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振り返る
しおりを挟むとりあえず現状やらなきゃいけないことはこなして家を出た、はず…
一歩外へ出て振り返る 懐かしい我が家…
祖父母が亡くなって最終的にはそっちに引っ越してたんだよね、その頃わたしはもういなかったけど…
駐車場に停まってるクルマに目が行く
(あーあー、これ乗ってた!! めちゃくちゃ懐かしい…。 確か⋯) そっと助手席側の方へ回り込む
後ろのドアのとこ、まだ傷はないんだ⋯ いつだったか忘れちゃったけどわたしが怒って鞄振り回した時に傷つけちゃってめっちゃ怒られたことあったな
まだ傷ないんだったら そこは気をつけておこう…
おっとゆっくり感傷に浸ってる場合じゃなかった!!家は逃げない!!わたしは家を後にした
学校までの道程すらも懐かしかった
そりゃそうだ今見てるのは昭和53年の景色
令和じゃ殆どの景色が変わってるんだろうな
そういうわたしもこの家から両親が引っ越した後は訪れることなかったけど
なんだかやっと一人になれた気分
なにをなにから考えたらいいのかわかんない
考える暇なんてないくらいやらなきゃいけないことが押し寄せてきてたし、最低限の理解でなんとか現在《いま》があるって感じだし、とりあえず今のうちにちょっと整理しておかなきゃ…現状を!
まず…、わたしが中学2年生の頃に戻ってるってこと!
なによりも現状が大切!!
少なくともその当時のわたしじゃないよね?
だってわたしには人生最後までの記憶があるから…
なのに、いま現在のわたしは中学2年生
夢? 妄想? 現実?? こういう状況ってなんて言うんだ?? 若返りとかじゃないし、タイムスリップっていうのとも違うよね?
もしかして転生? 人生やり直せ的な…?
え、でもどうしてやり直せ、なの?
なんかハッキリしない靄《もや》のようなもんが頭の中にかかってる気がするー…
それ以前にわたしは死んだんだ…
60歳の時に受けた人間ドックで癌が見つかった
もう少し早く気づければ、とお医者さんに言われたのを覚えてる
わたしも5年毎に人間ドックには申し込んでいたけど、まさかその受けない間に癌が発症してたなんて思いもよらなかった
癌の進行は早く、わたしは62歳を迎えることが出来なかった
いよいよってなって入院したのが9月の中頃だったまでは覚えてるけど、そこからは意識が朦朧として何日間入院してたのか、もっというと何月何日なのかわからない状態で最後を迎えた
自分がいつ死んじゃったのなんてわかんないハズなんだけど、なんだか10月02日だったような気がする…
それも誰かに教えてもらったような気が⋯
⋯それとも、そんなことなく全部【夢】!?
それとも妄想!? えっ、待って、ホントそうかも!? 一度死んでるとかありえないし、なんなら生まれ変わりや転生なんてのもありえない!
だってわたしのことはわたしだからわかって当然だし、壮大に寝ぼけてて夢で見た世界と混同してるだけって考えたら全部辻褄が合う!!
わたしが結婚してたとか、子どもがいたとか、なんなら孫がいたとか…って⋯そんなこと ある? ある?
⋯⋯⋯それが、結構しっかり記憶がある…
夫の【継人《つぐと》】、娘の【舞《まい》】、息子の【瞬《しゅん》】、孫の【智希《ともき》】、【未結《みゆう》】、【凜花《りんか》】…
これだけはっきり言える、思い出せる
こうやって思い出してるだけで胸が熱くなる…
涙がこみ上げる… なのに『夢』な訳ないよね…
ごめんね、みんな…『夢』だなんて…
現在《いま》には確かに存在しなくても みんなと一緒に過ごした未来は確かに在った!
そうだ⋯ そうだよ! わたしは、ともくんに会いたいんだ! みゆちゃんに会いたいだ! りんちゃんに会いたいんだ! だから きっと そのためにここにいるんだ!!!
大切なこと…思い出した…
忘れてたんじゃなくて、思い出したんだ…
白と黒のハーフな世界⋯ 魂のわたし…
真っ白な天使⋯ わたしのイメージなんだけど⋯
その天使との会話⋯ 思い出した途端全部綺麗に繋がっていく
「わたしは孫ちゃんたちに再び会うために現在《いま》ここにいるんだ…』
いつの間にか立ち止まってた
誰もいない通学路、他に動く物のない世界はまるで止まっているかのようだ
ギュッとこぶしを握る
慌ただしい朝の時間のハズなのにほんの一瞬自分の居場所を感じたくなった…
時折吹く心地よい秋の風が 時間が流れていることを感じさせてくれる
頭の中でいろんなものが繋がっていく感覚
ほんの少し身震いがわたしを襲う
孫たちに会うためにはいくつかの決められごとがあった… それらをひとつひとつ思い出す
わたしが道を外すな、ってのと、関わらなきゃいけない人物が3人いる、ってあまりにも漠然とした情報くらいしか思い出せない…
どれもこれもわたしが同じ様に生きていれば問題ないなんて簡単に言ってたけれど なにが同じなんだかわかるわけないし! でも『多少の誤差は許容範囲』とか言ってたし…(多少ってのが全然わかんないけど)
てか、ごちゃごちゃ考えても仕方ない!
こうして現在《いま》があるのも事実なんだし、追体験ってやつ?思い切ってやってみますかっ!!
「⋯⋯⋯って、それにしても中2からって、長くないっ!?!?」
思わず叫ばずにはいられないわたしがいた…
でもまぁ天使が言う『孫たちが誕生するのに最低限必要な分岐点』ってのがこの時代ってことなんだろうし… 一体なにがあったんだろう?中学2年のわたしに…
それでも『やるしかないっ!』と決意したわたしは
一歩ずつ歩き始めた
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