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 想像もつかなかった、紅葉もみじさんの反応のおかげで、俺達はまだココにいる。

 カフェのセーフクとやらを着せられ、日中は注文を取ったり、店の手伝いの仕方を教わっている。

 コーヒーとかいう香ばしい香りのする黒い飲み物に、牛乳を入れたもの。サンドウィッチとかいう、パンに色々挟んだものが数種類…。マカナイとか言って、紅葉もみじさんに渡される。

「うちの人気メニューなの食べて説明とか出来るようになってくれると嬉しいな!」

 そう言われサンドウィッチを見る。

 最初に選んだのは、紅葉もみじさんが卵を細かく刻んだ中に、マヨネーズとかいう調味料と砕いた胡椒にオリーブオイルとやらを入れたもの。
 少し邪魔にならない程度の甘みつけに、グラニュー糖も入れてあるらしい。


 コーヒーとかいう飲み物も、黒いままだと飲めなかったけど、牛乳を混ぜると苦味が和らぐらしい。

 次に、牛の肉を蒸したもの…。紅葉もみじさんはローストビーフと言っていたけど、それを薄く切った肉と野菜、マヨネーズベースのソースがバランスよく挟まれたパンは美味しかった。

 次はベーコンとかいうのが、トマトやレタス、キュウリといった野菜に挟まれたものだった。これにもマヨネーズとかやらが使われているらしい。

 ピリッとした中に、野菜の甘味や、ベーコンの持つ塩分が複雑に絡み合い美味しい。

「なんかピリッとしたけど美味しい…」

 俺がそう言うと、からしバターを塗ってあるからだと教えてくれた。

 残すはじゃがいもにツナ、茹で卵にコーン。アクを抜いたタマネギスライスに塩と胡椒、またしてもマヨネーズとオリーブオイルも使われているらしい。
玉ねぎとコーン以外をマッシャーとかいう器具で潰してから混ぜ合わせ、味を整えたものを惜しげもなくパンに塗り挟んている。

 先に食べたらしい紫雫しずくに聞くと、「すごい美味かった…。マヨネーズってヤバイね…」

 らしくもなく、うっとりとした顔でそう語る紫雫しずく

 紅葉もみじさん曰く、うちのポテサラを挟んでみたら人気出た…とか言ってた。

 口にして見ると、パサパサしてるかと思ったじゃがいもや茹で卵は、オリーブオイルやツナ、そしてマヨネーズの水気の為か、想像していたよりしっとりしている。

 ツナやコーンの食材の風味が混ざり合い、たまのアクセントに玉ねぎの少しピリリとした味も、食感もすごく美味しかった。

「こんなもの…。食べた事ない…。みんなにも食わしてやりたかったな……」

 不覚にも、別れた皆を思い出した俺は、目頭が熱くなってしまい、俯いたままマカナイとやらを食べるのだった。

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