推しの在る生活

あたまんなか

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美咲

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 〇月〇日


それは今朝の通勤電車で起こった

いつもぎゅうぎゅうの満員電車でなく普通の満員電車で通勤しているのだが
わたしはいつものようにスマートフォンで小説サイトの作品を読んでいた

ん?なんか後ろの方から圧を感じる

そんなに押さなくても少し動けるくらいのスペースはあるはずなのに
見るとはなく後ろを振り返ると見たことない男性が
わたしにぴったりひっついてきていた
もしかしてスリかも?と用心してバッグに手を当てる
気になってサイトを見れなかった
わたしは朝の楽しみを奪われたような嫌な気分になる
カバンを気にしているとその男の手がわたしの臀部をなぞる 最初は偶然かなとも思ったがその手は指は明らかに意思を持っていた
まさか!?何年か通勤で電車を使ってはいるが始めての経験だった
身をよじり無言の抵抗を試みる
そんなことをしていること自体に無性に腹が立ったのだがまったく身動きができない状況でもなかったのと 大きい声を出して万が一にも勘違いだった場合のことも考えわたしは降りる駅ではなかったが次の駅で降りた

去りゆく電車を見ながら悔しくて涙がでた
なんにも負けてないのに敗北感があった
あの時 手を掴むなり叫ぶなりしておけばよかったんだろうか わたしは勇気がなかったんだろうか
被害を受けたわたしがどうして悩まなきゃいけないんだ

ークソっ クソっ クソっ!!!ー

男なんて目的はみんな同じだ! ふざけんなっ!

少しの放心があった
次に来た電車はさっきの電車とちがって空いていた

その日の夕飯の時 わたしはあまり話せなかった
いつもは彼の作品の話しや読んだ小説の話しで良くも悪くも盛り上がる時間なのに

「どうしたの? なんかあった? それとも美味しくない?」

彼はいろんな心配をして声をかけてくれる

「なんでもないよ、ごはんもおいしいよ」

話せることなんてない 彼も男なんだ

「ミサさん なんかおかしいよ ねえ話してよ」

おそらく彼は本気でわたしのこと心配してるんだろう
だけどここで話して同情を得たくなかった
どうせ どうせ…
わたしの顔を覗き込む彼の顔を両手で押さえわたしは無理やりキスをした

「えっ!?」

驚いて仰け反る彼に覆いかぶさった
激しくキスをする 抵抗しない彼
わたしは彼を求めた それは負けたくなかったから…

ーわたしだってこれくらいできるんだからー



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