転生するにしても回りくどくありませんっ?!

あたまんなか

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心情

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マキを追いかけ旧校舎の裏へと来た
日陰とは言え走って来たので暑かった
こめかみを汗がつたう…
旧校舎裏は年中日陰のイメージがあって、夏の湿度の高さと相まってジメッとしていた
時折吹き抜ける風に汗が冷やされ暑いのにブルッと震える
しばらく旧校舎裏を進むと倉庫がある
マキは倉庫の陰に立っていた
わたしはゆっくりとマキへ近づく
マキは俯きながら両手のこぶしを握りしめわなわなと震えているように見えた
それは怒りから来ているのだろうか…
だとしたら、さっきわたしの言ったことに対してなんだろうか…

「マキ⋯」

近づきながら呼びかけたわたしの声に反応はなかった
聞こえてるのか、聞こえてないのかすらわからない

「マキ?」

わたしはさっきより大きめの声でマキに呼びかける
ビクッとマキの肩が上がったように見えた
ゆっくり顔を見上げながらわたしを見るマキ
なにか言いたそうに口元が震えてる…
わたしは立ち止まりマキと対峙した
目を逸らしちゃいけないような気がしてじっとマキののこと見つめる
わたしとマキは無言で見つめあってた
マキから言葉が出るまではわたしから話さないでおこうと思ってマキのこと見ていた
なにを言われても大人の対処をしなきゃいけない
さっきの子どもじみた自分が少し恥ずかしかった

「み、み、美紗緒…」

聞き取れるか聞き取れないかくらいの小さな声
わたしは敢えて返事をせずにマキに大きい声を出させようと待った

「み、美紗緒…あのね…」

絞り出すように声を出すマキ…
黙って見守るわたし…

「さっきは、ご、ごめん… ごめんなさい…」

「美紗緒にお願いしたのわたしだし、そのためにはわたしは黙って聞いてなきゃダメだったし、そのための説明だって美紗緒はちゃんとしてくれてたのに…」

「美紗緒が わたしのこといっぱい叱ったのは楠木先輩の同情をひくためだってわかってたのに…」

「なのに…わたし… わたし、反応しちゃった… 我慢できなくなっちゃた… 美紗緒は関係ないのに一緒に謝りに行ってくれたのに…」

『ごめん』って言葉が言えたからなんだろうか、マキは次から次へと想いを吐き出してた
確かに計画は失敗だったかもだけど、結果は同じだった わたしとマキのいがみ合いを見るに見兼ねた楠木先輩が仲裁に入ってたから…

「ううん、わたしも言い過ぎたよ… うまく加減ができてなかった… 言い過ぎてごめんね、マキ…」

わたしだって反省するところはあった…
一番は大人気《おとなげ》なかったこと…
一向に進まないマキとの関係に勝手にイライラしてたのが出てしまってたのかも…

「こんなんでわたしを嫌いにならないでね…美紗緒」

「なる訳ないじゃん、今だってマキがこんなに素直な子だなんて、ってびっくりしてるくらいだよ!」

「えっ?わたし素直じゃん?」

「どこが~?」

「なにをー!?」

わたしたちは顔を突き合わせてた
お互い一歩も引かぬ!ってな感じで睨み合った

・・・ぷっ!! くくくっ アハハハー

なにがおかしいのかわかんなかったけど二人して笑ってた
そりゃ箸が転がっても可笑しい年齢だからね~
二人にしかわからない空気でもお腹痛くなるくらい笑えた

「あんた、変わってるねー」

「あんたじゃないし、美紗緒だしー!」

さっきまで喧嘩してても途端に仲良くなれる
若さの特権ってやつ? 歳取ると妥協になっちゃいそうな関係でも本気で近くなれる、若さって羨ましいなって思った(若いけど)

「あらためて、ありがとね美紗緒!」

素直になったね、マキ!

「感謝しろよ?」

そんなマキにわたしはおどけて見せる

「なに? その言い草!? かわいくないの!」

アハハ!
かけあいが可笑しくてまた二人で笑った

「あっ!! 美紗緒は茶道部いいの?」

「!?」

すっかり自分の部活のこと忘れてた!!

「忘れてたっ!! やっばー!! もう行くね!」

こくりと頷くマキ

「ありがと…」

ちいさく、だけどハッキリとした口調だった

「マキも楠木先輩とこ行きなよー」

照れ笑いと共にわたしは茶道部へと急いだ
小さく手を振ってわたしを見送るマキの姿があった


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