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ー光ー 第三章 旅の後
第三十八話 悪神の狙い
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夕食の時間になり、皆食事部屋に集まった。
女子会は二時間前に終わったらしく、女神たちは、夕食の時間までのんびりと話していた天光琳、天俊熙より早くに座っていた。
このように皆集まるのは久しぶりだ。
天宇軒は怖いが、なんだかんだでこのように皆で集まると安心する...と天光琳は思った。
「皆揃ったわね」
天万姫が笑顔で言うと天宇軒は天光琳、天俊熙を見ながら口を開いた。
「旅の話は食後にゆっくり聞く」
「久しぶりに皆揃ったのだから、食事の時は楽しい話をしましょう」
天万姫が続けて言うと皆は頷き、天光琳と天俊熙は自分の席に座った。
食事を始めた。夕食は大皿にはデミグラスソースのかかったオムライスにハンバーグ、茹で人参と茹でアスパラガス、エビフライ。小皿にはトマトとアボカドのチーズサラダ、別の小皿には様々な野菜のサラダ。カップには玉ねぎたっぷりコンソメスープ。そして小さなガラスの深皿には桃のゼリーと、オレンジ、キュウイなどの果物だ。
「やっぱりここの料理が一番好きだぁ」
ハンバーグを口に入れた天俊熙は頬に手を当てて幸せそうに言った。
宿で食べた料理はもちろん美味しかった。しかし城の料理には叶わなかった。料理に長けている神々が作った料理なのだ
。
桜雲天国の中で一番と言っていいほど完璧な料理なのだ。......そんな料理に慣れている天家の神々は実に贅沢なものだ...。
「俊熙食べるの早くない!?」
天光琳は天俊熙の皿を見て驚いた。
「へへ、美味しくてつい」
「分かる~、ハンバーグの肉汁がジュワッと溢れて......その肉汁がオムライスに染みて本当に美味しいよね」
天俊熙と天光琳が幸せそうに言うと、天万姫、天麗華、天語汐がふふっと笑った。
「ハンバーグ追加しましょうか?」
ハンバーグをペロリと食べてしまった天俊熙に、料理担当の男神が言った。
「じゃあお願いしようかな...あればオムライスとスープもおかわり!」
「かしこまりました」
料理担当の男神は空っぽになった俊熙のお皿を下げ、両手で丁寧に持ちながら食事部屋を出た。
そして5分後、新しいお皿にハンバーグとオムライス、スープをのせて持ってきた。
温め直したのだろう。冷めておらず、とても温かい。
「ありがとう!」
お礼を言うと、男神は一礼をして後ろへ下がった。
そして天俊熙は再び食べ始めた。
もりもりと元気よく食べる天俊熙を見て、天語汐は安心したように微笑んだ。
天光琳も先程までお菓子を食べてたとはいえ、お腹が空いていたのでいつもよりご飯が進み、ハンバーグとスープをおかわりした。
「沢山食べなさい。怪我の治りもきっと早くなるわ」
「はい!」
天万姫がそう言うと、天光琳は元気よく頷いた。そしてスプーンでスープをすくい、口に運んで、幸せそうな顔をした。
✿❀✿❀✿
皆夕食を食べ終わった。料理担当の神々はお皿を片付け、テーブルを拭いた。
そして、皆の前に新しいコップを置き、お茶を入れていく。
「ありがとうございます」
天光琳は小さな声でお礼を言った。
皆のお茶を入れ終わると、料理担当の神々は食事部屋を出た。
天家の神だけになった。
天宇軒はお茶を少し飲んでから、話し始めた。
「玉桜山で起こったこと、悪神についてなど詳しく話してくれ」
「分かりました」
天光琳と天俊熙は頷き、天麗華は言った。
「悪神は何故玉桜山に現れたかハッキリとは分かりませんでした。おそらく、城から離れた場所なので助けが来にくく、狙いやすいからだと思います......」
玉桜山と城はとても離れている。どんなに危険な状態になってしまっても、すぐには助けに行けない距離だ。
今回は、危険な状態になることを予測した護衛神が早めに城へ報告しに来たため、助かった。
「何故天家三神を呼び出したか分かった?」
天語汐が言った。
「分からないけれど、悪神の狙いは......やはり光琳でした」
「......」
天麗華がそう言うと、皆が天光琳の方を見たため、天光琳は下を向いた。
「光琳......ではどうして光琳を狙っているのか分かった...?」
天万姫は不安そうな表情をした。
「分からなかったわ...」
天麗華は首を横に振った。
天光琳自身も分からなかった。何故自分が狙われているのだろう...。......そうだ。
天光琳はあることを思い出した。
「......僕が気を失っている時、悪神は力を使って、僕の心の世界に入りこんできました。その時、悪神は僕には手を出さない...だけど邪魔な姉上と俊熙には死んでもらうって......言っていました」
「あ、そういえば...光琳が目覚めて悪神と戦っている時に『光琳には怪我をさせるつもりは無い』って言ってたな...」
天俊熙も思い出し、顎に手を当てながら言うと、天光琳と天麗華はうんうん、と二回頷いた。
「光琳には手を出さない...邪魔な二神は死んでもらう......あの悪神、光琳に何かするつもりなのかしら...」
天麗華がそう言うと、天光琳は体がゾワッとした。
悪神に気に入るようなことをした覚えは無い。なぜ僕なのだろう、と天光琳は思った。
分からないと思うが、一応天俊熙に聞いてみようと、隣の隣に座っている天俊熙の方を見見た。
(...?)
......天俊熙は眉間に皺を寄せ、暗い顔をして下を向いていた。
「俊熙...?」
天光琳は小さな声で天俊熙に言った。
しかし、声が小さすぎたため、声が届かなかったようだ。隣に座っている天浩然は聞こえたらしく、一度天光琳の方を見てから、天俊熙の方を見た。
「どうした?」
天俊熙が暗い顔をしているのを見て天浩然も小さな声で言った。
はっと天俊熙は顔を上げ、二神を見た。
「ごめん、考え事をしていて......」
「考え事?」
天光琳は聞き返した。
「なんでもないよ」
「隠さなくていい。何か気になることがあるのだろう?些細なことでもいいから言ってくれ」
天浩然は天俊熙にそう言うと、天俊熙は首を横に振った。
「本当になんでもないんだ、大丈夫」
関係ないことを考えていた...訳では無いだろう。表情からすると、重要なことだと思うが......能力のように、まだ言いたくないことなのだろうか。
......もしかして能力と関係していることなのか...?
(悪神と...能力......うーん......)
なかなか教えてくれない能力が、もしかしたら悪神と関係しているのかもしれない。
......いや、そんな訳ないか。
あるとしてもどんな能力なのか思いつかない。
きっと別のことだろう。悪神に勝てなかった...とか、どうしたら勝てるのだろうか...とか、そういう事だろう。
「邪魔な二神には死んでもらうって言っていた...という事は、悪神は今麗華と俊熙の命を狙っている......また悪神は現れると思うし、注意して過ごさないといけないわね」
天李偉は青ざめた顔で言った。
すると天李偉の隣に座っている天語汐も青ざめた顔をした。
「そうね。天家から三神連れてこい...って言っていたけれど、悪神はきっと、光琳が来ることを予想していたのではないでしょうか。そして光琳が来れば、防御結界がある天俊熙か宇軒様がくる。しかし王である宇軒様が来るはずがない......となると、俊熙がくる。そして、奇跡の神であり、姉である麗華は必ず来る。......俊熙と麗華はよく光琳といるわよね...光琳に何かしようと考えているのなら、まずはよく一緒にいる二神が邪魔......。だったら先に二神の命を奪って、光琳を......」
これ以上、天語汐は下を向いて何も言わなかった。
言わなくても分かる。......天光琳に何をするつもりなのかは分からないが、何となく天光琳が危ない...ということは分かる。
すると、天俊熙は口を開いた。
「あの悪神は光琳のことを『天光琳様』って呼んでいました。もしかしたら、光琳のことをよく知っているのかもしれない。だから光琳が玉桜山に来ると予想して、わざわざ『天家三神を連れてこい』と言った...。何故指名しなかったか分からないけれど、よく知っているからこそ、自信があったんだと思います......」
『天光琳様』と呼んでいたという事は、天光琳を慕っている可能性が高い。それなのに天光琳のことを知らないはずがない。
「......もしかしたら...今も近くにいたり......」
「...!?」
天俊熙がボソッとそう呟くと、皆は辺りを見渡した。
天光琳は全身鳥肌が立った。
「俊熙...怖いこと言わないで」
「あ...ごめんなさい......」
天李静が細い目で天俊熙を見ながら言った。
天俊熙はしまった...と後悔した。
「でもその可能性はある...」
天浩然は手を強く握りながら言った。
そう思うと話しにくいのだが......。
「悪神がいないことを祈るわ」
天万姫がそう言うと、皆は頷いた。
女子会は二時間前に終わったらしく、女神たちは、夕食の時間までのんびりと話していた天光琳、天俊熙より早くに座っていた。
このように皆集まるのは久しぶりだ。
天宇軒は怖いが、なんだかんだでこのように皆で集まると安心する...と天光琳は思った。
「皆揃ったわね」
天万姫が笑顔で言うと天宇軒は天光琳、天俊熙を見ながら口を開いた。
「旅の話は食後にゆっくり聞く」
「久しぶりに皆揃ったのだから、食事の時は楽しい話をしましょう」
天万姫が続けて言うと皆は頷き、天光琳と天俊熙は自分の席に座った。
食事を始めた。夕食は大皿にはデミグラスソースのかかったオムライスにハンバーグ、茹で人参と茹でアスパラガス、エビフライ。小皿にはトマトとアボカドのチーズサラダ、別の小皿には様々な野菜のサラダ。カップには玉ねぎたっぷりコンソメスープ。そして小さなガラスの深皿には桃のゼリーと、オレンジ、キュウイなどの果物だ。
「やっぱりここの料理が一番好きだぁ」
ハンバーグを口に入れた天俊熙は頬に手を当てて幸せそうに言った。
宿で食べた料理はもちろん美味しかった。しかし城の料理には叶わなかった。料理に長けている神々が作った料理なのだ
。
桜雲天国の中で一番と言っていいほど完璧な料理なのだ。......そんな料理に慣れている天家の神々は実に贅沢なものだ...。
「俊熙食べるの早くない!?」
天光琳は天俊熙の皿を見て驚いた。
「へへ、美味しくてつい」
「分かる~、ハンバーグの肉汁がジュワッと溢れて......その肉汁がオムライスに染みて本当に美味しいよね」
天俊熙と天光琳が幸せそうに言うと、天万姫、天麗華、天語汐がふふっと笑った。
「ハンバーグ追加しましょうか?」
ハンバーグをペロリと食べてしまった天俊熙に、料理担当の男神が言った。
「じゃあお願いしようかな...あればオムライスとスープもおかわり!」
「かしこまりました」
料理担当の男神は空っぽになった俊熙のお皿を下げ、両手で丁寧に持ちながら食事部屋を出た。
そして5分後、新しいお皿にハンバーグとオムライス、スープをのせて持ってきた。
温め直したのだろう。冷めておらず、とても温かい。
「ありがとう!」
お礼を言うと、男神は一礼をして後ろへ下がった。
そして天俊熙は再び食べ始めた。
もりもりと元気よく食べる天俊熙を見て、天語汐は安心したように微笑んだ。
天光琳も先程までお菓子を食べてたとはいえ、お腹が空いていたのでいつもよりご飯が進み、ハンバーグとスープをおかわりした。
「沢山食べなさい。怪我の治りもきっと早くなるわ」
「はい!」
天万姫がそう言うと、天光琳は元気よく頷いた。そしてスプーンでスープをすくい、口に運んで、幸せそうな顔をした。
✿❀✿❀✿
皆夕食を食べ終わった。料理担当の神々はお皿を片付け、テーブルを拭いた。
そして、皆の前に新しいコップを置き、お茶を入れていく。
「ありがとうございます」
天光琳は小さな声でお礼を言った。
皆のお茶を入れ終わると、料理担当の神々は食事部屋を出た。
天家の神だけになった。
天宇軒はお茶を少し飲んでから、話し始めた。
「玉桜山で起こったこと、悪神についてなど詳しく話してくれ」
「分かりました」
天光琳と天俊熙は頷き、天麗華は言った。
「悪神は何故玉桜山に現れたかハッキリとは分かりませんでした。おそらく、城から離れた場所なので助けが来にくく、狙いやすいからだと思います......」
玉桜山と城はとても離れている。どんなに危険な状態になってしまっても、すぐには助けに行けない距離だ。
今回は、危険な状態になることを予測した護衛神が早めに城へ報告しに来たため、助かった。
「何故天家三神を呼び出したか分かった?」
天語汐が言った。
「分からないけれど、悪神の狙いは......やはり光琳でした」
「......」
天麗華がそう言うと、皆が天光琳の方を見たため、天光琳は下を向いた。
「光琳......ではどうして光琳を狙っているのか分かった...?」
天万姫は不安そうな表情をした。
「分からなかったわ...」
天麗華は首を横に振った。
天光琳自身も分からなかった。何故自分が狙われているのだろう...。......そうだ。
天光琳はあることを思い出した。
「......僕が気を失っている時、悪神は力を使って、僕の心の世界に入りこんできました。その時、悪神は僕には手を出さない...だけど邪魔な姉上と俊熙には死んでもらうって......言っていました」
「あ、そういえば...光琳が目覚めて悪神と戦っている時に『光琳には怪我をさせるつもりは無い』って言ってたな...」
天俊熙も思い出し、顎に手を当てながら言うと、天光琳と天麗華はうんうん、と二回頷いた。
「光琳には手を出さない...邪魔な二神は死んでもらう......あの悪神、光琳に何かするつもりなのかしら...」
天麗華がそう言うと、天光琳は体がゾワッとした。
悪神に気に入るようなことをした覚えは無い。なぜ僕なのだろう、と天光琳は思った。
分からないと思うが、一応天俊熙に聞いてみようと、隣の隣に座っている天俊熙の方を見見た。
(...?)
......天俊熙は眉間に皺を寄せ、暗い顔をして下を向いていた。
「俊熙...?」
天光琳は小さな声で天俊熙に言った。
しかし、声が小さすぎたため、声が届かなかったようだ。隣に座っている天浩然は聞こえたらしく、一度天光琳の方を見てから、天俊熙の方を見た。
「どうした?」
天俊熙が暗い顔をしているのを見て天浩然も小さな声で言った。
はっと天俊熙は顔を上げ、二神を見た。
「ごめん、考え事をしていて......」
「考え事?」
天光琳は聞き返した。
「なんでもないよ」
「隠さなくていい。何か気になることがあるのだろう?些細なことでもいいから言ってくれ」
天浩然は天俊熙にそう言うと、天俊熙は首を横に振った。
「本当になんでもないんだ、大丈夫」
関係ないことを考えていた...訳では無いだろう。表情からすると、重要なことだと思うが......能力のように、まだ言いたくないことなのだろうか。
......もしかして能力と関係していることなのか...?
(悪神と...能力......うーん......)
なかなか教えてくれない能力が、もしかしたら悪神と関係しているのかもしれない。
......いや、そんな訳ないか。
あるとしてもどんな能力なのか思いつかない。
きっと別のことだろう。悪神に勝てなかった...とか、どうしたら勝てるのだろうか...とか、そういう事だろう。
「邪魔な二神には死んでもらうって言っていた...という事は、悪神は今麗華と俊熙の命を狙っている......また悪神は現れると思うし、注意して過ごさないといけないわね」
天李偉は青ざめた顔で言った。
すると天李偉の隣に座っている天語汐も青ざめた顔をした。
「そうね。天家から三神連れてこい...って言っていたけれど、悪神はきっと、光琳が来ることを予想していたのではないでしょうか。そして光琳が来れば、防御結界がある天俊熙か宇軒様がくる。しかし王である宇軒様が来るはずがない......となると、俊熙がくる。そして、奇跡の神であり、姉である麗華は必ず来る。......俊熙と麗華はよく光琳といるわよね...光琳に何かしようと考えているのなら、まずはよく一緒にいる二神が邪魔......。だったら先に二神の命を奪って、光琳を......」
これ以上、天語汐は下を向いて何も言わなかった。
言わなくても分かる。......天光琳に何をするつもりなのかは分からないが、何となく天光琳が危ない...ということは分かる。
すると、天俊熙は口を開いた。
「あの悪神は光琳のことを『天光琳様』って呼んでいました。もしかしたら、光琳のことをよく知っているのかもしれない。だから光琳が玉桜山に来ると予想して、わざわざ『天家三神を連れてこい』と言った...。何故指名しなかったか分からないけれど、よく知っているからこそ、自信があったんだと思います......」
『天光琳様』と呼んでいたという事は、天光琳を慕っている可能性が高い。それなのに天光琳のことを知らないはずがない。
「......もしかしたら...今も近くにいたり......」
「...!?」
天俊熙がボソッとそう呟くと、皆は辺りを見渡した。
天光琳は全身鳥肌が立った。
「俊熙...怖いこと言わないで」
「あ...ごめんなさい......」
天李静が細い目で天俊熙を見ながら言った。
天俊熙はしまった...と後悔した。
「でもその可能性はある...」
天浩然は手を強く握りながら言った。
そう思うと話しにくいのだが......。
「悪神がいないことを祈るわ」
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