転生するにしても回りくどくありませんっ?!

あたまんなか

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天使??登場

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ー みさ…お…ま… みさ…さ…ま… みさおさ…

 ん、んん~

ー みさおさ…ま… みさおさま…

‥‥なんだか呼ばれてる気がする… けどそんなハズはない… だって、わたしは死んだのだから…

ー みさおさま… みさおさま… 美紗緒さま

‥‥‥ は、はいっ!? えっ!? わたしっ!?

勢いよく目を開けた! もう開くことはないと思ってた目が、なにも見えることないって思ってた目が、
開いたと同時に目の前に真っ白と真っ黒の世界が広がっていた…
厳密には 半分真っ白で半分真っ黒な世界…
陰と陽を表すマーク(太極図)のようにわたしの視界の上の部分と下の部分でその白と黒が混じりあってるように見えた…
もっと言うならわたしに見えてる世界以外のなんにも見えなかった
自分の右手を動かしてその方向を見てみるけど なんにも見えない 左手にしても足にしてもそうだった
つまりわたしには視界しかなかった…
あ、でもこうして考えることはできてるんだから思考もあるってことか…

わたしは辺りを見まわして声の主を探してみるけど見つからない キョロキョロあちこちを見ているわたしにまたあの声がした

ー 美紗緒さま どうやらお目覚になられたようですね…

どうやらその声はわたしの真上から聞こえてるようだ
わたしはゆっくり視線を真上に動かすと、そこには…
白い煙のような雲のような立体感だけがある気体が漂っていた

(なんだろ? これは? これが声の主?)

ー 美紗緒さま あなたに見えているのはわたしのイメージ あなたがわたしをどうイメージするかによってわたしの姿も変わります

なにを言っているのかわからなかったし 理解しようとも思わなかった だって状況が飲み込めなかったし、なによりわたしは死んだハズだから…んっ?
死んだ…? ってことはここは死後の世界!?

(もしや あなたは天使なの?? それとも死神!?)

死んでるのに今更死神もないか‥‥じゃあやっぱり天使‥‥?
わたしがそう思ってさっきの気体を見てみると…
みるみるその気体の形が変わっていき 真っ白いスーツを着て背中に羽が生え 黒いステッキに、白いシルクハットをかぶった天使と思わしき姿があらわれた

(へぇ~ 天使ってスーツを着てるんだ!)

その姿を見たわたしは思った

ー これは美紗緒さまが想像した姿であってそれぞれのイメージで変わります よって美紗緒さまが見ているわたしの姿はあくまでも美紗緒さまのイメージの姿です

なるほど、そういうことか
さっきの天使?の説明が今ようやく飲み込めた
じゃ、こういうことかな? わたしが関西弁の天使をイメージすればそうなるとか?

ー そういうことでんな~ 美紗緒さま飲み込み早いでんな~

アハハハ 可笑しい! んじゃ容姿もわたし好みにイメージできちゃうんだよね?

ー そりゃそうやけど ちょっと遊び過ぎとちゃいますか~?

関西弁とぴったりなお笑い芸人風をイメージすると まさにイメージそのままの姿になる!

(で、なんの用なの? もうわたしは死んでるんだよね? それともこうやっていつまでもわたしに構ってくれるの? 死後の世界って?)

いくらおもしろいことを考えて それが目の前で具現化されたところで姿のないわたしにはなんの干渉もアクションも起こせない もうわたしとしての存在は意識のみってことなんだろう

ー 大事なことやから ちゃんと聞いてやー?

ここからは関西弁のイメージはなんか違うと思ったわたしは執事のようなイメージを持とうと努力した
どうせならイケメン執事で話してもらおうじゃないの!

ー かしこまりました 美紗緒さま… 
美紗緒さまは2025年10月02日に享年61歳でその人生を終えました ここ最近の傾向ですと少しお早く感じます

へぇ、わたしが死んだのって10月02日だったんだ
二週間くらい入院してたのね…わかんなかった…
わたしも早いって思うけど 病気だったからね、
なにも死にたくて死んだわけじゃないし

ー 実のところ、美紗緒さまはわたしが運ぶ魂の一億魂《いちおくこん》目になりました!!

あぁ、わたしのこの状態は〈魂〉なんだ…
そっか、なんか納得…

ー つきましては わたしの運魂《うんこん》一億魂記念に美紗緒さまの望みを叶えてさしあげようと思いまして… なにがお望みでしょうか?

え? いきなりなに? この展開?? そんなのすぐに思いつくハズもないし… そもそも望みってなに? 美味しいもん食べたいとか魂の状態じゃ意味ないし!
今のこの状態で望みもなんもないよ?

まあ、心残りならあるけど…
孫の智《とも》くん… ううん智くんだけじゃない、孫たちの成長をもう少し見たかった
わたしのこと大好きって言ってくれた智くん…
まだ小さな みゆちゃん、りんちゃんたち
夫や子どもだって気になるけど もうそれぞれ大人なんだし 自分たちでがんばれるだろうけど…
孫たちはね…

ー なるほど、そういうことでございますか…
かしこまりました もちろん叶えることは可能ですが…

わたしが天使に話しかけようが思っていようが関係ないのね… なんもかんも筒抜けなんだ 魂ってそういうもんなのね…

(孫に会わせてくれるの? どうやって?)

ー お孫さんが誕生するのに最低限必要な分岐点までお連れすることができます そこで美紗緒さまの努力でお孫さんたちと再会することが可能になります

わたしの努力で‥‥‥? どういうことだろ

ー はい、さようでございます いかがなされますか?

もう一度あのかわいらしさを愛でれるのならどんな努力も惜しまない!

(それって孫を見るだけじゃなく 抱っこしたり、抱きしめたりもできるの?)

ー もちろんでございます 

だったら断る理由はわたしにあるわけなかった!
智くん、みゆちゃんたち、おばあちゃんはあなた達を抱きしめるためならなんだってやるぞ!!

(でも 孫たちを抱きしめられる肉体がないよ…)

ー もちろん肉体は必要です ちゃんと美紗緒さまの肉体はございます ご安心を

まあ なんか考えてんでしょ… 天使なんだし
でも生き返ったりしたらなんか怖くない?
あんなにみんな泣いてお別れしたのに… お医者さんもびっくりするだろうな…
なんて言って生き返ろうかな‥‥?
『ただいまー!』とか、『うそだよーん!』とか?
どっちにしてもびっくりさせちゃうだろうな…

ー なにを考えてるのか知りませんが美紗緒さまが想像しているような事態にはなりませんのでご安心を

(だったら迷いはないわ! かわいい孫たちをもう一度抱きしめられるなら一億魂目の特典甘んじて受けます!!)

ー かしこまりました それではわたしが運ぶ魂の一億魂目の記念特典としての美紗緒さまのお望み、しかと承りました!!

なにがどうなってるのかわからなかったけど おそらくわたしはついていたってことだろう
天使がわたしなんかを担《かつ》ぐとは到底思えなかったし わたしなんかを担いだところで無意味だ
あとは どういった手段か?ってことだった

ー そちらにつきましては先程も申し上げましたように お孫さんたちが誕生するのに最低限必要な分岐点まで美紗緒さまをお連れ致します

いまいち意味がわからないんだよね、大丈夫かな? この天使…?

ー きっと経験のないことなので意味がわからなくても当然です 目が覚めた時点で全てを把握することになるでしょう

話しかけていようが思っていようが筒抜けなの本当にめんどくさい… って思っているこれも筒抜けなんだよね…

ー ただし、いくつか注意点があります これを守られない場合は お孫さん達にに会えないだけではなく 人類の未来に関わる恐れがありますのでご注意ください

ちょっと…もっと意味わからないこと言ってるよ…
孫に会いたいからちょちょいって生き返らせくれるだけじゃないの? 

ー そんな簡単なわけありません 物事には順序ってものがございます 美紗緒さまが気づいていようがいまいが美紗緒さまの人生が他人の人生に影響を与えている場合も多々あるのです
美紗緒さまの望みを叶えるにあたってきっちりと認識してもらわないといけない点がございます

だったら早くそれを言いなさいよ! わたしはさっきも言ったように孫ちゃんたちに会うためには迷いはないんだって!

ー わかりました それではまずご確認を…
美紗緒さまはお孫さんたちにもう一度会いたい、抱きしめたい、と言うお望みでお間違いないでしょうか?

(間違いない! 間違いない!! 何度も言ってるでしょ!)

ー これからわたしが美紗緒さまをお連れするのは お孫さんたちが誕生するのに最低限必要な分岐点までです そこから美紗緒さまはお孫さんたちに会うために生きて行ってもらうわけですが、ここで更に大切な注意点がございます…

もうめちゃくちゃめんどくさく感じてきた…
どんな試練があってもかわいい智《とも》くんたちに会えるんだからがんばるって言ってんじゃん!
あ、でも試練って痛いのとか苦しいのとかは困るんだけど…

ー 大丈夫です、痛みは伴いません 肉体的には…

なにを考えても筒抜けってのは説明しなくていいのは楽だけど なんかやりにくいな

(で? その注意点は?)

ー 美紗緒さまが本来の望みを叶えようとしない行動に出てしまった場合に少々やっかいなことになります

ん? どう言うことなんだろ…?

ー つまり、お孫さんが誕生しない世界線へと導こうとした時のことです そうなってしまいますと世界の秩序が崩壊するだけでなく お孫さんたちもお生まれにならないことになってしまいます

それはない、いったいどういうことなのかわからないけどそんなことあり得ないし、あってほしくない!

(具体的にどうすればいいのか教えてくれないの? あれしちゃだめ、これしちゃだめ!とか?)

ー それはわたくしからは申し上げることはできません… 望みを叶えるためのルールですから… 美紗緒さまはご自身で考え、行動することが求められます

ほんと、なにさせられるんだろ…? 痛くないって言ってるからそれだけは信じておこう

ー それともう一つ…

まだあるの…?

ー あります、美紗緒さまは人生において人類の行く末を担う人物三人と接触がありました
その方たちには必ず接触し生前と同じように接していただく必要があります

‥‥‥は、はあ????? なにいってんの?
今まで以上に意味わかんないんだけど…?

ー 今はわからなくて当然だと思います 美紗緒さまはこれまでと同じように生きて下さればそれだけで結構です それ以外は多少の誤差は許容される範囲ですので 押さえるべき点をきっちり押さえていただければ問題なくお孫さんたちに会える未来が待っています

もうなんでもいいよ 孫ちゃんたちに会えるんならやります! やりますともっ!! あの無垢な愛らしさをもう一度抱きしめれるんなら わたしがんばるっ!

(でも、それってなにかわかるようにはなってるの? 出会うべき三人に会えたのか、とか?)

ー そうですね 誰になにをすれば、までを教えることはできませんが 美紗緒さまがその方たちに接することができて条件を満たせた場合はなんらかの形でお伝えすることとします

よし!少しはこっちの条件も飲ませることができたぞ、と

(もうなんか伝えておくことはない? なにされるのかわからないけど どうせやるなら早いとこやっちゃってほしいんだけど?)

ー わかりました もし、まだなにか大切なことを伝え忘れてましたら 都度お伺い致します

なんだ、これるんじゃん… だったら全部教えてくれりゃいいのに…

ー それはできません こちらの不手際の場合以外の介入はできないことになっておりますので

そちらにとって都合のいいことばかりだけど わたしの望みのため… その望みすらも叶えれるかはわたしの意思にかかってるらしい
おまけに人類の存亡とかまで…
それでもやるしかないと思った、がんばるに値することだと思った
愛するみんなにもう一度会えるんだから…
なにが待ち受けてても わたしはわたしを信じる!

ー それでは美紗緒さま… 目を閉じて、無心になるのです… 無心に…

目なんてあるのかな? でもまあ最初は目を開いた感覚があったから 閉じることもできるだろう…

ー 無心でお願いします… 無心で…

わたしはそっと目を閉じ無心になるよう努めた…
イケメンの執事も、周りの白と黒の景色もすべてを消し去ろうと… そうすればそうするほどなぜだか愛しい家族の姿が思い出された… 夫や子どもたち… そしてわたしの望みの孫たち… それもいつしか靄《もや》の中に隠れるように朧げになり…
やがて 消えていった………


ー さぁわたしにできることはここまでです あとは美紗緒さま ご自身の力で望みを叶えてください ー






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