転生するにしても回りくどくありませんっ?!

あたまんなか

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その夜家族揃っての夕飯の際にわたしは進学校について話した もちろん県立神城南《けんなん》だ
両親は揃って『がんばれ』と応援してくれ晴れてわたしは県立神城南《けんなん》を目指すこととなった
ここまではなんだかんだ順調に来てるはず…
お味噌汁を飲みながらわたしは一人頷いた

夕飯が終わってテレビを囲み家族の団欒タイム
テレビも居間に1台しかなく未来のように一人に1台なんてまだまだ先な時代
まだテレビがコミュニケーションツールの役割の中心だった
テレビを観ながら笑う両親に合わせるようわたしも笑う… 正直懐かしくはあってもおもしろいとは思えなかった 自分が歳を取ってるからなのだろうか…
この時わたしは初めて孤独を感じた
全てわたしの知ってる世界、両親や友だち、なにもかも知ってる世界に居ても、孤独を感じる
自然と涙が出ちゃうのを 笑いすぎて出た涙と偽った

きっとこの先もこうして孤独を感じることはあるのかもしれない まだまだわたしの知らない感情を味わうことだってあるかもしれない
わたしは都度それらを一人で乗り越えなきゃいけないんだ そう思うとなぜだかまた涙が出た

部屋に戻りわたしは子どもや孫たちの似顔絵を描いた
思い出せるだけ思い出して、下手でもわたしなりに納得できるだけの絵を描いた
何時間費やしたかわからないけど、完成した似顔絵をわたしは勉強机のデスクマットの下に入れた
透明のデスクマット越しに見える似顔絵はきっとわたしに勇気をくれる… そう信じた
だってホントはわたしは一人じゃないんだから…
未来にも現在《いま》にもわたしの愛すべき人達がいるんだから

ベッドに横になりいろいろあった今日を整理する
もちろん一番は継人《つぐと》のことだ
まさかこんな形で継人と接触してただなんて知らなかった わたしが知らないこともあるんだ…そりゃそうか、当時は意識すらしてなかったことなんだから
以前のベビーカーの時だってそうなんだから…まさかそのベビーカーに乗ってる人がそんなすごい人だなんて思わないわけだし
今日見た継人はわたしが知る継人で一番若い継人だ
ほんとにまだ子どもと言った風貌で垢抜けもせず可愛らしかった、そう、可愛らしかった… だから一抹の不安も感じた
この後の継人との展開に…
わたしが知る未来が訪れるのなら継人はわたしの夫になる
確か継人との出会いは…うん、そうだ マキの彼氏の友だちってことで紹介されたんだ
わたしは継人との出会いを遡って思い出していた

高校生になってからの友だち【大泉《おおいずみ》 眞紀《まき》】 マキとは現時点じゃまだ出会ってない 高1でクラスが一緒になってお互い顔と名前は知ってるくらいの存在だったハズ…
どっちかって言うと見た目も行動も少し派手目なマキにわたしは最初苦手意識を持ってたんだっけ
あれ?じゃあどうやってマキと仲良くなったんだっけ…? なんかハッキリと思い出せないけど きっと大したことないから思い出せないんだ ちゃんとわたしがそのタイミングが来た時に正しい行動をすれば大丈夫なハズだ
ってことは、マキはわたしの未来に関わる大切な人物ってことになるのか… ううん、マキだけじゃない みんなそうなんだ わたしの周りにいる人だけじゃなくても どこかの誰かの行動がわたしにも関わってるかも知れないんだ
バタフライエフェクト…そんなこと天使も言ってたっけ… でもそんなこといちいち意識してらんない
ー『美紗緒さまは美紗緒さまらしく生きて下されば問題ありません』ー
天使はこうも言ってたよね…
だったらやっぱりわたしはわたしで生きてくしかないんだ
こんなこと、いま思い出しても仕方ないことなのはわかってるけど、継人に出会ってしまったいまじゃ思い出さないわけにはいかなかった
どうせ勝手に思い出しちゃうんだろうし…

あー…頭痛い… ここんとこ中学生活に慣れてたからなんだか久しぶりに頭ん中いっぱいになった気分⋯
その後も『もし?』が頭の中を連続でよぎってく⋯
わたしはその全ての『もし?』に今は蓋をして必死に眠りにつこうとした…


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