3 / 4
みんな忘れてる
しおりを挟む
「マキ君...?」
私は目を疑った。あの時、傘を貸してくれた幼かったあの子にとても似ている。あの時とは違い黒縁メガネを付けているが、面影はそのまんまだ。
「マキ君、久しぶり。小学三年生の時にいた中本 月華って言うんだけど...。あの、マキ君が傘貸してくれた子」
「...?」
しばらく彼は俯いたまま、黙った。
「お、覚えてない?かな?」
「確かに、僕は芦高 真輝斗って言うけど...。すいません、覚えていません。」
なぜだろう。
涙が出そうなほど、辛い。
涙を堪えていると、彼は
「僕、なんか中学の頃事故かなんか起こしたみたいで...それで、この高校に入学してからも今みたいな状況が5、6回あって...。なんか、ごめんなさい。」
「そうなんだ...。なんかゴメンね。」
さよなら、と言って私はトイレに向かった。
便座に座りため息をつく。
思いもよらなかった。事故にあったなんて。もう覚えていないなんて。
気付けば、スカートが大量の涙で濡れていた。
「もう、授業始まっちゃう。」
流れている涙を拭い、トイレを後にした。
ーー部活時間
「ツッキー、体育館行こー」
今日も疲れたーと、体育館に向かう私にミッコーが付いて来る。
安心するなぁ。
「ツッキー、なんかあったの?
目、めっちゃ腫れてるよ?」
「あー...ちょっと、ね」
「何かあったなら、この美己ちゃんに話しなさい。ドーンと受け止めるよ!」
それを聞いてまた涙が出てきた。
こんなに良い友達が居るなんて。
幸せだなぁ。
「前に確かミッコーに話したんだけど、ほら私の初恋の話。」
「あぁ。あの傘の?」
「そう。その傘を貸してくれた子...マキ君を今日学校で見つけたの。でも名前を言っても覚えてないらしくて...それでマキ君、前に事故にあったらしくて、記憶が...」
駄目だ。また涙が出てきそう。
「...私も、マキ君だと思って声かけたの。でも覚えていないって...。ちょっとショックだよね...しかもツッキーは...」
初恋の人だから、そう言いたかったのだろう。
「大丈夫!まだ高校一年生だし、高校にもいい人いっぱいいると思うよ!体育館着いたし、部活頑張ろー!」
「...そうだね!」
ありがとう、心の中で呟いた。
体育館には先に葵ちゃんが居た。
「こんちわ、葵ちゃん。
今日ははやいのね。」
「...。」
無視して練習を続ける。
話しにくいなぁ。仲がいいと聞いて安心して入れたこの部活だけれど、新入生がこれじゃあなぁ。
ミッコーとは正反対の性格で、ミッコー自身も葵ちゃんの事はあまり好きではないみたい。というより避けてるという感じ。
確か、中学校は同じだったはずなのになー。ナーちゃんと私は同じ中学で、ミッコーと葵ちゃんは別の中学校。
何かあったのかな?でもさっき、私の話ずっと聞いてくれたし。深く探るのは良くない...よね。葵ちゃんはマキ君の事知ってるのかな?小学校同じだったし、覚えるはずだけど...
「あの、葵ちゃん!」
「...なに」
「小学校の頃に居た、マキ君って知らない?」
しばらく沈黙し、葵ちゃんは答えた。
「さぁ、知らない。」
「...そっか。」
何でだろう。皆、色々と...
忘れている。
私は目を疑った。あの時、傘を貸してくれた幼かったあの子にとても似ている。あの時とは違い黒縁メガネを付けているが、面影はそのまんまだ。
「マキ君、久しぶり。小学三年生の時にいた中本 月華って言うんだけど...。あの、マキ君が傘貸してくれた子」
「...?」
しばらく彼は俯いたまま、黙った。
「お、覚えてない?かな?」
「確かに、僕は芦高 真輝斗って言うけど...。すいません、覚えていません。」
なぜだろう。
涙が出そうなほど、辛い。
涙を堪えていると、彼は
「僕、なんか中学の頃事故かなんか起こしたみたいで...それで、この高校に入学してからも今みたいな状況が5、6回あって...。なんか、ごめんなさい。」
「そうなんだ...。なんかゴメンね。」
さよなら、と言って私はトイレに向かった。
便座に座りため息をつく。
思いもよらなかった。事故にあったなんて。もう覚えていないなんて。
気付けば、スカートが大量の涙で濡れていた。
「もう、授業始まっちゃう。」
流れている涙を拭い、トイレを後にした。
ーー部活時間
「ツッキー、体育館行こー」
今日も疲れたーと、体育館に向かう私にミッコーが付いて来る。
安心するなぁ。
「ツッキー、なんかあったの?
目、めっちゃ腫れてるよ?」
「あー...ちょっと、ね」
「何かあったなら、この美己ちゃんに話しなさい。ドーンと受け止めるよ!」
それを聞いてまた涙が出てきた。
こんなに良い友達が居るなんて。
幸せだなぁ。
「前に確かミッコーに話したんだけど、ほら私の初恋の話。」
「あぁ。あの傘の?」
「そう。その傘を貸してくれた子...マキ君を今日学校で見つけたの。でも名前を言っても覚えてないらしくて...それでマキ君、前に事故にあったらしくて、記憶が...」
駄目だ。また涙が出てきそう。
「...私も、マキ君だと思って声かけたの。でも覚えていないって...。ちょっとショックだよね...しかもツッキーは...」
初恋の人だから、そう言いたかったのだろう。
「大丈夫!まだ高校一年生だし、高校にもいい人いっぱいいると思うよ!体育館着いたし、部活頑張ろー!」
「...そうだね!」
ありがとう、心の中で呟いた。
体育館には先に葵ちゃんが居た。
「こんちわ、葵ちゃん。
今日ははやいのね。」
「...。」
無視して練習を続ける。
話しにくいなぁ。仲がいいと聞いて安心して入れたこの部活だけれど、新入生がこれじゃあなぁ。
ミッコーとは正反対の性格で、ミッコー自身も葵ちゃんの事はあまり好きではないみたい。というより避けてるという感じ。
確か、中学校は同じだったはずなのになー。ナーちゃんと私は同じ中学で、ミッコーと葵ちゃんは別の中学校。
何かあったのかな?でもさっき、私の話ずっと聞いてくれたし。深く探るのは良くない...よね。葵ちゃんはマキ君の事知ってるのかな?小学校同じだったし、覚えるはずだけど...
「あの、葵ちゃん!」
「...なに」
「小学校の頃に居た、マキ君って知らない?」
しばらく沈黙し、葵ちゃんは答えた。
「さぁ、知らない。」
「...そっか。」
何でだろう。皆、色々と...
忘れている。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる