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1話 清子はお兄ちゃんが大好き
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今年もとうとう僕のゴールデンウィークが始まる。
世間では有給休暇を使ってとっくに突入していて、何連まで伸ばすことができるかと躍起になっている人たちもいるのだろうが、弊社ではそこまで自由奔放な使い方は叶わない。
もっとも連休を引き伸ばせるだけ伸ばすことができたとしても、その休みに特別やりたいことがあるわけでもない。
また仕事が苦痛であったのなら、連休と言わず仕事が休みというだけで無条件に嬉しかったかもしれないがそんなこともなく、それなりにやりがいを感じながら毎日労働に勤しむことができている――好きか嫌いかで言えば今の仕事も職場も好きだ。
だから僕のゴールデンウィークは今年もカレンダー通りに憲法記念日からのスタートになるのだが、なんだかんだで連休の一日目というのはやはり嬉しいもの。正確に言えばそれは休日ではなくて、休日前夜がなのかもしれないが、その一番の理由は起床時間に縛られないという自由のおかげだろう。
翌日の起床時間を気にする必要もなく、生活リズムが多少乱れたところでまた翌日も、そのまた翌日だって休み。
束の間の自由を手に入れることができるという意味では、連休万歳だ。
だから昨晩だって、無意味なネットサーフィンで貴重な時間を浪費するという至上の贅沢を明け方近くまで満喫し、目覚ましもセットしないで日の出と共に床に就いたのだが……。
「お兄ちゃん! お兄ちゃん! 早く起きてっ!」
清子の忙しない声と共に勢いよく部屋の扉が開かれて飛び起きた。
すぐに枕元のスマホを見ると、時刻は午前十時半で盛大な遅刻をかましている時間に青ざめるが、すぐについ五時間前の就寝時の記憶が呼び起こされた。
「……今日休みじゃないか」
「そうだよ。だからショッピングモールに連れてってほしいってわけ」
就寝するまでの幸せが嘘のような最悪な目覚めだった。
会社が実家から通えてしまう距離にあるため、わざわざ実家を出る一人暮らしをする必要性も見出せず、社会人二年目にしていまだに実家で暮らしているが、こういうことがある度に一人暮らしを始めようかと真剣に悩まされる。
「寝てる人を叩き起こしてまで買いたい物ってなんだよ。ネットで買えばいいだろ。おまえはなんのためにスマホ持ってんだよ」
「えっ、お兄ちゃんネット通販するためにスマホ持ってんの? ヤバイね。将来孤独死しそうで心配だよ」
言われなくたって僕だってそんな気はしてるけど、起き抜けになんでこんなこと言われないといけないんだよ。
「でも大丈夫だよ。老後もあたしが面倒見てあげるから安心して」
「そっか、ありがとう。それじゃあもう少し寝るから出てって。おやすみ」
「ねぇ、お兄ちゃん! ネットで下着買おうと合わないから嫌なの! 連れてってよー!」
そんなことを言われたって、買い物内容を聞いて余計に行きたくなくなる。
ブラコン気味の妹との兄妹仲は良好とはいえ、叩き起こされてまで妹を下着やに連れて行くなんて僕に限った話ではなく全国のお兄ちゃんが嫌がるはずだ。ましてやそれが連休の最初の用事だなんてことさら。
「そんなもん母上に頼めよ」
「ママ上もパパ上も早くに出かけたよ。泊りで旅行だって」
両親が旅行に行くだなんて初耳だが、どうしてこの妹を一緒に連れて行ってくれなかったんだろうか。マジで寝れない。
「もう分かったから。連れてくから昼からにして。もう少し寝かせて」
「今日昼から友達と用事あるからそれまでに行きたいの。ねぇ~、お兄ちゃ~ん」
僕の希望がなに一つとして反映されないどころか、とても成人とは思えない猛攻が始まった。
「そんなおまえの都合なんて知らないよ! 友達と遊びに行くかパンツ買いに行くかどっちかにしてください! お兄ちゃんは眠いんです!」
こうなってしまえば根気勝負。
意地を押し通した方に軍配があるのだが、妹はずいぶんとしおらしく引き下がった。
「分かったよ。せっかくの友達遊びに行く予定、お兄ちゃんのためにキャンセルするよ」
「違う。キャンセルするのは僕のためじゃなくて、お前のパンツのためだ。僕のせいにするな」
そう思ったのも束の間。
「出かける時間まで隣で待ってるね」
ゴソゴソとベッドの中に潜り込んできやがった。
「もう! 行くぞっ! 準備できてんのかっ!」
「もちろんだともっ!」
冷蔵庫に入っていた缶コーヒーを持った家を出たものの、コーヒーで眠気が無くなった人なんて本当にいるのか。
少なくとも僕は一度としてコーヒーで眠気が無くなったことなんて一度もなく、眠気覚ましのコーヒーと言うのも苦みかカフェイン、どちらが効く想定で言っているのかいまだに分かっていない。
そんなわけで、効果の期待できないコーヒーに頼るぐらいなら、助手席の妹にマキシマムザホルモンの『爪爪爪』を熱唱させておく方がよっぽど眠気覚ましには効果的。
しかしそんなことまでしてあくびを噛み殺しながら、やっとの思いで目的地にたどり着いたところで、僕はここになにも用が無い。
「どれぐらいで買い物終わる?」
「ん? 時間? 分かんないけど」
「分かんないのが一番困るんだけど……」
しかし妹は僕の言葉を振り切るかの如く車を飛び出して行き脱兎の如く。
その逃げ足からしておそらくは、買い物が終わった後も時間まで遊んでいるつもりなんだろう。
ちょっと買い物程度なら車の中で寝ながら待っていられるが、五月とはいえ車の中の密室は蒸し風呂状態。
こんな中に籠っていたら、試着で外した下着を着け直している間に脳みそが茹で上がってしまう。
エアコンを効かせられたら別の話だが、父親の車でそんな贅沢をしていたなんてしれたらなにを言われるか分からない。
施設内には休日の疲れたお父さんのために休憩用の椅子が設置されてはいるものの、そこで延々待ち惚けを食らうのも、これがなかなかの苦行になる。
また、奴が帰ってくるまで二時間は見ておいた方がいいとお兄ちゃんの勘が言っていて――二時間もショッピングモールのベンチに座ってるぐらいなら妹と同じベッドで寝ていた方がまだマシだろう。
結局適当な文庫本を買って喫茶店でコーヒー片手に読書という、形だけでも充実した休日を演出してみようと思う――どうせ表紙を開いて三回ページを捲った頃には夢の世界に行くことになるだろうが。
そうして本屋はどこだっかと、施設内マップを眺めている時だった。
「あれ? 遊佐先輩ですか?」
自分の苗字が呼ばれたことで反射的に振り返ったが、そこに居たのは知らない女性が居た。
ただバチバチに目が合っていて、遊佐違いとかではないらしい。
「すみませんけど、どちら様ですか?」
顔の言えない電話だったら平気で言えるこのことがば、面と向かって言うとなるとこんなにも言いにくい言葉だなんて知らなかった。
ただ幸いだったのは相手の方が気にすることなく、「すみません」と肩掛けのカバンから眼鏡を取り出してそれを掛けると。
「……山田さん⁉」
ずいぶんと印象派違ったけれど、見知らぬと思った女性は会社の後輩の山田花菜だった。
世間では有給休暇を使ってとっくに突入していて、何連まで伸ばすことができるかと躍起になっている人たちもいるのだろうが、弊社ではそこまで自由奔放な使い方は叶わない。
もっとも連休を引き伸ばせるだけ伸ばすことができたとしても、その休みに特別やりたいことがあるわけでもない。
また仕事が苦痛であったのなら、連休と言わず仕事が休みというだけで無条件に嬉しかったかもしれないがそんなこともなく、それなりにやりがいを感じながら毎日労働に勤しむことができている――好きか嫌いかで言えば今の仕事も職場も好きだ。
だから僕のゴールデンウィークは今年もカレンダー通りに憲法記念日からのスタートになるのだが、なんだかんだで連休の一日目というのはやはり嬉しいもの。正確に言えばそれは休日ではなくて、休日前夜がなのかもしれないが、その一番の理由は起床時間に縛られないという自由のおかげだろう。
翌日の起床時間を気にする必要もなく、生活リズムが多少乱れたところでまた翌日も、そのまた翌日だって休み。
束の間の自由を手に入れることができるという意味では、連休万歳だ。
だから昨晩だって、無意味なネットサーフィンで貴重な時間を浪費するという至上の贅沢を明け方近くまで満喫し、目覚ましもセットしないで日の出と共に床に就いたのだが……。
「お兄ちゃん! お兄ちゃん! 早く起きてっ!」
清子の忙しない声と共に勢いよく部屋の扉が開かれて飛び起きた。
すぐに枕元のスマホを見ると、時刻は午前十時半で盛大な遅刻をかましている時間に青ざめるが、すぐについ五時間前の就寝時の記憶が呼び起こされた。
「……今日休みじゃないか」
「そうだよ。だからショッピングモールに連れてってほしいってわけ」
就寝するまでの幸せが嘘のような最悪な目覚めだった。
会社が実家から通えてしまう距離にあるため、わざわざ実家を出る一人暮らしをする必要性も見出せず、社会人二年目にしていまだに実家で暮らしているが、こういうことがある度に一人暮らしを始めようかと真剣に悩まされる。
「寝てる人を叩き起こしてまで買いたい物ってなんだよ。ネットで買えばいいだろ。おまえはなんのためにスマホ持ってんだよ」
「えっ、お兄ちゃんネット通販するためにスマホ持ってんの? ヤバイね。将来孤独死しそうで心配だよ」
言われなくたって僕だってそんな気はしてるけど、起き抜けになんでこんなこと言われないといけないんだよ。
「でも大丈夫だよ。老後もあたしが面倒見てあげるから安心して」
「そっか、ありがとう。それじゃあもう少し寝るから出てって。おやすみ」
「ねぇ、お兄ちゃん! ネットで下着買おうと合わないから嫌なの! 連れてってよー!」
そんなことを言われたって、買い物内容を聞いて余計に行きたくなくなる。
ブラコン気味の妹との兄妹仲は良好とはいえ、叩き起こされてまで妹を下着やに連れて行くなんて僕に限った話ではなく全国のお兄ちゃんが嫌がるはずだ。ましてやそれが連休の最初の用事だなんてことさら。
「そんなもん母上に頼めよ」
「ママ上もパパ上も早くに出かけたよ。泊りで旅行だって」
両親が旅行に行くだなんて初耳だが、どうしてこの妹を一緒に連れて行ってくれなかったんだろうか。マジで寝れない。
「もう分かったから。連れてくから昼からにして。もう少し寝かせて」
「今日昼から友達と用事あるからそれまでに行きたいの。ねぇ~、お兄ちゃ~ん」
僕の希望がなに一つとして反映されないどころか、とても成人とは思えない猛攻が始まった。
「そんなおまえの都合なんて知らないよ! 友達と遊びに行くかパンツ買いに行くかどっちかにしてください! お兄ちゃんは眠いんです!」
こうなってしまえば根気勝負。
意地を押し通した方に軍配があるのだが、妹はずいぶんとしおらしく引き下がった。
「分かったよ。せっかくの友達遊びに行く予定、お兄ちゃんのためにキャンセルするよ」
「違う。キャンセルするのは僕のためじゃなくて、お前のパンツのためだ。僕のせいにするな」
そう思ったのも束の間。
「出かける時間まで隣で待ってるね」
ゴソゴソとベッドの中に潜り込んできやがった。
「もう! 行くぞっ! 準備できてんのかっ!」
「もちろんだともっ!」
冷蔵庫に入っていた缶コーヒーを持った家を出たものの、コーヒーで眠気が無くなった人なんて本当にいるのか。
少なくとも僕は一度としてコーヒーで眠気が無くなったことなんて一度もなく、眠気覚ましのコーヒーと言うのも苦みかカフェイン、どちらが効く想定で言っているのかいまだに分かっていない。
そんなわけで、効果の期待できないコーヒーに頼るぐらいなら、助手席の妹にマキシマムザホルモンの『爪爪爪』を熱唱させておく方がよっぽど眠気覚ましには効果的。
しかしそんなことまでしてあくびを噛み殺しながら、やっとの思いで目的地にたどり着いたところで、僕はここになにも用が無い。
「どれぐらいで買い物終わる?」
「ん? 時間? 分かんないけど」
「分かんないのが一番困るんだけど……」
しかし妹は僕の言葉を振り切るかの如く車を飛び出して行き脱兎の如く。
その逃げ足からしておそらくは、買い物が終わった後も時間まで遊んでいるつもりなんだろう。
ちょっと買い物程度なら車の中で寝ながら待っていられるが、五月とはいえ車の中の密室は蒸し風呂状態。
こんな中に籠っていたら、試着で外した下着を着け直している間に脳みそが茹で上がってしまう。
エアコンを効かせられたら別の話だが、父親の車でそんな贅沢をしていたなんてしれたらなにを言われるか分からない。
施設内には休日の疲れたお父さんのために休憩用の椅子が設置されてはいるものの、そこで延々待ち惚けを食らうのも、これがなかなかの苦行になる。
また、奴が帰ってくるまで二時間は見ておいた方がいいとお兄ちゃんの勘が言っていて――二時間もショッピングモールのベンチに座ってるぐらいなら妹と同じベッドで寝ていた方がまだマシだろう。
結局適当な文庫本を買って喫茶店でコーヒー片手に読書という、形だけでも充実した休日を演出してみようと思う――どうせ表紙を開いて三回ページを捲った頃には夢の世界に行くことになるだろうが。
そうして本屋はどこだっかと、施設内マップを眺めている時だった。
「あれ? 遊佐先輩ですか?」
自分の苗字が呼ばれたことで反射的に振り返ったが、そこに居たのは知らない女性が居た。
ただバチバチに目が合っていて、遊佐違いとかではないらしい。
「すみませんけど、どちら様ですか?」
顔の言えない電話だったら平気で言えるこのことがば、面と向かって言うとなるとこんなにも言いにくい言葉だなんて知らなかった。
ただ幸いだったのは相手の方が気にすることなく、「すみません」と肩掛けのカバンから眼鏡を取り出してそれを掛けると。
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