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違和感
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「そう、あれは絶え間なく雨音が聞こえる豪雨の日でした。
小学三年生の私は話し声が響く、小学校の玄関前で青空を一つも思わせない灰色の空を見上げてました。
普段、テレビを見るより本を読む方が断然楽しいと思えるとてつもなく大人しい子でした。とてつもなく。
なので、天気予報も当然見ません。教えてくれそうな親も先に仕事に出ていました。
傘を忘れました。
傘を貸してもらおうと思いましたが、内気な私は先生に話しかけられなかったんです。というか、とても怖い先生でした。
そんな事を後悔していた時でしたかね。
これ使う?、といつの間にか後ろに立っていた男の子が私に傘を差し出してきました。僕は折りたたみ傘があるから、と去っていきました。それでは申し訳ないと思い、その子を追いかけてお礼を言いました。
偶然だったのでしょう。私はその子と同じ帰り道だったんです。
その時が初めてだったんですよ。
話したい、という気持ちが浮かんだのは。」
「おー。」パチパチ
何に対しての拍手なんだよ...
「これで良いですか?」
「一緒に傘に入ろうよ、という甘々なシチュエーションでは無かったのかー。残念」
「なんで先輩がガッカリするんですか...」
「ていうか、傘貸してくれる友達とか居なかったの?」
確かに。
今思えばそうだ。
「友達は...確か、ナーちゃんが友達だった...と思います。」
秋月 菜々葉。ナーチャンは私の親友と言ってもいいだろう。しっかりしてて、女子バスケ部の次期キャプテンと呼ばれている。私に高校に行こうと誘ってくれた張本人。生きる希望を与えてくれた人。
「フーン。ナーちゃんなら、しっかりしてるし貸してくれるだろうにね。」
「そう...ですよね。」
おかしい。何かがすっぽりと抜けてしまっている様。
空を見上げている時、もう1人確か誰か居た...。思い出せない...。もう6年くらい前だ。分かんなくて当然だろう。
「てか、先輩。一つ良いですか。」
「んー?なにー?」
箸を咥えたまま言う。
食べるか、喋るかどっちかにしなさい。
「さっきから視線が痛いんです。」
「私の?」
「周囲の!!」
「しょうがない、私美しいから。」
何だこのナルシスト。てかサラッと言ってますが、多分それ正解です。視線が痛いのは大体男子ですから。先輩、美人なんです。もう美人かナルシストなのかどっちかにしてください。正直ムカついてる自分がいます。
「そーいや、最近葵ちゃんどうなの?」
「この間、また大会に優勝したらしいですよ。」
「えぇ!?すごいなー。これは二年生抜かれるなぁ。」
「しょうがないですよ。5歳からつよいクラブに入っているそうですから。」
武下 葵ちゃん。ガチ系のバスケットボールプレイヤー。もう大学からは推薦が来てるとか。ポニーテールがよく似合うとてつもない美人さんです。あっちは思っているか分からないけど、友達です。
「私達も頑張らないとね!」
「巻き込まないで下さい...。あの子とは月とスッポンくらいの差があります。」
「ツッキーこの前ランニング最後だったもんねー。」
結構刺さる事をそんな笑顔で言わないで下さい。憎らしいけど、可愛いな。
「おっと。そろそろ昼休み終わりだー。片付けて帰ろうか。」
「もうそんな時間でしたか。はやいですねー。教室に戻りたくないです...」
「まぁまぁ、明日暇だったらまた昼休み来るからさ?元気出そうぜ?じゃあまた、部活でねー!」
クソゥ。散々色々言われたのに憎めない...。
まぁいい。教室に戻ろう。それにしても、何だったのだろう。あの昔話は。何かが抜けている。絵本のページが一ページ無いように。よりにもよって、多分それは大事なページ。
ずっと悩んでいると、誰かにぶつかった。
「わ、すみません!」
「いや、こっちもスイマセン。」
「...!?」
「...マキ君?」
小学三年生の私は話し声が響く、小学校の玄関前で青空を一つも思わせない灰色の空を見上げてました。
普段、テレビを見るより本を読む方が断然楽しいと思えるとてつもなく大人しい子でした。とてつもなく。
なので、天気予報も当然見ません。教えてくれそうな親も先に仕事に出ていました。
傘を忘れました。
傘を貸してもらおうと思いましたが、内気な私は先生に話しかけられなかったんです。というか、とても怖い先生でした。
そんな事を後悔していた時でしたかね。
これ使う?、といつの間にか後ろに立っていた男の子が私に傘を差し出してきました。僕は折りたたみ傘があるから、と去っていきました。それでは申し訳ないと思い、その子を追いかけてお礼を言いました。
偶然だったのでしょう。私はその子と同じ帰り道だったんです。
その時が初めてだったんですよ。
話したい、という気持ちが浮かんだのは。」
「おー。」パチパチ
何に対しての拍手なんだよ...
「これで良いですか?」
「一緒に傘に入ろうよ、という甘々なシチュエーションでは無かったのかー。残念」
「なんで先輩がガッカリするんですか...」
「ていうか、傘貸してくれる友達とか居なかったの?」
確かに。
今思えばそうだ。
「友達は...確か、ナーちゃんが友達だった...と思います。」
秋月 菜々葉。ナーチャンは私の親友と言ってもいいだろう。しっかりしてて、女子バスケ部の次期キャプテンと呼ばれている。私に高校に行こうと誘ってくれた張本人。生きる希望を与えてくれた人。
「フーン。ナーちゃんなら、しっかりしてるし貸してくれるだろうにね。」
「そう...ですよね。」
おかしい。何かがすっぽりと抜けてしまっている様。
空を見上げている時、もう1人確か誰か居た...。思い出せない...。もう6年くらい前だ。分かんなくて当然だろう。
「てか、先輩。一つ良いですか。」
「んー?なにー?」
箸を咥えたまま言う。
食べるか、喋るかどっちかにしなさい。
「さっきから視線が痛いんです。」
「私の?」
「周囲の!!」
「しょうがない、私美しいから。」
何だこのナルシスト。てかサラッと言ってますが、多分それ正解です。視線が痛いのは大体男子ですから。先輩、美人なんです。もう美人かナルシストなのかどっちかにしてください。正直ムカついてる自分がいます。
「そーいや、最近葵ちゃんどうなの?」
「この間、また大会に優勝したらしいですよ。」
「えぇ!?すごいなー。これは二年生抜かれるなぁ。」
「しょうがないですよ。5歳からつよいクラブに入っているそうですから。」
武下 葵ちゃん。ガチ系のバスケットボールプレイヤー。もう大学からは推薦が来てるとか。ポニーテールがよく似合うとてつもない美人さんです。あっちは思っているか分からないけど、友達です。
「私達も頑張らないとね!」
「巻き込まないで下さい...。あの子とは月とスッポンくらいの差があります。」
「ツッキーこの前ランニング最後だったもんねー。」
結構刺さる事をそんな笑顔で言わないで下さい。憎らしいけど、可愛いな。
「おっと。そろそろ昼休み終わりだー。片付けて帰ろうか。」
「もうそんな時間でしたか。はやいですねー。教室に戻りたくないです...」
「まぁまぁ、明日暇だったらまた昼休み来るからさ?元気出そうぜ?じゃあまた、部活でねー!」
クソゥ。散々色々言われたのに憎めない...。
まぁいい。教室に戻ろう。それにしても、何だったのだろう。あの昔話は。何かが抜けている。絵本のページが一ページ無いように。よりにもよって、多分それは大事なページ。
ずっと悩んでいると、誰かにぶつかった。
「わ、すみません!」
「いや、こっちもスイマセン。」
「...!?」
「...マキ君?」
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