【本編完結】私のキャビンへようこそ!

皇ひびき

文字の大きさ
2 / 33
本編

1

しおりを挟む
 私はふと目覚めると、知らない小屋? 部屋? に一人でいた。

 こんな所…、見覚えないのに。キッチンと思い浮かんだ部屋には、四角い大きな箱があった。冷気が宿り食物を冷やすための物だと何故だかわかる。

『これは食材を火にかけるもの…?』

 冷蔵庫や…、大きな鍋やフライパン、近くに置かれたコンロと認識されたそれらを横目に、そんな事を考える。

『こんなものに見覚えも、名前すら知らないはずなのに…使い方や名前がわかるなんてどうしてだろう…』

 ベッドという寝具がおいてある部屋もある。
 そんな事を考えながら見ならぬ小屋を見回す。

 私の頭がテーブルと認識した台の上に、薄い長方形の形をした板が目についた。

「スマホ……? 何それ」

 よくわからないなりに触ってみると、わからない事を調べたり、地図を確認したり出来る優れた板の様だ。

「うーん…、自分の名前すら忘れてるのに、何を調べろというの…?」

 そう独りごちると、スマホという板と冷蔵庫の中の食料を、持ち歩ける程度のバッグを背負い込むと、ドアの前においてある靴を履き、玄関の扉を開いた。

 ドアノブをくるりとひねると扉が開き、一歩踏み出す。

「何これ…?」

 森と呼ばれるにふさわしい木々が覆い茂り、さっきまでいたはずの小屋への扉が消えていた。

 動物に襲われても身を守れる程の準備なんてしていない。

「どうしろって言うのよ……」

 泣きそうな気持ちになりながら、目の前に広がる光景を見ていると、頭の中に『ステータスオープン』そんな言葉が浮かび、追いかけるようにして口にする。

「ステータス…オープン?」

 光る画面が浮かび上がり、シフォン…、STR…、INT…といった書き出されている文字に目をやると、スキルと書かれた場所に全知…、キャビンオープンと書かれている。

 全知の説明を見ると、知りたいと思った事柄に対して有効らしいので、今はあまり役に立ちそうもない。

「あとはキャビンオープン……?」

説明に目を通そうと口ずさむと、目の前に扉が現れた。

『なるほどね~』と思いながら小屋への扉を通り、武器になりそうなものを身に着ける。再びドアをくぐり抜ける。

 一応薬草とか見つけたら採っとくべきかな? そう思い、外に出るとスマホなるものをカバンから取りだし触ってみるものの、うんともすんとも言わない。

 もしかしてと思い、キャビンに戻り再び中で触ろうとすると問題なく動く。

「室内限定って事か…、薬草は……っと」

 スマホをテーブルの上に置き、再びドアを開く。


 薬草の名前を意識すると周りにある雑草と区別化されるのか薬草の在り処にアイコン表示がされるみたいだ。

「薬草って検索じゃ出ないか~。まぁ当たり前だけど」

 …などと、周りを見渡して見るとさっきより増えたアイコンを黙々と丁寧に集めて行く。

「採りすぎたけど何処かで売れればいいのになぁ。あれ…? でもカバンの容量おかしくない? かなり採ったよね…」

 カバンを見つめていると、時間経過なし、アイテムボックス。

 そんな説明が見える気がするのは気のせいだろうか。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。

ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」 その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...