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ー悪ー 第一章 アタラヨ鬼神
第八話 涙
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この後、二十人の人間に光の玉を付けた。人間たちがどうなったのか。それは後にわかるそうだ。
二神は神界へ戻ることにした。
神界へ戻り、塔から出ると、鬼神たちが集まっていた。その数は先程よりも増えている。
「鬼神様お疲れ様です!」
「凄いですね!!一度に二十人なんて......!」
自分では大してすごいことはしていないと思っていたため、どういう反応をすれば良いのか分からなかった。そのため適当に苦笑いをした。
どうやら、本来0人から一人。調子が良い時でも二、三人くらいしか不幸にすることが出来ないようだ。
人間界へ行くのに体力の鬼神の力を消費する。それなのに光の玉を作る際にも大量に消費する。それだけでは無い。光の玉を人間に送る際、鬼神の力を使って様々な方法で送る。しかしそれは必ず成功するものでは無い。何度もやって送る場合が多いのだが、途中で鬼神の力が足りなくなる場合がある。
そのだめ、一度に二十人とは恐ろしいことだ。けれど鬼神王の鬼神の力はまだ残っているようで、鬼神たちは驚きを隠せなかった。
「ふぁぁ......」
鬼神王はあくびをした。先程まで太陽の光を浴びていたのに、急に暗いところに戻ってきたため、眠気が襲ってきた。外をよく見ると、もう夜だった。一日中月が出ているが、明るさが違う。朝と夜の違いが何となく分かってきた。
「皆、道を開けろ。鬼神王様が通れない」
眠そうにしていることに気づいたシュヴェルツェは直ちに鬼神たちに言った。鬼神たちは左右に別れ、道を開けた。
「あ......ありがとう......」
眠いのだが、急に眠気が無くなったかのように背筋を伸ばした。皆は綺麗に並び道を開ける。その様子がどうしても申し訳ない気持ちになる。鬼神王は「ありがとう」とペコペコとお辞儀をしながら早歩きで城へ戻った。
✿❀✿❀✿
今日も色々なことがあり、疲れた。けれど皆から褒められとても良い気分だ。自分の強さがどれぐらいなのかだいたい分かった。自分は王なのだとようやく受け入れることが出来たのだ。
鬼神王は寝巻きに着替え寝転がる。
行ってはいけない滝付近、べトロたち、人間を不幸にさせる......それ以外にも人間や神のことなど、沢山知った。
(太陽......)
人間界で見た太陽。太陽の光に当たるのはなんだか心地が良かった。
(......て、僕はなんてことを思ってるんだ。鬼神なのに......)
まさか悪の世界のものを心地よいと思うとは。きっと初めて浴びたため、新鮮で心地よく感じただけだろう。
鬼神王は目を閉じた。すると、今日一番最初に光の玉をつけた二人の男の子が頭に浮かんできた。とても仲が良さそうだった。その二人だけではない。その後に神社に来た人間の中には家族できているものもいた。
「......」
胸がぎゅっと苦しくなった。この気持ちはなんだ?
『寂しい』......この言葉が浮かんだ。なぜ寂しいのか分からない。シュヴェルツェやメリーナ、鬼神達がいる。寂しいことは何も無いはずなのに。
(あれ......)
目から温かいものが流れてきた。涙だ。鬼神王はなぜ涙を流しているのか分からず、自分のことが不安になった。同時に震えが止まらない。こういう時、頭を撫でてくれるようなものがそばにいてくれたら良いのに......と思った。
鬼神王は布団に包まり、体を丸く縮めた。
二神は神界へ戻ることにした。
神界へ戻り、塔から出ると、鬼神たちが集まっていた。その数は先程よりも増えている。
「鬼神様お疲れ様です!」
「凄いですね!!一度に二十人なんて......!」
自分では大してすごいことはしていないと思っていたため、どういう反応をすれば良いのか分からなかった。そのため適当に苦笑いをした。
どうやら、本来0人から一人。調子が良い時でも二、三人くらいしか不幸にすることが出来ないようだ。
人間界へ行くのに体力の鬼神の力を消費する。それなのに光の玉を作る際にも大量に消費する。それだけでは無い。光の玉を人間に送る際、鬼神の力を使って様々な方法で送る。しかしそれは必ず成功するものでは無い。何度もやって送る場合が多いのだが、途中で鬼神の力が足りなくなる場合がある。
そのだめ、一度に二十人とは恐ろしいことだ。けれど鬼神王の鬼神の力はまだ残っているようで、鬼神たちは驚きを隠せなかった。
「ふぁぁ......」
鬼神王はあくびをした。先程まで太陽の光を浴びていたのに、急に暗いところに戻ってきたため、眠気が襲ってきた。外をよく見ると、もう夜だった。一日中月が出ているが、明るさが違う。朝と夜の違いが何となく分かってきた。
「皆、道を開けろ。鬼神王様が通れない」
眠そうにしていることに気づいたシュヴェルツェは直ちに鬼神たちに言った。鬼神たちは左右に別れ、道を開けた。
「あ......ありがとう......」
眠いのだが、急に眠気が無くなったかのように背筋を伸ばした。皆は綺麗に並び道を開ける。その様子がどうしても申し訳ない気持ちになる。鬼神王は「ありがとう」とペコペコとお辞儀をしながら早歩きで城へ戻った。
✿❀✿❀✿
今日も色々なことがあり、疲れた。けれど皆から褒められとても良い気分だ。自分の強さがどれぐらいなのかだいたい分かった。自分は王なのだとようやく受け入れることが出来たのだ。
鬼神王は寝巻きに着替え寝転がる。
行ってはいけない滝付近、べトロたち、人間を不幸にさせる......それ以外にも人間や神のことなど、沢山知った。
(太陽......)
人間界で見た太陽。太陽の光に当たるのはなんだか心地が良かった。
(......て、僕はなんてことを思ってるんだ。鬼神なのに......)
まさか悪の世界のものを心地よいと思うとは。きっと初めて浴びたため、新鮮で心地よく感じただけだろう。
鬼神王は目を閉じた。すると、今日一番最初に光の玉をつけた二人の男の子が頭に浮かんできた。とても仲が良さそうだった。その二人だけではない。その後に神社に来た人間の中には家族できているものもいた。
「......」
胸がぎゅっと苦しくなった。この気持ちはなんだ?
『寂しい』......この言葉が浮かんだ。なぜ寂しいのか分からない。シュヴェルツェやメリーナ、鬼神達がいる。寂しいことは何も無いはずなのに。
(あれ......)
目から温かいものが流れてきた。涙だ。鬼神王はなぜ涙を流しているのか分からず、自分のことが不安になった。同時に震えが止まらない。こういう時、頭を撫でてくれるようなものがそばにいてくれたら良いのに......と思った。
鬼神王は布団に包まり、体を丸く縮めた。
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