キョリとリセイ~恋人は愛の香り~

国府春学

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馬車 ※口で 性描写アリ

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 しかし。
「おまえの…を、しゃぶりたい」
 シェスリタは、もう一度はっきりと口にした。
 長い睫毛が、頬に影を落としている。
 ルートリヤは、流されそうになる自分を戒めるように首を振った。
「あのね、シェス。俺たち今馬車に乗ってるんだよ。昼間だし。
 せっかく、きれいな景色が見えるのに」
「ならおまえは外見てろよ。俺は勝手にするから」

 座席を下りて、ルートリヤの脚の間にしゃがんだシェスリタは、馬車の揺れも気にせずに、下着を寛げて性器を取り出す。
「もうっ…」
 主導権を奪われつつあるのを感じながら、ルートリヤは抗えなかった。

「はむ…っ、ん…ん」
 音をたてて吸われ、ルートリヤは無意識にシェスリタの後頭部に手を回す。
「気持ちいいか?」
 顔を上げて訊かれ、うなずくと、シェスリタは嬉しそうに口角を上げた。

「もうだめ…ッ、出るっ」
「ん…ふぅっ」
 ごく、と精を飲み下して、シェスリタは荒れた息を整えている。
「ありがと」
 再び隣に座った彼を抱き寄せると、「ん」と控えめにうなずいて、シェスリタは頭をあずけてきた。



 夕刻、二人を乗せた馬車はネロ―レントという小さな村に到着した。
 都から離れるごとに、家よりも木々や畑が多くなり、この辺りまで来ると周囲は農地ばかりである。
 放牧されていた牛や馬、羊たちが、日暮れに少年に追い立てられて畜舎に戻っていく。
 歩いていくと、村の中心部に着いた。仕事を終えた男たちが酒を飲み、語り合っている。
 にぎやかな大衆居酒屋が並ぶ中、落ち着いた雰囲気の小さなバーが目についた。
「あそこに入る?」
「いいな」
 二人は今夜、軍服ではなくラフな私服に身を包んでいる。
 それでも、村人とは装いが異なるため、店のドアを開けると視線が集まってきた。
「おぉ、見ない顔だな」
 入り口付近に座っていた常連らしき白髪の男が言う。
「都から来たんだ」
 ルートリヤは、初めて会う相手とも気軽に言葉を交わす。
 カウンターに並んで腰かけると、マスターが二人のほうを見た。

「あら、色男が肩寄せあっちゃって。お熱いわね、お二人さん」
 栗色の髪に濃いヒゲ、人懐こそうだが鋭い印象の瞳の、がっちりした体型の店主だ。
「そうだよ、新婚旅行なの」
 ちゅ、とシェスリタのこめかみに口づけて、ルートリヤはふざける。
「結婚してないだろっ」
 シェスリタは恥ずかしいのか、軽く肘鉄を食らわせた。

「何にする?」
「葡萄酒二つ」
 この辺りは果実が多く採れるので、ワインやカルバドスが多く作られている。
「乾杯」
 グラスをかち合わせて、二人は初めていっしょに酒を飲んだ。
「ねぇ。シェスは酔うほうなの?」
「さぁな。昔は強かったが、第九部隊は酒宴禁止だから、誘われることもなくて」
「あー、隊長厳しいもんね。
 酒もダメ、女もダメじゃストレスたまるよね」
「……」
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