【完結】初めて好きになった貴方…

皇ひびき

文字の大きさ
7 / 19
本編

5

しおりを挟む
 ヘルメスも背後を取るようにしてダガーと氷魔法を発動して、敵の体力を減らしていく。マジェスティは支援魔法をかけつつ、魔法を駆使して的確にダメージを与えていく。

 私も応戦すべく片手剣を構え、攻撃を加えていく。

 敵からの攻撃は運よく、外れた際に、剣を地面に叩きつけてしまったせいで、目の前で敵の手にする剣が折れてしまう。

 ラッキーだと思いつつ、コボルトの息を止める。こうしてやっと、血を浴びながら敵の殲滅をし、一息つく。返り血を浴びて血みどろの鎧が気にはなるけど、まだダンジョンにこもって間もない。『水浴びしたいな…』そう思っていると、マジェスティか何やら呪文を唱え、仲間たちの浴びた返り血が綺麗に消えていった。

「マジェスティ、ありがとうございます。気持ち悪かったので助かりました」

「ふふふ。わたくしだけ綺麗にするより、みんなまとめて綺麗になった方が気分的にもいいでしょう? また汚れたら、わたくしが汚れを落として差し上げますわ」

 そう言ってマジェスティは笑った。

「ありがとう助かるわ」

 そんな話をしながら宝箱へと近づくと、「今度はボクがやるね」といい。スパロウが罠の有無と鍵の解除を担当しているようだ。

 中にはマントと指輪か入っている……。 

「呪いのアイテムかわからないから、すぐには使えないね…」

 ネーレウスがそういうので、「簡単な呪いに関しては確認できるわ」と伝え魔法を使う。

 単純なカース呪いなら見分けられるので、指輪とマントにカース呪いがかかっていないかを確認する。

 複雑に組み込まれたカース呪いは、教会に行って鑑定してもらっても難しい。

 大枚を払うより、目先の 装備アップの為に、アイテムを確認すると、以前教会で働いていた時に取った、鑑定のスキルと同時に発動する。

「指輪は歩く度に、微妙に装備者の体力を回復出来るみたいですね。マントは……。装備者の意思でガーゴイルに変身出来るマント…、みたいです。パッとみた感じは、呪いはないようですが……」

「戦闘力や防御力も変身中は変わるのか?」

 ヘルメスが珍しく食いついてきたので、「恐らくは…」とだけ答える。


「もしモンスターにも認識されないなら、偵察にも使えそうだから、俺が持っていて良いか?」

「構わないが……」

 オイジュスがいいならと、ヘルメスがガーゴイルクロークなる物を持つ事になった。

「可愛い指輪だし、指輪はあたしが欲しいわ! 戦闘職にはぴったりだし! ミリアムは滅多に当たらないでしょう?」

「ワシは構わん…」

「俺もいいんだが…」

 そう言い私に視線を送るオイジュスだけど、私は自分で治せるし、普段あまり怪我をしない事もあり、あまり必要性を感じなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

地獄の業火に焚べるのは……

緑谷めい
恋愛
 伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。  やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。  ※ 全5話完結予定  

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!

ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」 それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。 挙げ句の果てに、 「用が済んだなら早く帰れっ!」 と追い返されてしまいました。 そして夜、屋敷に戻って来た夫は─── ✻ゆるふわ設定です。 気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。

彼女の離縁とその波紋

豆狸
恋愛
夫にとって魅力的なのは、今も昔も恋人のあの女性なのでしょう。こうして私が悩んでいる間もふたりは楽しく笑い合っているのかと思うと、胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちになりました。 ※子どもに関するセンシティブな内容があります。

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

みんながまるくおさまった

しゃーりん
恋愛
カレンは侯爵家の次女でもうすぐ婚約が結ばれるはずだった。 婚約者となるネイドを姉ナタリーに会わせなければ。 姉は侯爵家の跡継ぎで婚約者のアーサーもいる。 それなのに、姉はネイドに一目惚れをしてしまった。そしてネイドも。 もう好きにして。投げやりな気持ちで父が正しい判断をしてくれるのを期待した。 カレン、ナタリー、アーサー、ネイドがみんな満足する結果となったお話です。

記憶を無くした、悪役令嬢マリーの奇跡の愛

三色団子
恋愛
豪奢な天蓋付きベッドの中だった。薬品の匂いと、微かに薔薇の香りが混ざり合う、慣れない空間。 ​「……ここは?」 ​か細く漏れた声は、まるで他人のもののようだった。喉が渇いてたまらない。 ​顔を上げようとすると、ずきりとした痛みが後頭部を襲い、思わず呻く。その拍子に、自分の指先に視線が落ちた。驚くほどきめ細やかで、手入れの行き届いた指。まるで象牙細工のように完璧だが、酷く見覚えがない。 ​私は一体、誰なのだろう?

冷たい王妃の生活

柴田はつみ
恋愛
大国セイラン王国と公爵領ファルネーゼ家の同盟のため、21歳の令嬢リディアは冷徹と噂される若き国王アレクシスと政略結婚する。 三年間、王妃として宮廷に仕えるも、愛されている実感は一度もなかった。 王の傍らには、いつも美貌の女魔導師ミレーネの姿があり、宮廷中では「王の愛妾」と囁かれていた。 孤独と誤解に耐え切れなくなったリディアは、ついに離縁を願い出る。 「わかった」――王は一言だけ告げ、三年の婚姻生活はあっけなく幕を閉じた。 自由の身となったリディアは、旅先で騎士や魔導師と交流し、少しずつ自分の世界を広げていくが、心の奥底で忘れられないのは初恋の相手であるアレクシス。 やがて王都で再会した二人は、宮廷の陰謀と誤解に再び翻弄される。 嫉妬、すれ違い、噂――三年越しの愛は果たして誓いとなるのか。

処理中です...