転生するにしても回りくどくありませんっ?!

あたまんなか

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友だち

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しばらく歩くと下り坂に出た

学校までの道程には小さな谷がある
うちからだと下って上《のぼ》るとわたしが通う中学がある
3年間この谷とつき合ったなぁ
暑い夏には汗掻きながら登ったっけ…
この坂を降りてくには坂道と階段があった
わたしは階段派だったのを思い出し階段を降りてく
階段の横には自転車とか押してけるようなスロープもあって、この辺りが坂と共生してる町だなといつもわたしは考えてた

「いち、に、さん、し⋯⋯⋯」

当時も階段を数えながら降りてたもんだ
これだけ長く続く階段だと数えたくなるよね!
上りで数えるのはなんだか疲れる感じでやなんだけどね
だけど不思議と数え終わった記憶はない
だいたい途中で飽きるか、話しかけられることが多かったような気がする

「おっはよー! ミサ!!」

ごじゅういち…って、ほらやっぱり数えてるタイミングで後ろから声をかけられた

「お、おはよーーーっ!!」

足を止め後ろを振り返る⋯⋯⋯、そこには手を振りながら階段を駆け降りてくるポニーテールの制服姿の女の子!
や、やばい!? なんとなく顔も覚えてはいるんだけど名前が思い出せないっ!! 友達失格の烙印を押される!!
懐かしさもあるけど 焦りが先に出ちゃう
ハッ!と視線を胸元にやる、そこには『生田』と書かれた名札が見えた!!
この頃はまだみんな名札をつけてたんだっけ⋯わたしは⋯ つけ忘れてきてるわ…

わたしに追いついたその子は ポン、とわたしの肩を叩いて笑顔を見せる

「い、生田! おはよ!」

わたしはひきつった笑顔でさっきみた名札の名前を呼んだ

「⋯⋯? なにかのジョーク? いつもみたいに『サッチ』でいいよ!」

ケラケラ笑いながらわたしを追い越してく⋯サッチ…
そうだ!『生田《いくた》幸恵《さちえ》』
サッチだ!! 懐かしー!!!
ピンチを乗り越えた後は強烈な懐かしさが込み上げてくる サッチは確か高校違うとこに進学して中学卒業した後は会う機会もなくなっちゃったんだよね…

「待ってよ!サッチ!!」

わたしはサッチを追いかけて並んで階段を降りてく
少し情報収集もしたかったしね

「ミサ また階段数えてたんでしょ?」

笑顔を見せながらからかい気味にわたしを見るサッチ

「わ、悪い? だってまだ途中だったもん⋯」

そのサッチのおどけた表情に頬を膨らませて抗議する
わたしの態度が可笑しさに拍車をかけるのか サッチは満足そうに笑ってる

「あのさ、時間割忘れたんよね… 今日って一時間目なんだっけ?」

とりあえず探りを入れる、なんとか今日一日無事に過ごせれば明日からはなんとかなるはずだ

「えー?そうなの? 一時間目は体育だよ~」

見なくても頭に入ってると言わんがばかりに即答してくるサッチ
その返答に頭からサッと血の気が引く⋯

(しまった!! 全部教科書は入れてきたけど体操服までは頭になかった!!)

「ん?どしたの?ミサ?あんたまさか…?」

わたしは無言で頷いた… 体育での忘れ物…そのヤバさをわたしは思い出していた

「井上うるさいからなぁ… 忘れたなんて言わずに誰かに体操服借りたほうがいいよー」

体育教師の『井上《いのうえ》先生』通称『いのせん』 彼女は忘れ物にはめっぽううるさかった
『体操服を忘れるなんて体育の授業を舐めてる!』って毎回忘れて来た子にみんなの前で反省の言葉を大声で言わせていた

思い出した内容で気の滅入ったのはこれが初めてだったかも知れない… もう取りに戻ってる時間もないしな… まさかこっち来てそうそうみんなの前で反省の言葉を言うはめになるとは⋯
ん?待てよ?確か保健室には『なにか』あったときのために予備の体操服やら下着があったはず…
当時は使うことなんてなかったからその存在すら知らなかったけど、我が子を育ててる時に学校で聞いたことがあったのを思い出した! 時代が違えどもしかしたら…? 一縷の望みが出たことでわたしの気持ちはほんの少し軽くなった

「まー、いざとなったら妹に借りてあげるよ! とりあえず他のクラスの知り合いに聞いてみなよ?」

わたしの表情を見て心配そうにサッチが提案してくれる なんかこんな優しい言葉をサラッと言えるんだ、なんて思って嬉しくなった

「うん、ありがと やさしいねサッチは」

「え?そう?そうなんだ?わたしやさしいんだ?」

わたしの言葉になぜだか満足そうなサッチ
照れた笑顔がかわいく、反応が素直で、やっぱり中学生だなぁ…なんて思って見てた


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