君との時間 The Time Between Us

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第3章 14歳の夏 Part29

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 食事の時間って、こんなに楽しいんだ。
 親がいなくて姉弟だけで来たから、余計にそう見えるのかもしれない。
 安心して食事をするのなんて、いつぶりだろう。
 ほとんど緊張しながら食べてきた私には、こんなに穏やかな食事はなかった気がする。

 食卓を囲むみんなの顔が、それぞれ楽しそうで、緊張感がない。
 うちとの対比がすごすぎて、思わず笑いそうになった。
 隣の弟も隆臣と一緒だからか、いつもより楽しそうで安心する。
(このまま帰りたくないな……)

 食事が終わっても、私はその場に残った。
 この空気の中にいるのが心地よくて、離れがたかった。
 家に戻れば、また“家族”という名だけの、他人同然の冷め切った空気。
 あの家の空気はいつも淀んでいて、息が苦しかった。

 和臣の存在も、きっと大きい。
 幼少期に私を真由美姉の寝相から助けてくれた日から、私はひそかに恋をしている。
 あの日からずっと、和臣は私の左に座り続けている。
 親がいても、姉弟が動き回っても、いつも私の左は彼の居場所になった。

 家に戻れば、またいつ会えるかもわからない。
 彼の父が母に言ったように、私がここに住めればいいのに……。
 胸の奥がじんわり熱くなり、願いにも似た思いが静かに広がった。
 この温度だけは、誰にも奪えない私の本音だった。
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