうきうきと言うのを聞いて、コーラルが尋ねる。
グレイが嬉しそうに微笑んだ。
「そう。この街のドラゴン博物館はとっても貴重な資料を所蔵してるんだよ。行ってみたいと思ってたんだ」
おお。歴史家らしい発言だな。
俺はこそっとコーラルに耳打ちした。
「そうかそうか。よし。早速行こう」
コーラルはそう言ってにんまりと笑った。
その好色な顔つきにちくりと胸が傷んだよ。

あは。なんか、ごめんな。グレイ…。


ドラゴン博物館は、そこそこ賑わっていた。
グレイの分の入場料は思惑通りコーラルが払った。よしよし。
まずは博物館の方を見学した。
ドラゴンについての研究や調査結果等、とても興味深い内容が書かれたパネルがあった。
「……………」

うん。いろいろ参考になった。
グレイはまだ熱心に見て回っている。
その間にコーラルは俺に合図して少しの間姿を消していたけれど、そうかからずに戻って来た。
なんだか満足そうだ…。
「トウマ」
「わ! なに? びっくりした」
ザフィがすぐ真後ろいた。
いつからそこにいた?
「コーラルになにを入れ知恵したんだ?」
入れ知恵っていうか…。
「この博物館、ドラゴンの耳とか尻尾とか子供向けの可愛いコスプレアイテムが売ってるんだよ。きっとグレイに似合うんじゃないかな~って、教えてあげただけだ。その代わりグレイの入場料はコーラルに出してもらった」
ゲームでは限定アバターとして登場するアイテムだ。
ファンシーな着ぐるみ風のドラゴン衣装もあるし、耳だけ尻尾だけってのもある。
女性アバター向けのバニーガール風なセクシーバージョンもあって、一部に人気だった。

こっそり答えたらザフィはふーん、と頷いた。

閉園時間までたっぷりと楽しんで博物館を出ると、外はすっかり暗くなっていた。
「今日はかなり頑張ったし、明日は休憩日にしないか?」
宿を取ったホテルに戻るとコーラルが朗らかに笑いながら言う。
まあ、良いけど。
手加減してやれよな?
「じゃあ、明日はゆっくり休んで、明後日もう一度クエスト行くぞ」
「おーけー。じゃあな」
「またねー」
グレイはコーラルに何か買ってもらったらしく、ご機嫌だ。
手に持ってる分厚い本は土産屋に売ってた図鑑だな。結構高かったよな。
コーラルがお前のために買ったものは、それだけじゃないぞ。頑張れよ…。


ザフィと2人で部屋に戻って順番にシャワーを浴びる。
先に済ませた俺はベッドでうつらうつらしていたところに頭に何かをつけられて目を覚ました。
ん? なんだ、これ?

「ふーん、なかなか可愛いな」
見ると、ザフィがなんだかいやらしくにやにや笑ってる。
「な、これ!?」
今日の博物館で売ってたドラゴンの耳じゃねぇか!
やめろ! 俺には似合わないって!
外そうとする俺の手を押さえてベッドに押し倒された。
「可愛いって。耳、外すなら尻尾つけるぞ?」
「おまえ…!」
ちゅ、っと額にキスをして、恐ろしげなを目前に掲げて見せる。

「…………」
それ、どこにつける気だよ。
いや、言うな。言わなくていいぞ、ど変態。
そんなものをつけられるくらいならドラゴンの耳くらい甘んじて受け入れようじゃねぇか。

「ったく。いつの間に買ったんだよ、これ」
見えない頭の上を視線で示すとザフィはくすくすと笑った。
「お前が熱心に展示資料を眺めている間にな。ちょっと面白いな」
「面白くねーよ」
「なんだ、やっぱり尻尾こっちがいいのか?」
なんで手の届くところに置いておくんだよ。遠くに置け。ゴミ箱捨ててしまえ!

こっちでいい。気に入った。俺に似合うだろ? 可愛いか?」
ほっぺたの筋肉が引きつる。
可愛いわけねーよ。なあ?

だけどザフィはじっと俺を見つめて言うんだ。

「可愛い」
って。

恋は盲目って本当だな。
いい歳した男がドラゴンの耳つけて可愛いわけないってのに、臆面もなく可愛いって言ってのけるんだから。

俺はため息をついてザフィの首に手をかけそっと抱き寄せた。
「ん…」
唇を重ねながら手探りで尻尾を掴み、こっそり部屋の隅に放り投げる。
よしよし。ちょっと安心。ん?
「んんっ。んく、ぁうんっ!」
あっという間に脱がされて、ザフィの指が中に入ってくる。
決して粗暴な扱いはしないから痛くはないけれど、大胆な愛撫に少しだけ体がすくむ。
びくつく身体を宥めるように首筋や胸元にキスが落とされて力が抜けたところにザフィ自身が俺の中に入ってくる。

いつもみたいにしつこくないな、とは思ったんだよね。
でもそれについて言及したらヤブヘビっぽいだろ?
しつこい方が好きなのか、とか嬉しそうに言いそうじゃん。
だからとりあえずスルーしたんだけど、まあ、甘かったよね。
さっくりいかされて、ちょっとぼーっとしていたら、やられたよね。
さり気なくうつ伏せにされて尻を撫でられたときに気付くべきだった。
「っ?! ちょ、ザフィ!」

ぐり、と中を刺激する異物に思わずのけぞった。
くっそ、もー!!
「いつの間に拾って…、ばっか、止めろ揺らすな!」
「尻尾も面白いな。ほら」
っ!!!
「あ! んんっ! あぅ!」
なにこれ?!
絶妙にヤバいところに当たるんだけど!?

「良さそうだな? 揺らすと気持ちいいか?」
「ひあっ、や! 動かさな、ああっ、ううんっ!」
やめろ、動かすな。動かすなってば!!

なにが面白いのか。右に左に揺らしたり、ぐりぐり回したりしてザフィは俺の反応を楽しんでる。
俺は尻尾を動かされる度に中に入り込んだ部分で内側のとても弱い部分を突き回されてびくびくと身体を震わせてしまう。

「ん! っく。んん、ひ! も、無理。無理って、ぃあ!」

そのおもちゃ、絶対捨ててやるならな!
そんでレベリング、いっぱいやらせてやる!
覚えてろよ!!!
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