リトル英雄

TAKASHIGE

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赤城山北面

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ヒーロー高校二年生
例の事件から毎週日曜日は朝4時に起き赤城山北面へ走りに行った。
日中は一般車も増えるので朝の早い時間に走りに行った。
最初は一人だったが仲の良い友達も加わり練習に励んだ。
もちろん馬鹿にしたイヤな奴には内緒にした。
毎週走りに行っていたので友達以外の人とも仲良くなり走り方の「コツ」みたいな物も教えてもらった。
中でも元白バイ隊員だったおじさんにはライン取り、ブレーキングなどのアドバイスをしてもらった。
約3ヶ月ぐらい走り込みそれなりには速く走れる様になって来た。
ある日例のイヤな奴から「また赤城山でも行くか?」とのお誘いが…
ヒーローはちょっと拒みながら小さな声で「ううん」と言った。
奴は高笑いで「走り方教えてやるよ」と言った。
いよいよイヤな奴と走りに行く日が来た。
赤城山北面に入ってもまだヒーローは奴の後ろを走っていた。
ヒーローが呟いた「そろそろかな」。
RZのエンジンをレッドゾーンまで回して加速する。
1コーナー、2コーナー、3コーナーと過ぎて行く。
イヤな奴はすでにヒーローのバックミラーには映っていなかった。
待ち合わせの駐車場で奴を待つ。
奴がかなり遅れて駐車場に来た。
ヘルメットを脱いだ時の奴の顔には笑えた!
ビックリした顔で何か叫んでいたがヒーローは聞いて無かった。
ヒーローが奴に言った「あんな後ろを走ってたら何も教えてもらえないじゃん」
奴は顔を真っ赤にし黙って駐車場の角に行った。
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