52 / 184
ー光ー 第三章 旅の後
第五十一話 寒い朝
しおりを挟む
「うぅ...寒い......」
天光琳は目を覚ました。
外が明るかったため、目を擦りながらゆっくり起き上がる。
(昨日窓開けっ放しだったなぁ...)
そういや窓を閉めていなかった。
窓を開けて寝ると夜は涼しいのだが、朝は寒い。
体はもう痛まなかった。服を軽く脱ぎ、包帯を解いてみるとテープの隙間から見える傷はもう薄くなっていた。
(さすが国峰先生......)
改めて国峰の凄さを感じた。
「......寒い...」
夏が終わり、もうすぐ秋だ。
天光琳は急いで包帯をまき直し、服を着直した。
(もう着替えるかな)
そう思い、ベットから降りた。
部屋は静かで仕切りのカーテンはしまったままだ。
天俊熙はまだ寝ているだろうし、起こしてしまわないようにゆっくりと着替えた。
十分後。
「ひぇ~寒い寒い!!」
「あ、俊熙おはよう!」
天光琳はソファに座り、本を読んでいると、カーテンの向こう側から声が聞こえた。
「おはよ、寒くね?」
「ね。僕も寒くて目覚めちゃった」
(...あ。窓閉めれば良かった)
天光琳は一度本を閉じた。
自分は寒くて目が覚めたのに、窓を閉めるのを忘れていた。天俊熙も寒くて目が覚めたのだろう。
「急に寒くなってきたなぁ」
天俊熙は髪を縛りながら、歩いてきた。
そして、結び終わると、一度あくびをし、クローゼットから着替えを取り出して、またカーテンの向こう側に行った。
天光琳もまた本を読み始めた。
着替え終わり、二神は顔を洗いに行った。
そして顔を洗い終わると、また部屋に戻ってきた。
「朝食の時間までまだあるなぁ......」
「本読む?」
「...いや......いい」
時計を見て暇そうにしている天俊熙に天光琳は本を進めたが、天俊熙は嫌そうな顔をした。
「そういえば、本嫌いだったね」
天光琳が苦笑いしながら言うと、天俊熙は頷いた。
天俊熙は本や勉強が苦手なのだ。
神界には学校と言うものは存在しないが、勉強はしなければいけない。
神とは不思議なもので、生まれた時から、人間界で言う、高校卒業レベルの知識は頭に入っている。
そのため、頭が悪い神はいないのだが、他にも神の力について、各国の歴史についてなどは学ばなければいけない。
二神は天麗華や草沐阳、天浩然などに教えてもらった。
特に天浩然は歴史が得意なので、話が面白かった。
しかし天俊熙はいつもつまらなそうな顔をしていた。......聞いていなかった...という訳では無いが、いやいや勉強させられている感じだった。
「そういえば、怪我は?どうなった?」
「あ、そうそう。大分良くなったの!こうやって飛び跳ねても......体を捻っても、痛くない!」
天光琳は飛び跳ねたり、体を捻ったりしながら言った。
「やっぱり国峰先生は凄いだろ...?昨日診て貰わなかったら、こんな良くなってなかったと思うよ」
天光琳はうんうんと二回頷いた。
天光琳の記憶には針を持って、笑顔で近づいてくる国峰の記憶しか無かった。
...国峰的には天光琳が大怪我をして、辛そうな顔をしていたから、少しでも気を和らげようと笑顔で接していただけなのだが......。
「まぁでも良くなったようで良かったよ......もう無茶はするな。お前は自分を大切にしろ」
「でも......無能神様の自分なんか守っても意味がな......」
天光琳は途中で口を閉じた。天俊熙が怖い表情で見てきたからだ。
天俊熙はため息をついた。
「玉桜山に行く前日の夜、万姫様も言っていだろ?意味が無いわけない。もうそういう事は言わないでくれ」
「分かった...ごめん」
天光琳がそう謝ると、天俊熙はまたいつもの優しい表情に戻った。
「分かれば良いんだよ...。俺たちも強くなる。だからお前はまず、自分の身を守ることを優先しろ。あの悪神は......お前を.........はぁ」
天俊熙は言いかけて辞めた。
先程、優しい笑顔の表情だった天俊熙は次はくらい表情になった。
その表情はまるで、これからどうなるのか知っているかのようだった。
......いや、そんなことはありえない。
知っていたら言ってくれるはずだ。
天俊熙はきっと、変なことを言って天光琳を嫌な気持ちにさせたくなかったから途中で言うのをやめたのだろう。
沈黙の時間が続き、天光琳は時計を見た。
もうすぐ朝食の時間だ。
「さ、そろそろ朝食の時間になるし、行こうか」
「あぁ」
天俊熙の表情は暗く、作り笑いをしているようだ。
(僕が変なこと言わなければ良かったな)
天光琳は先程『自分なんか守っても意味がない』なんて言わなければ良かったと後悔した。
...しかし天俊熙はそれで機嫌が悪くなったようにはあまり見えない。
何か知っていそうな...感じはする。
とはいえ、ハッキリとは分からないため、聞かない方が良いだろう。
(なんか......モヤモヤする)
最近、天俊熙は素直に教えてくれないことが増えた。それは天光琳が神の力を使えないからだろうか。
(置いていかれてる......同じぐらい頑張ってきたはずなんだけどな......)
日に日に、天俊熙との差が開いていく感じがする。小さい頃は同じものを食べて、同じぐらい修行して、舞ってきたはずなのに......。
二神は食事部屋に向かった。
天光琳は目を覚ました。
外が明るかったため、目を擦りながらゆっくり起き上がる。
(昨日窓開けっ放しだったなぁ...)
そういや窓を閉めていなかった。
窓を開けて寝ると夜は涼しいのだが、朝は寒い。
体はもう痛まなかった。服を軽く脱ぎ、包帯を解いてみるとテープの隙間から見える傷はもう薄くなっていた。
(さすが国峰先生......)
改めて国峰の凄さを感じた。
「......寒い...」
夏が終わり、もうすぐ秋だ。
天光琳は急いで包帯をまき直し、服を着直した。
(もう着替えるかな)
そう思い、ベットから降りた。
部屋は静かで仕切りのカーテンはしまったままだ。
天俊熙はまだ寝ているだろうし、起こしてしまわないようにゆっくりと着替えた。
十分後。
「ひぇ~寒い寒い!!」
「あ、俊熙おはよう!」
天光琳はソファに座り、本を読んでいると、カーテンの向こう側から声が聞こえた。
「おはよ、寒くね?」
「ね。僕も寒くて目覚めちゃった」
(...あ。窓閉めれば良かった)
天光琳は一度本を閉じた。
自分は寒くて目が覚めたのに、窓を閉めるのを忘れていた。天俊熙も寒くて目が覚めたのだろう。
「急に寒くなってきたなぁ」
天俊熙は髪を縛りながら、歩いてきた。
そして、結び終わると、一度あくびをし、クローゼットから着替えを取り出して、またカーテンの向こう側に行った。
天光琳もまた本を読み始めた。
着替え終わり、二神は顔を洗いに行った。
そして顔を洗い終わると、また部屋に戻ってきた。
「朝食の時間までまだあるなぁ......」
「本読む?」
「...いや......いい」
時計を見て暇そうにしている天俊熙に天光琳は本を進めたが、天俊熙は嫌そうな顔をした。
「そういえば、本嫌いだったね」
天光琳が苦笑いしながら言うと、天俊熙は頷いた。
天俊熙は本や勉強が苦手なのだ。
神界には学校と言うものは存在しないが、勉強はしなければいけない。
神とは不思議なもので、生まれた時から、人間界で言う、高校卒業レベルの知識は頭に入っている。
そのため、頭が悪い神はいないのだが、他にも神の力について、各国の歴史についてなどは学ばなければいけない。
二神は天麗華や草沐阳、天浩然などに教えてもらった。
特に天浩然は歴史が得意なので、話が面白かった。
しかし天俊熙はいつもつまらなそうな顔をしていた。......聞いていなかった...という訳では無いが、いやいや勉強させられている感じだった。
「そういえば、怪我は?どうなった?」
「あ、そうそう。大分良くなったの!こうやって飛び跳ねても......体を捻っても、痛くない!」
天光琳は飛び跳ねたり、体を捻ったりしながら言った。
「やっぱり国峰先生は凄いだろ...?昨日診て貰わなかったら、こんな良くなってなかったと思うよ」
天光琳はうんうんと二回頷いた。
天光琳の記憶には針を持って、笑顔で近づいてくる国峰の記憶しか無かった。
...国峰的には天光琳が大怪我をして、辛そうな顔をしていたから、少しでも気を和らげようと笑顔で接していただけなのだが......。
「まぁでも良くなったようで良かったよ......もう無茶はするな。お前は自分を大切にしろ」
「でも......無能神様の自分なんか守っても意味がな......」
天光琳は途中で口を閉じた。天俊熙が怖い表情で見てきたからだ。
天俊熙はため息をついた。
「玉桜山に行く前日の夜、万姫様も言っていだろ?意味が無いわけない。もうそういう事は言わないでくれ」
「分かった...ごめん」
天光琳がそう謝ると、天俊熙はまたいつもの優しい表情に戻った。
「分かれば良いんだよ...。俺たちも強くなる。だからお前はまず、自分の身を守ることを優先しろ。あの悪神は......お前を.........はぁ」
天俊熙は言いかけて辞めた。
先程、優しい笑顔の表情だった天俊熙は次はくらい表情になった。
その表情はまるで、これからどうなるのか知っているかのようだった。
......いや、そんなことはありえない。
知っていたら言ってくれるはずだ。
天俊熙はきっと、変なことを言って天光琳を嫌な気持ちにさせたくなかったから途中で言うのをやめたのだろう。
沈黙の時間が続き、天光琳は時計を見た。
もうすぐ朝食の時間だ。
「さ、そろそろ朝食の時間になるし、行こうか」
「あぁ」
天俊熙の表情は暗く、作り笑いをしているようだ。
(僕が変なこと言わなければ良かったな)
天光琳は先程『自分なんか守っても意味がない』なんて言わなければ良かったと後悔した。
...しかし天俊熙はそれで機嫌が悪くなったようにはあまり見えない。
何か知っていそうな...感じはする。
とはいえ、ハッキリとは分からないため、聞かない方が良いだろう。
(なんか......モヤモヤする)
最近、天俊熙は素直に教えてくれないことが増えた。それは天光琳が神の力を使えないからだろうか。
(置いていかれてる......同じぐらい頑張ってきたはずなんだけどな......)
日に日に、天俊熙との差が開いていく感じがする。小さい頃は同じものを食べて、同じぐらい修行して、舞ってきたはずなのに......。
二神は食事部屋に向かった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。
とある中年男性の転生冒険記
うしのまるやき
ファンタジー
中年男性である郡元康(こおりもとやす)は、目が覚めたら見慣れない景色だったことに驚いていたところに、アマデウスと名乗る神が現れ、原因不明で死んでしまったと告げられたが、本人はあっさりと受け入れる。アマデウスの管理する世界はいわゆる定番のファンタジーあふれる世界だった。ひそかに持っていた厨二病の心をくすぐってしまい本人は転生に乗り気に。彼はその世界を楽しもうと期待に胸を膨らませていた。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
スーパーのビニール袋で竜を保護した
チー牛Y
ファンタジー
竜は、災害指定生物。
見つけ次第、討伐――のはずだった。
だが俺の前に現れたのは、
震える子竜と、役立たず扱いされたスキル――
「スーパーのビニール袋」。
剣でも炎でもない。
シャカシャカ鳴る、ただの袋。
なのにその袋は、なぜか竜を落ち着かせる。
討伐か、保護か。
世界の常識と、ひとりの男の常識が衝突する。
これは――
ビニール袋から始まる、異世界保護ファンタジー。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる