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6話「告白」
しおりを挟む「実は──」
ラインハルト様の婚約破棄の理由がどのように噂で回っているか分からないがルタ様には起こったことありのままを話した。
「ラインハルト侯……。彼のことは同じ騎士としてよく知っている。その仕事ぶりもとても尊敬出来るものではなかった。しかし、婚約者にそこまでの仕打ちをしていたとは許せない。……今まで辛かっただろう」
彼は優しく私の頭を撫でる。
ルタ様は真剣に私の話を聞いてくれ、元婚約者だけでなく妹や家族に対して怒ってくれた。
「出会ったばかりで信じられないとは思うが私はケイを心から守り抜きたいと思っている。決して前の男が抱かせたような気持ちにはさせない。誓ってもいい」
「……ルタ様。お気持ちはとても嬉しいのですが、私たちはつい最近出会ったばかりです。何故そこまで私にして下さるのですか?」
しかし、ルタ様がここまで親切にしてくれると政略結婚の為だけでもないような気がしてしまう。
「……これを見てほしい」
そういって急に上のシャツを脱ぎ始めるルタ様。ここは2人きりの密室。
何をする気だろう?まさか……ラインハルト様とロージュが2人で行っていた様な……?
「……る、ルタ様。私は実はそのような経験は皆無でして、まだ心の準備というものが……」
「何を言っている?傷を見てほしいだけだが。何の準備が必要なんだ?」
「……えっ、あっ……失礼しました、なんでもないです」
ということが当然ある訳もなく、ルタ様は冷静に自身の古傷を見せた。
「この傷、見覚えはないか?」
ルタ様がそういって指さすのは右腹部に大きく残る10センチ台の古傷。
この傷は……。
見覚えがある。
でもまさか彼があの時の……?
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