リトル英雄

TAKASHIGE

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憧れのバイク

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ヒーロー高校二年生
学校から帰って来ると。
整備工場の前に見慣れないバイク。
憧れの「ヤマハRZ250」が有った。
ピカピカの新車だった。
何と祖父が買ってくれた。
とはいえ毎月バイト代から返済していくいわゆる祖父ローンだ。
バイクはあとナンバー登録すれば乗れる状態になっていた。
生まれて一番嬉しかった瞬間だった。
はやる気持ちを押さえながらエンジンをかけみる。
「パラパラパラパラ」良い排気音だ。
新車なので500km位は慣らし運転をしなくてはならなかった。
次の日にナンバーが付いたので早速乗ってみる。
最初の感想はデカイ!果たして乗りこなせるか不安になった。
次の休日から慣らしの為のツーリングが始まった。まだ友達にはRZを買った事は内緒にしている為ソロツーリングで赤城山近辺まで行ったり1日中走り回った。
慣らしも終わりエンジンをレッドゾーンまで回してみる。
「怖い」…噂には聞いていたがRZは6千回転からは別のバイクになるよと言われた。
初めてのこの加速を体験した時はかなり怖かった。
だんだんRZの加速にも慣れて来た時に高校の同級生数人で走りに行く事になった。
行き先は「赤城山北面」新しく出来た峠道で人気の場所だ。
同級生の中には1年生の時からバイクに乗ってる奴もいてヒーローよりは速く走れた。
初めての本格的な峠道でヒーローは安全運転で峠を流した。
翌日学校に行くと1年の時からバイクに乗ってた奴がみんなの前でヒーローを馬鹿にした。
「スゲー遅いよ」、「駐車場で待ってたらステップに草を付けて来たよ」とかいい笑い者になった。
実際は確かに遅かったかも知れないがステップに草は付いてない!
この事がヒーローを速く走らせる原因になった。
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