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29話
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「ん?」とサクラコはリナリアのその発言にクエスチョンマークを浮かべたが、リナリアはとても満足げだった。
「サクラコ、これはね。姿勢の問題なの。向き合おうと思うか向き合おうと思わないかの思想の問題なの。だからサクラコはそれで良い。それがあるから、サクラコだし、私はサクラコが好き」
サクラコはリナリアの抽象的な発言に意図を掴みかねる節もあったが、どうせ前置きの話だと踏んでいたので、流すことにした。
「あら、結局、私に対する愛の告白をしにきたのかしら?」
「もう、その冗談良いから……」
リナリアはしかし、話が回りくどくなっていたことを自覚したのか本筋に入り始めた。
「私。私は、前言したような人物達にばかり出会って来た。仮にも世界的に有名なあの大学だよ? だけど、彼らはとても一元的だった。だから、私はガベちゃんとつるみ出した。あの、デビルブレインとか中二病みたいな名前で呼ばれる天才と。要するに私達は友達が居なかったの」
サクラコはそれを聞くと意外だとばかりに目を丸くした。
「へぇ。でもガーベラはさておき、リナリア、貴方はとても可愛らしいじゃない。男の子に人気があって良さそうなものだわ」
しかしリナリアはあっさり否定した。
「全然。私これっぽっちもモテなかったよ。それどころか小さい頃からずっと変人だって酷いいじめを受けてた」
サクラコはそれを聞くと、俯き加減に詫びを入れた。
「それは失礼したわ。まさか貴方にそんな過去があったなんて……」
だがリナリアはさして気にしている風でもなかった。
「別に。殴られたり蹴られたりとか、教科書を隠されたりとか、仲間はずれにされたりとか。そんなの一過性の事象じゃない。それにいじめを講じてきたのは彼らであって、私じゃない。問われるべきは彼らの品格。その矮小な人間性。だから私の品位には至ってダメージがない。確かに私は小さい頃から、すごく色々なことに興味を持って、色々なことに首を突っ込んだりした。だけど、ホントにそれだけ。たかだか一人の女児の興味関心が多感だからといって、それでいじめを講じるなんて研究対象にもならないレベルの脳でしょ? そう、そんな風に私は思ってた。だけどね、結局、成人に近しい年頃となり、世界的に有数な頭脳を持った生徒が集められたあの大学へ進学したから、品格の優れた人間ばかりに出会えたかというと答えはノーだった。だから、私は人間とはつまらないジャンクだと早期結論付けてしまったし、だからこそ、人間離れした、それこそ神か悪魔の様な存在へと視点を移行したかった。そんなときにガベちゃんに出会ったんだよ」
そして、リナリアは語りを続けた。
サクラコは静かに耳を傾けた。
「デビルブレインというフレーズは学内でも良く耳にした。それはプライドの高い学生が多いあの大学では当然と言えば当然のことだった。ガベちゃんは当時既に一学生ではなく、一教授と同等ぐらいの地位にいたらしい。文系の私からすれば良く分からない奇妙な実験に明け暮れているとのことだった。私はすごく興味を抱いた。噂には尾鰭がついているとは思っていたけど、色々なことに失望を抱いていた私には丁度良いゴシップだった。だから私はある日、ダイレクトにガベちゃんが根城にしていた研究室の戸を叩いた」
「サクラコ、これはね。姿勢の問題なの。向き合おうと思うか向き合おうと思わないかの思想の問題なの。だからサクラコはそれで良い。それがあるから、サクラコだし、私はサクラコが好き」
サクラコはリナリアの抽象的な発言に意図を掴みかねる節もあったが、どうせ前置きの話だと踏んでいたので、流すことにした。
「あら、結局、私に対する愛の告白をしにきたのかしら?」
「もう、その冗談良いから……」
リナリアはしかし、話が回りくどくなっていたことを自覚したのか本筋に入り始めた。
「私。私は、前言したような人物達にばかり出会って来た。仮にも世界的に有名なあの大学だよ? だけど、彼らはとても一元的だった。だから、私はガベちゃんとつるみ出した。あの、デビルブレインとか中二病みたいな名前で呼ばれる天才と。要するに私達は友達が居なかったの」
サクラコはそれを聞くと意外だとばかりに目を丸くした。
「へぇ。でもガーベラはさておき、リナリア、貴方はとても可愛らしいじゃない。男の子に人気があって良さそうなものだわ」
しかしリナリアはあっさり否定した。
「全然。私これっぽっちもモテなかったよ。それどころか小さい頃からずっと変人だって酷いいじめを受けてた」
サクラコはそれを聞くと、俯き加減に詫びを入れた。
「それは失礼したわ。まさか貴方にそんな過去があったなんて……」
だがリナリアはさして気にしている風でもなかった。
「別に。殴られたり蹴られたりとか、教科書を隠されたりとか、仲間はずれにされたりとか。そんなの一過性の事象じゃない。それにいじめを講じてきたのは彼らであって、私じゃない。問われるべきは彼らの品格。その矮小な人間性。だから私の品位には至ってダメージがない。確かに私は小さい頃から、すごく色々なことに興味を持って、色々なことに首を突っ込んだりした。だけど、ホントにそれだけ。たかだか一人の女児の興味関心が多感だからといって、それでいじめを講じるなんて研究対象にもならないレベルの脳でしょ? そう、そんな風に私は思ってた。だけどね、結局、成人に近しい年頃となり、世界的に有数な頭脳を持った生徒が集められたあの大学へ進学したから、品格の優れた人間ばかりに出会えたかというと答えはノーだった。だから、私は人間とはつまらないジャンクだと早期結論付けてしまったし、だからこそ、人間離れした、それこそ神か悪魔の様な存在へと視点を移行したかった。そんなときにガベちゃんに出会ったんだよ」
そして、リナリアは語りを続けた。
サクラコは静かに耳を傾けた。
「デビルブレインというフレーズは学内でも良く耳にした。それはプライドの高い学生が多いあの大学では当然と言えば当然のことだった。ガベちゃんは当時既に一学生ではなく、一教授と同等ぐらいの地位にいたらしい。文系の私からすれば良く分からない奇妙な実験に明け暮れているとのことだった。私はすごく興味を抱いた。噂には尾鰭がついているとは思っていたけど、色々なことに失望を抱いていた私には丁度良いゴシップだった。だから私はある日、ダイレクトにガベちゃんが根城にしていた研究室の戸を叩いた」
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