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15話
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当日。
早朝。
大型ワゴン車三台をレンタルして、一同はフリージアの薦める山を目指した。
当初は日帰りの予定だったが、話を聞いたオダマキや、フリージアの希望と聞いて俄然やる気になったアベリアが首尾よく諸々を手配し、目的の山で一泊のキャンプをすることとなった。
オダマキ自身は、休日ではあるものの流石に社長職というアイバナ建設を任される責任ある立場上、同伴はしなかったが(当日、業務などそっちのけで意気揚々と怪しげなビデオカメラを片手に車に乗り込んでいた彼をサクラコが蹴り飛ばして置いていった)、チームBおよびCの数名が是非同行したいということで、参加者は総計12名という大所帯となった。
それでも、車は八人乗りが二台あれば人数上は問題ないはずだったが、一つに荷物が大変多くなったことと、もう一つにフリージアもといメンバーの強い希望で天体望遠鏡を積むこととなったため、八人乗り三台を運転手らとアベリアが話し合い、こう振り分けた。
一号車
運転 ハス 助手席 サクラコ 二列目 リナリア、ガーベラ 三列目 ギボウシ、アズサ
二号車
運転 カモミール 助手席 アベリア 二列目 ラナンキュラス、ナノハ 三列目 各人の荷物
三号車
運転 アロエ 助手席 フリージア 二列目以降 大変高価な天体望遠鏡
しかし、これが決まった際、いつもの紫色の地味なジャージ姿のサクラコは猛反発した。
「ちょっと、なんでフリージアとアロエが二人きりなんですか!」
「おやおやぁ? 妬いてるのかなあ?」
これから山だというのに、胸の開いた黒Tシャツにジーンズ生地のホットパンツ、さらに堂々とハイヒールを履いているアベリアはニヤニヤしている。
「ち、 違います! ただフリージアの身を案じているだけです!」
紺のポロシャツに深緑のカーゴパンツを身に着けていたアロエは、赤い前髪を、その良く鍛えられた腕を伸ばして手で弄りながらサクラコを睨んだ。
「あ? ったく、眠てえし、キャンプも興味ねえのに、どうしても運転手が必要ってアベリア姉が言うからわざわざ来てやったってのに。グダグダ言うな牛乳」
「ぎ、ぎゅ……牛乳ですって!? ほら、こんな下劣な男とフリージアを密室に閉じ込めるなどあってはならないことです!」
アロエと同じ紺色のTシャツから美しい曲線美を見せる胸のライン。グレーの綿パン姿のフリージアがサクラコを宥めた。
「い、いえ、サクラコさん、私は別に構いませんよ。アロエさんは悪い人ではありませんし……」
フリージアの言に、迷彩柄のジャケットを身に着けて、今日も五分刈りの頭が冴えるハスも頷いた。
「ああ。フリージアも持ち主として天体望遠鏡のある三号車に乗りたいだろう。それに、アロエは元レーサーだ。私とカモミールよりも運転の腕は確かだろう。天体望遠鏡は固定しているが、万が一ということもある。最も運転技術のあるアロエが乗るのが筋だろう」
「く、くう……」
サクラコは珍しく説得力皆無だった。
「アロエあなた、もしフリージアに何かしたらタダじゃ起きませんから!」
「まあまあ、落ち着こう、サクラコ。ほら、もう皆乗るよ」
マリンコーデが爽やかなカモミールに宥められると、流石にしおらしくなるサクラコ。
「は、言ってろ言ってろ。おら、金髪、さっさと行くぞ」
「あ、はい……」
ズカズカと車に乗り込んでいくアロエに、黙って追従していくフリージア。
早朝。
大型ワゴン車三台をレンタルして、一同はフリージアの薦める山を目指した。
当初は日帰りの予定だったが、話を聞いたオダマキや、フリージアの希望と聞いて俄然やる気になったアベリアが首尾よく諸々を手配し、目的の山で一泊のキャンプをすることとなった。
オダマキ自身は、休日ではあるものの流石に社長職というアイバナ建設を任される責任ある立場上、同伴はしなかったが(当日、業務などそっちのけで意気揚々と怪しげなビデオカメラを片手に車に乗り込んでいた彼をサクラコが蹴り飛ばして置いていった)、チームBおよびCの数名が是非同行したいということで、参加者は総計12名という大所帯となった。
それでも、車は八人乗りが二台あれば人数上は問題ないはずだったが、一つに荷物が大変多くなったことと、もう一つにフリージアもといメンバーの強い希望で天体望遠鏡を積むこととなったため、八人乗り三台を運転手らとアベリアが話し合い、こう振り分けた。
一号車
運転 ハス 助手席 サクラコ 二列目 リナリア、ガーベラ 三列目 ギボウシ、アズサ
二号車
運転 カモミール 助手席 アベリア 二列目 ラナンキュラス、ナノハ 三列目 各人の荷物
三号車
運転 アロエ 助手席 フリージア 二列目以降 大変高価な天体望遠鏡
しかし、これが決まった際、いつもの紫色の地味なジャージ姿のサクラコは猛反発した。
「ちょっと、なんでフリージアとアロエが二人きりなんですか!」
「おやおやぁ? 妬いてるのかなあ?」
これから山だというのに、胸の開いた黒Tシャツにジーンズ生地のホットパンツ、さらに堂々とハイヒールを履いているアベリアはニヤニヤしている。
「ち、 違います! ただフリージアの身を案じているだけです!」
紺のポロシャツに深緑のカーゴパンツを身に着けていたアロエは、赤い前髪を、その良く鍛えられた腕を伸ばして手で弄りながらサクラコを睨んだ。
「あ? ったく、眠てえし、キャンプも興味ねえのに、どうしても運転手が必要ってアベリア姉が言うからわざわざ来てやったってのに。グダグダ言うな牛乳」
「ぎ、ぎゅ……牛乳ですって!? ほら、こんな下劣な男とフリージアを密室に閉じ込めるなどあってはならないことです!」
アロエと同じ紺色のTシャツから美しい曲線美を見せる胸のライン。グレーの綿パン姿のフリージアがサクラコを宥めた。
「い、いえ、サクラコさん、私は別に構いませんよ。アロエさんは悪い人ではありませんし……」
フリージアの言に、迷彩柄のジャケットを身に着けて、今日も五分刈りの頭が冴えるハスも頷いた。
「ああ。フリージアも持ち主として天体望遠鏡のある三号車に乗りたいだろう。それに、アロエは元レーサーだ。私とカモミールよりも運転の腕は確かだろう。天体望遠鏡は固定しているが、万が一ということもある。最も運転技術のあるアロエが乗るのが筋だろう」
「く、くう……」
サクラコは珍しく説得力皆無だった。
「アロエあなた、もしフリージアに何かしたらタダじゃ起きませんから!」
「まあまあ、落ち着こう、サクラコ。ほら、もう皆乗るよ」
マリンコーデが爽やかなカモミールに宥められると、流石にしおらしくなるサクラコ。
「は、言ってろ言ってろ。おら、金髪、さっさと行くぞ」
「あ、はい……」
ズカズカと車に乗り込んでいくアロエに、黙って追従していくフリージア。
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