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第一章 出会い編
出会い編 最終話
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13.
駅から寄り道せずに真っ直ぐ帰宅すると、柊一郎は本をテーブルに置き一先ず帰宅後のルーティンを終わらせる。独り暮らしにしてはそこそこ広い部屋だが、物が多くその広さを活かせてはいない。しかし人を部屋に呼ぶこともない柊一郎には特に気にするような事でもなく、だからといって乱雑に散らかっているわけでもない。スペースごとにきれいに整理されていてどこに何があるのかも一目瞭然で、机にはPC、棚には昔から集めているゲームソフト、CD、DVD、フィギュアなどカテゴリ別に分けられている。むしろ好きな物に囲まれているこの空間が柊一郎は落ち着くのだ。
クローゼットにはスーツやそれに伴う小物等も丁寧に掛けられている。
柊一郎はルーティンを終わらせたあと、ラフな部屋着に着替えて部屋の真ん中に存在を主張しているソファーに座った。早速読んでみようかと、テーブルに置いた本を手に取って眺める。しかし、手が表紙を捲らない。ふと、店主の手が触れた事を思い出してドクン、と鼓動が跳ねる。綺麗な顔に綺麗な手。透き通るような白い肌、艶のある髪。それでいて、儚げなのに低い声。初めて交わした言葉。
「……マジか……」
自室であるということで気が抜けたのか、店主の事を思い出した途端に柊一郎の体は熱を持ち始める。元々一人で処理をする事はあまりなく、彼女がいた時も頻繁にしていたわけでもない。そういう雰囲気で意図して触られれば勝手に反応していただけで彼女たちに対して強く欲情したこともない。自分は性に対して淡白なのだと思っていた。
しかし柊一郎の中心は、店主を思うだけで熱を持ちズボンを押し上げている。こんな事は初めてで、戸惑いを隠せない。しかし一度湧き上がった熱を我慢できるほど枯れてもいない。柊一郎はチラリ、とテーブルにティッシュがある事を確認すると前をくつろげ、勃ちあがった自身を取り出した。
「……っ」
先程脳裏に焼き付けた店主を思い浮かべながら自身をそっと握ると、それだけで腰が重くなるような快感に信じられないというような気持ちになる。今までにないほど勃ちあがっている事に苦笑するほかない。ここまで成長してしまっては落ち着いて収めるなどできるはずもなく、柊一郎は自身を握ったままゆっくりと手を上下に動かし始めた。
「……っ、は……っ」
自身を愛撫しながら目を閉じて店主の事を考える。赤くなった顔、可愛かった。視線が合うことはなかったが、あの澄んだ瞳に見つめられ、名前を呼ばれる想像をするとゾクゾクと背中を快感が駆け抜けていく。
――色の白い細長い指が、柊一郎の自身に触れ優しく握り込んで、愛撫する――
「ッ、は……ぁ」
すぐに先走りが溢れ出し、グチュ、と卑猥な音と柊一郎の荒くなった息遣いが誰もいない部屋に響き、それがまた柊一郎の興奮を後押しする。
――服を脱がし、鎖骨を撫で、胸に辿り着きキュッと突起を抓むと店主の体が跳ねて小さく低い声が洩れた――
「ぁ……やば……っ」
久し振りだということもあるのかもしれないが、自慰を始めてからそうたいした時間も経っていないのに、腹の奥から込み上げてくる快感と熱に手の動きが速くなる。グチュグチュと水音が激しくなり、柊一郎の自身は今にも弾けそうになった。
――店主の小さくぷるんとした唇に口付け、舌を差し込んで掻き回す――
「ぅ……ぁ、ッ!」
柊一郎の体が硬直し、精液が勢い良く飛び出した。その後、どぷん、とぷん、と最後まで出し切ると、柊一郎は息を吐いてくったりとソファーに背を預ける。
「っ、はぁ……」
やってしまった、と思う。付き合ってきた女達とした時よりも何倍も気持ち良く、そして早かった。店主と口付ける妄想だけでこんなにも興奮してしまうなんて信じられない。
柊一郎は吐精後の怠さを残した体を起こし、ティッシュで自身に纏わりついている精液を拭い取ると溜め息を吐いて立ち上がり浴室へ向かった。
これで完全に確定してしまった、とシャワーの蛇口を捻りながら柊一郎は思う。別に最初から否定するつもりもなかったが、まさか自分が恋に落ちるなんて。それも相手は同じ男。柊一郎は頭からシャワーを浴び、また店主の事を考える。付き合えるだろうか。初めての恋を、ただ見ているだけでいいだなんて思わない。店主も女性が好きかもしれない。友達にならなれるかもしれない。しかしそれでも、柊一郎は諦めるつもりも友達という枠に収まるつもりもなかった。他人に対して初めて抱く想いを、この恋が敗れれば二度と抱く事はないであろうこの想いを、胸に生まれた小さな蕾を、咲かせて実らせたい。心に灯った暖かな光を大きく明るく照らしたい。
柊一郎は店主への想いを胸に、これからの事を考える。ゆっくり焦らずに、なんて性に合わない。のんびりしている間に見知らぬ誰かにとられてしまうかもしれない。そんな事は耐えられないと思いながら、シャワーを浴びたら本を読んで明日も古書店に行こう。そして、また本を買って。今度はもう少し話が出来るようにニャーにも協力してもらおう。そう、心に決めて、手早くシャワーを終えると本を持って寝室へと向かった。
こうして、恋を知らなかった柊一郎の長い長い冬が終わりを告げ、爽やかで暖かな季節を連れた風と共に柊一郎の心にも春が訪れたのだった。
駅から寄り道せずに真っ直ぐ帰宅すると、柊一郎は本をテーブルに置き一先ず帰宅後のルーティンを終わらせる。独り暮らしにしてはそこそこ広い部屋だが、物が多くその広さを活かせてはいない。しかし人を部屋に呼ぶこともない柊一郎には特に気にするような事でもなく、だからといって乱雑に散らかっているわけでもない。スペースごとにきれいに整理されていてどこに何があるのかも一目瞭然で、机にはPC、棚には昔から集めているゲームソフト、CD、DVD、フィギュアなどカテゴリ別に分けられている。むしろ好きな物に囲まれているこの空間が柊一郎は落ち着くのだ。
クローゼットにはスーツやそれに伴う小物等も丁寧に掛けられている。
柊一郎はルーティンを終わらせたあと、ラフな部屋着に着替えて部屋の真ん中に存在を主張しているソファーに座った。早速読んでみようかと、テーブルに置いた本を手に取って眺める。しかし、手が表紙を捲らない。ふと、店主の手が触れた事を思い出してドクン、と鼓動が跳ねる。綺麗な顔に綺麗な手。透き通るような白い肌、艶のある髪。それでいて、儚げなのに低い声。初めて交わした言葉。
「……マジか……」
自室であるということで気が抜けたのか、店主の事を思い出した途端に柊一郎の体は熱を持ち始める。元々一人で処理をする事はあまりなく、彼女がいた時も頻繁にしていたわけでもない。そういう雰囲気で意図して触られれば勝手に反応していただけで彼女たちに対して強く欲情したこともない。自分は性に対して淡白なのだと思っていた。
しかし柊一郎の中心は、店主を思うだけで熱を持ちズボンを押し上げている。こんな事は初めてで、戸惑いを隠せない。しかし一度湧き上がった熱を我慢できるほど枯れてもいない。柊一郎はチラリ、とテーブルにティッシュがある事を確認すると前をくつろげ、勃ちあがった自身を取り出した。
「……っ」
先程脳裏に焼き付けた店主を思い浮かべながら自身をそっと握ると、それだけで腰が重くなるような快感に信じられないというような気持ちになる。今までにないほど勃ちあがっている事に苦笑するほかない。ここまで成長してしまっては落ち着いて収めるなどできるはずもなく、柊一郎は自身を握ったままゆっくりと手を上下に動かし始めた。
「……っ、は……っ」
自身を愛撫しながら目を閉じて店主の事を考える。赤くなった顔、可愛かった。視線が合うことはなかったが、あの澄んだ瞳に見つめられ、名前を呼ばれる想像をするとゾクゾクと背中を快感が駆け抜けていく。
――色の白い細長い指が、柊一郎の自身に触れ優しく握り込んで、愛撫する――
「ッ、は……ぁ」
すぐに先走りが溢れ出し、グチュ、と卑猥な音と柊一郎の荒くなった息遣いが誰もいない部屋に響き、それがまた柊一郎の興奮を後押しする。
――服を脱がし、鎖骨を撫で、胸に辿り着きキュッと突起を抓むと店主の体が跳ねて小さく低い声が洩れた――
「ぁ……やば……っ」
久し振りだということもあるのかもしれないが、自慰を始めてからそうたいした時間も経っていないのに、腹の奥から込み上げてくる快感と熱に手の動きが速くなる。グチュグチュと水音が激しくなり、柊一郎の自身は今にも弾けそうになった。
――店主の小さくぷるんとした唇に口付け、舌を差し込んで掻き回す――
「ぅ……ぁ、ッ!」
柊一郎の体が硬直し、精液が勢い良く飛び出した。その後、どぷん、とぷん、と最後まで出し切ると、柊一郎は息を吐いてくったりとソファーに背を預ける。
「っ、はぁ……」
やってしまった、と思う。付き合ってきた女達とした時よりも何倍も気持ち良く、そして早かった。店主と口付ける妄想だけでこんなにも興奮してしまうなんて信じられない。
柊一郎は吐精後の怠さを残した体を起こし、ティッシュで自身に纏わりついている精液を拭い取ると溜め息を吐いて立ち上がり浴室へ向かった。
これで完全に確定してしまった、とシャワーの蛇口を捻りながら柊一郎は思う。別に最初から否定するつもりもなかったが、まさか自分が恋に落ちるなんて。それも相手は同じ男。柊一郎は頭からシャワーを浴び、また店主の事を考える。付き合えるだろうか。初めての恋を、ただ見ているだけでいいだなんて思わない。店主も女性が好きかもしれない。友達にならなれるかもしれない。しかしそれでも、柊一郎は諦めるつもりも友達という枠に収まるつもりもなかった。他人に対して初めて抱く想いを、この恋が敗れれば二度と抱く事はないであろうこの想いを、胸に生まれた小さな蕾を、咲かせて実らせたい。心に灯った暖かな光を大きく明るく照らしたい。
柊一郎は店主への想いを胸に、これからの事を考える。ゆっくり焦らずに、なんて性に合わない。のんびりしている間に見知らぬ誰かにとられてしまうかもしれない。そんな事は耐えられないと思いながら、シャワーを浴びたら本を読んで明日も古書店に行こう。そして、また本を買って。今度はもう少し話が出来るようにニャーにも協力してもらおう。そう、心に決めて、手早くシャワーを終えると本を持って寝室へと向かった。
こうして、恋を知らなかった柊一郎の長い長い冬が終わりを告げ、爽やかで暖かな季節を連れた風と共に柊一郎の心にも春が訪れたのだった。
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