君との時間 The Time Between Us

afterquiet

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第4章 見えなかった心 Part8

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 和やかにその晩は流れていった。
 ——そこに和臣がいないことを除いて。

 その晩、お風呂に入ろうと洗面所の前に立ったとき、あるものに気づいた。
 洗濯機の上に置かれたキーパーのグローブ。
 使い込んだ汗と土がしみ込んだ、傷だらけのグローブ。

 触れた瞬間、走馬灯のように和臣の姿が浮かんで、胸が苦しくなる。
 ずっしりと重くて、どこか和臣の匂いがした。
 私の見えないところで、このグローブが彼の心も体も支えて、守ってきたんだろう。
 あまりにその重さが私には重すぎて、苦しくてしゃがみこんだ。

 和臣が弱音を吐かない人なのは昔から知っている。
 寡黙で、繊細で、凛々しくて、気遣い屋で、不器用。

 私たちは子どもの頃から、きっと感じてきた。
 真由美姉の激しい寝相に巻き込まれて泣いていた私を、和臣が助けて、ずっと手を握って見つめていてくれたあの日からずっと。
 親よりお互いを知っていると言ったら大げさかもしれないけれど、心はずっとつながっていた。

 だから、このグローブから伝わる和臣の葛藤や想いは、きっと本物だ。
 触れているだけで、胸の奥がじんわりと痛くなるほどだった。

 今頃、仲間たちと眠れない夜を過ごしている。
 今までの努力の最終地点に、彼らは立っているから。
 和臣もきっと、静かに自分と向き合っている。

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