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唐突に始まり唐突に終わる(ベリベリショート)
しおりを挟む...やっと、やっとこの日が来たっ!!
唐突ながら、ちょっと僕の話を聞いて欲しい。ここレオンブルク帝国の国民達は、毎年魔王軍の進行に日々脅えながら暮らしていた。
何か、この脅威を断ち切り、国民たちの恐怖の種を一括で払拭できる武器が作れれば...と、国のお偉いさんたちは毎日苦悩していた。
...そんな中、ついに人間はやったのだ。魔王軍に対抗できうる力を手に入れたのだ。それが聖剣。
そしてその聖剣を手に、勇敢に魔王軍に立ち向かう聖剣勇者を決めるための選考トーナメントが行われた。無論、優勝者が勇者になれる。
そしてそのトーナメントにて、僕は優勝した。100万を超える猛者達も参戦する中、勇者になるための切符を手にしたのだ。
「騎士ヴィンセント·N·カウよ。そなたの選考トーナメントにおける勇敢な舞を、私達はこの目でしかと確認した。そなたは今日より、聖剣勇者ヴィンセントとなるのだ」
ワァー!!パチパチパチ...
群衆は皆歓声を上げ、勇者の誕生を心から祝福した。...よっしゃ、よっしゃあああああ!!
「...では、こちらに来るが良い。国王からの聖剣の贈呈を執り行う...勇者ヴィンセント」
「はい」
「...儂も貴君の見事な戦闘を鑑賞させてもらった。この国を救い、魔王を屠りし勇者の誕生を記念して、この聖剣を贈呈しよう」
刀身はまだ見えないが、柄の部分や装飾から、相当凄いものなのがわかる。そしてなにより少し重いのがその"凄み"をさらに増幅させた。
「...この身に余る光栄、その役目、必ず完遂してまいります」
「...うむ」
「...では、これより勇者ヴィンセント殿の祝福の晩餐を執り行う」
こうして裏にとおされ、豪華な晩餐を頂いた。
「では勇者ヴィンセントよ、聖剣の本当の贈呈を行おう」
...実はセキュリティ面を考えて民衆の前では偽物の聖剣が贈呈された。...まあ、勇者が秒で殺されて盗まれたりしたら、大変だもんね。
「ほれ、聖剣じゃ」
「有り難き幸...せ...?」
...なんか、軽くない...?
「国王陛下、つかぬ事をお伺いしますが、これは聖剣ですか?」
「ああ、聖剣もどきだ」
「おお、こんなに軽いもの...聖剣もどき!?陛下、ということは...」
「...ああ、それはただの鉄剣じゃよ、鉄剣」
「はあぁ!?」
聖剣の授与は!?せっかく優勝したのによ!!ああん!?と、心の中では喧嘩腰な勇者である。
「聖剣は!?陛下、聖剣は頂けないのですか!?」
「何を言っておる勇者ヴィンセント。そなたは国を救う勇者であるぞ!!」
「そうです!!だからこそ、魔王を屠るための聖剣を...」
「勇者ヴィンセントよ、貴君は金がない農民から多額の金を集るか?」
「は...?集り、ませんけど...」
「つまり、聖剣はあくまで作れるというのがわかっただけ!!我が国はまだ、材料不足で聖剣を作れておらぬということじゃ!!ないものは贈呈できん!!」
「は、はあああああ!?」
...力尽きた..._(´ཫ`* _)⌒)_
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