【完結】初めて好きになった貴方…

皇ひびき

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本編

番外編(ヘルメス視点)

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 俺の中にあったダークエルフというどうしようもないしがらみを、ミリアムが外してくれた。

 俺にとっての負い目であり、コンプレックスであった種族というもの。

 そう言う枠から外れて見ると、ミリアムは実に可愛らしい。ダークエルフという種族だからこそ、見下されると思っていたのに、正体を知っても、彼女は変わらなかった。

 それどころか、ありのままの俺を受け入れて、頬を染めながら微笑みかけてきて、愛してくれていると実感できる。

 そんな事をされて惹かれない訳がないのに、彼女は魅了の悪影響なのか、自分の評価に対して無頓着過ぎる。


 どうしたら、俺も君に惹かれているのだと伝わるのだろうか。いつになく彼女へと意思表示はしてみるものの全く気づかれていないみたいだ。

 挙句の果てに、魅了にかかっているはずのオイジュスやネーレウスにまで「ミリアム自分の事には鈍いよな。頑張れ…」と、憐れむ様に応援される始末。

 料理をしていれば、「美味そうだな」とあーんをさせてみるも、素で単なる味見だと思っているみたいだ。

 自分がモテると自覚がないらしい所は、愛らしいと思うのだけど、フードを外すだけで、すぐに人をたらし込む。無自覚なだけに、質が悪い。

「値引きも得意なんです」  

 なんて言い出すけれど、その技量を使う前に、一般の商人なら無自覚にたらし込んで、値引きどころか「差し上げます」と言わしめる彼女。

 俺の命を救ったレイティア様との契約も、気にしてはいる様だが、口には出さない。けれど、彼女なりになにか考えているらしい。

 正直、命を盾に奴隷のような扱いをされてもおかしくなかったと思う。そんな女性だったなら、心置きなく恨んでいただろうと思う。

 実際に今こうして生きていることが、正に奇跡のようなものだ。

 けれど彼女が善良なのだろう。俺に好意を持っていそうなのに、「私の事は好きにならなくても仕方ない」とそういう。

 いつか俺だけを見て、愛していると言わせたい。そして俺も義務感ではなく、ミリアムを愛していると彼女に認めさせたい。

 きっとそんな日を迎えられる様に。俺は信じてもらえなくても、愛をささやく。行動でも示していくつもりだ。

 けれど、顔を真っ赤に染めつつ、「誤解しちゃうから、そういうのはやめて」と言う。

 誤解じゃないから、やめられない。君が認めてくれるまで、誤解じゃないと示し続けるしかないのだろう。

 頬を染めた愛らしい顔は、俺だけに向けて欲しい。多分ミリアムにしてみたら、他愛もない事でも伝え続けるよ。

 だから、覚悟をしていて。俺はいつでも君を逃さない。俺に生きる事全てを、本気にさせた君。きっと君が逃げ出す事をいつだって俺は許さない。

 まだまだ先は長そうだけど…。きっと、長い時間をかけて、君に気づかせて見せるから、いつか俺に愛されていると、逃げる事は叶わないと覚悟を決めてね。
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