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楠木先輩
しおりを挟む「ここで楠木先輩に思い切り叱られたらいいんだわ!
それか、許してもらえる訳ないだろうけど楠木先輩に謝るだけ謝ればいいんだわ!!」
「まぁまぁ、大泉《おおいずみ》さんも悪気が合ってやったわけじゃないだろうから…」
少し楠木先輩に懐柔する様子が見て取れた
もう少しだ!と思ったわたしは更にマキに畳み掛けた
「もう少し目の前の自分の楽しいだけにとらわれるの控えなさい! 周りもよく見て相手の気持ちも考えるの!」
ちょっとキツイ言い方になったかもしれないけど、これくらい言わないと楠木先輩が同情してくれないんじゃないかと無理矢理キツく言った
だけど… それに反応してたのは楠木先輩ではなく…
「なんかさっきから聞いてたらわたしのことめちゃくちゃ言ってない…? わたし美紗緒になんか迷惑かけた??」
えっ…? マキもしかしてキレてる??
「そりゃさ、わたしが軽率な行動したかもしんないけどさ、だからってそこまで言うこと? 美紗緒関係ないじゃん!! わたしが男子と仲良くしようが迷惑かけてないし!!」
「それが今回は誤解を生んだんでしょ! でなきゃ楠木先輩は怒ることなかったんだから!!」
「だからそれは謝るって言ってるじゃん! でも、それとこれとは話しが別でしょ!」
なんか思ってもいなかった展開になってた
だけどわたしも売り言葉に買い言葉を止められなかった… 大《だい》の大人が子ども相手に本気になっちゃってた…
取っ組み合いにこそならなかったけど少しの間わたしとマキとの言い合いが続いてた
なにごとかとテニス部員たちがいつの間にかわたしたちの周りを取り囲んでた
「ハイハイ、そこまでそこまで…」
意外にもあいだに割って入って来たのは楠木先輩だった
「もういいから、わかったから… なにもあなたたちがそんなにいがみ合わなくてもいいことだから」
いいタイミングだった、だってもうこんなくだらないことでマキに対して買い言葉を言い続けたくなんてなかったから
マキも呆然とした表情で楠木先輩を見てた
「誤解だってのもわかってるし、なんにもないのもわかってるから… わたしのヤキモチだね、一番怒らないといけないのは強志《つよし》のやつだわ…」
なるほど、確かに…と思った
男子の悪ふざけこそ一番の過失なんだ
だけど楠木先輩の彼氏にわたしがとやかく言うことはもっとできなかったろうなと思った
マキは楠木先輩に頭を下げて「すいませんでした!」と言うと どこかへ走って行ってしまった
わたしも楠木先輩にペコリと頭を下げマキを追う
背中から「重綱さん、大泉《おおいずみ》をよろしく」と声をかけられたような気がした
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