上 下
48 / 50
番外編 SS

ハロウィーンってなに? (ロゼ視点)

しおりを挟む
 今日はボクも樹里じゅりさんの車で、商店街やショッピングセンターでお買い物。
 ボクはお家でゲームとかしてるから、まだ数回しか付いてきたことがなかった。

「ねぇ、あのオレンジ色のかぼちゃの飾り? アレなんだろう…」

「ハロウィーンね」

 サラリとさんが教えてくれる。

「宗教的意味あいがあったはずなんだけど、日本じゃ、お祭りって感じかな」

「ふぅん」

 つけたすように樹里じゅりさんが言う。


「確かお菓子くれないとイタズラしちゃうぞとか言うのよね。 面白そう」

 詩紋しもんも口をはさむ。

「もう、無茶言わない! 樹里じゅりさん困っちゃうでしょう!」
 そういうのはせつ

「かぼちゃ祭りみたいなっちゃうけど、やって見る?私もやったこと無いのよね。スイーツ買うくらいで…」

「でも締め切り近いって、言ってませんでした?」

 そう言うと考え込むせつ

「私達で準備してみたらどうだろう。日頃の感謝を込めてご飯やお菓子作るの!」

「ボクやってみたい。駄目? 樹里じゅりさん?」

「そうね。 やってみようか? そしたらおばけとかの可愛いクッキー型とか欲しいなぁ。仕事落ち着いたら手伝うね?」

 少し考えて必要そうな材料を買い込むボク達。カボチャやおばけの可愛いクッキー型も買った。

「ねぇ、カボチャのプリンの飾りにクッキー使ったら、樹里じゅりさん喜んでくれるかな…」

「じゃあ、クッキーはロゼに任せようかな」

 ポソリとボクが言うと、せつが同意してくれた。
 当日が楽しみだなぁ。
 そんな話を千鶴叔父さんにしたら、当日の衣装は任せてってにこやかに消えてった。叔父さんは樹里じゅりさんの衣装を作りたがるけど、せつにいつも止められてる。

 お祭りなら変な洋服作んないかな。 
 そんなボクの考え事をヨソに、せつがケージに寄ってきた。

 今日も負けない!最近のせつ詩紋しもんは、ボクのブランコを揺らすのか楽しいらしい。
 ボクだって振り落とされない様に必至。
 どんだけ揺らすんだよ!たまにボクの尻尾がケージに当たってささくれる。
 怒るボクを笑って振り回す。

 またボクがブランコに乗って、振り落とされない様にスタンバイしてないのに、ブンブンと揺らすんだ。
 まだ早いとボクはカルルルと怒る。
 樹里じゅりさんは苦笑いしてるけど、ボク達が楽しそうだからと見守ってる。
 楽しくなんてないと思いつつ、せつ詩紋しもんがジリジリとケージに寄って来ると、ついブランコに乗ってしまうボクは本当に負けず嫌いだなぁ。
 ドMだなぁなんてみんな笑うけど、いつかせつ詩紋しもんにもやってやる。
 きっとボクと同じ反応をしてしまうに違いない。

 ボクは、そんないつも通りの夜を、過ごしながら、ハロウィーンのパーティーはどんなのだろうと夢を見るのだった。
しおりを挟む

処理中です...