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第一章 異世界召喚と旅立ち
024 イチゴ 1○○%
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夜も更けてきた頃、俺と田仲君は焚き火を囲んで、今後を如何にして切り抜けるかを話し合っていた。
「先輩の足の速さと無尽蔵のスタミナがあれば、取り敢えずは問題ないんじゃないですか? さっきのご飯も美味しかったし」
今日一日走ってみた感想としては、ジョギングのペースなら一時間くらい休憩なしで走っても大丈夫そうだった。
「それでも原付くらいの速度は出てましたけど」
というのは、背中に乗っていた田仲君の感想だ。
途中でせがまれて"とんずら"を使ったら流石に息切れはしたが、かなり頑張って走ってもSPは殆ど減らなかったので、普通にしている分には、SPの消費はあまり考えなくても良いかもしれない。
晩飯は俺がゲーム内で用意してきた食事、ドラゴンステーキとドラゴンスープだ。
正直、今まで食べてきたステーキとシチューの中でも一番美味しかったかもしれない程の味だった。
料理そのものの味も去ることながら、食べながら実感できるくらいに沸き上がる力が堪らないのだ。
流石は最高級のバフ料理だ、なんだかイケナイものを食べている気分になってしまう料理だった。
「そうだね、今のところ馬車に追い越されたりしなかったし、俺の走るペースなら食糧も問題無さそうなんだけど…」
駅馬車で3日の距離だという迷宮都市までなら、残り11食ずつステーキとシチューがあれば、なんとでもなるだろう。
因みに昼飯は田仲君のお弁当セット(サンドイッチ)だった。
俺はその後も走らないといけなかったので、あまり食べないようにしていたというのもあったが、思ったより量があって二人で分けても丁度良いくらいの量があった。
あとは道中の水の確保だが、今のところちょくちょく川が見つかるので、あまり気にしてない。
田仲君が持っていた水筒の中身も補充してあり、減っているのは今の食事で飲んだ分だけだ。
それに、ポーションの空き瓶にも念のため水を詰めてある。
だから、旅の心配はしていないのだ。俺が心配しているのは……
「そうじゃなくてさ、今夜これからどうするのかってことだよ」
「今夜コレから? もうお腹も膨れたし、寝るだけじゃないんですか?」
そう言って首をかしげるウサ耳幼女。かわいい。
俺がそんな事を考えていたら、ハッとして後ずさる田仲君。
「いくら僕の見た目が超可愛いからって、それはないでしょ……」
ん?
「すいません、先輩の守備範囲が広いのは知っていましたけど、僕まで射程に入れないで欲しいっていうか……もちろん先輩のことは嫌いではないんですけど、僕にはそういう趣味はないので、そういうのはちょっと困るっていうかなんていうか」
は? 何を言い出したんだコイツ?
っていうかお前の中の俺のイメージはどうなってるんだよ。
「えっと、何を言ってるのかな?」
「でも、先輩には沢山お世話になってますから、仕方ないですね。見るだけだったら……良いですよ」
そう言って立ち上がった田仲君は、おもむろにワンピースのスカートをめくりあげた。
出てきたのは白地に赤いイチゴ柄のパンツだ。
たくしあげたスカートの真ん中は口に咥えて、両サイドを手でつかんで広げているせいで、かわいいおへそまで丸見えだ。
コレはヤバい、犯罪臭が半端ない。
っていうかパンツはウサギじゃないんかい! と心の中で突っ込みを入れていると田仲君の右手がそのパンツをガシリと掴む。
「じゃあ、いきまフね」
まて! 行くんじゃない、タナカ!
「ちょっと待って田仲君! そうじゃないから!」
ん? と首をかしげるウサ耳幼女。かわいい。でもスカートは下ろしてくれ。
「あ、あぁ、そうですよね、違いますよね、はやとちりしちゃいました。すいません」
あはは、と照れ笑いしながら頭をかく田仲君。
良かった、分かってくれたらしい。
「やっぱり"おっぱ○"ですよね、ちゃんとわかってますからね」
いや、何も分かってなかった。
「でも恥ずかしいから、片方だけ……」
そう言ってワンピースの肩紐をはずす田仲君。
服を脱いで今にも片乳を出そうとしている。
そんな独特の羞恥心をお持ちのウサ耳の奇行を止めて話を戻さなくては。
「そういうことじゃなくて、俺が言ってるのは、今夜の見張りをどうするかだよ! 俺たちが出てきた王都は立派な塀で囲まれてたよね? あれってやっぱり外にいる外敵に備えてだと思うんだよね」
「はあ、外敵ですか?」
田仲君はよくわかってないようだ。
しょうがない、ちゃんと説明しよう。
「他国の軍隊はもちろんだけど、異世界ファンタジーならモンスター対策であんなに高い塀をつくったのかもしれないってことだよ。ここは外なんだから、モンスターの一匹や二匹出てもおかしくないんじゃないかな?」
服をはだけさせて、今にも見せますよといった状態の田仲君がピシリと固まる。
「そ、それってゴブリンとか?」
「うん。ゴブリンとかメジャーだよね」
「お、オークとかも?」
「女騎士の天敵だね」
「じゃあ、僕も危ないじゃないですか!」
じゃあ? 女騎士とは対極にいるようなウサ耳幼女が口に手を当てて、あわわわーとかやっている。
まあ、一応身体は女の子な訳だから危ないことは危ないだろうな。
そんなやり取りをしていると、不意に近くの茂みから"ガサッ"と音がした。
「うわ、でたぁー!」
そう叫んで田仲君が俺に飛び付いてくる。
「ちょ、前見えないから! 危ないって!」
「出た! 犯される! 助けて!」
パニックになっているようだ。顔の前をパタパタするウサ耳が鬱陶しい。
「田仲君ちょっと落ち着いて、大丈夫だから」
「オークの大きいのでそんなことされたら、血とかいっぱいで死んでしまいますよぉ」
田仲君がどんなことを想像しているのかは流石に分かるが、取り敢えず落ち着かせないと。
「田仲君大丈夫だから、ちゃんと俺が守るから、だから落ち着いて」
そう言うと、ピタリとウサ耳が動きを止める。
そして涙目になった顔で下から見上げてくる。
「大丈夫だからほら、取り敢えず離れてくれない? 身軽にしてないと反応できないし」
ぴょんと飛び下りて、いそいそと俺の後ろに移動するウサ耳。
「じゃあ、ちょっと見てくるからここにいて」
そう言うと、こくこくと頷き返している。
取り敢えず、さっさと音の原因を調べよう。
そう思って音がした茂みに近寄ると、白い塊がピョンと飛び出してきた。
「おぉ、ウサギか」
ウサギはそのまま跳び跳ねて遠くに逃げていってしまった。
「ウサギだったね。田仲君のことを仲間と間違っちゃったんじゃない? まぁ、俺のレベルはMaxなんだから、ある程度の敵は大丈夫だからさ、落ち着いて対処していこう」
振り向いて田仲君を見ると、彼は顔の前で手を組んで顔を隠している。
なんだ? 取り乱したのが恥ずかしかったのかな?
「大丈夫だから? 俺が守るから? 何ですかそれ……」
そこまで言うと、ガバッと両手を広げてせり寄ってきた。
目がやたらキラキラしている。
「格好良いじゃあないですか! 僕が女の子だったら惚れてるところですよ!」
「あ、そう?」
なんだかテンション高いなあ。
だけど取り敢えずは馬鹿なこと言ってないで、早いとこその放り出している貧相なモノを仕舞って欲しい。
その片方だけ丸出しの"おっぱ○"を。
「先輩の足の速さと無尽蔵のスタミナがあれば、取り敢えずは問題ないんじゃないですか? さっきのご飯も美味しかったし」
今日一日走ってみた感想としては、ジョギングのペースなら一時間くらい休憩なしで走っても大丈夫そうだった。
「それでも原付くらいの速度は出てましたけど」
というのは、背中に乗っていた田仲君の感想だ。
途中でせがまれて"とんずら"を使ったら流石に息切れはしたが、かなり頑張って走ってもSPは殆ど減らなかったので、普通にしている分には、SPの消費はあまり考えなくても良いかもしれない。
晩飯は俺がゲーム内で用意してきた食事、ドラゴンステーキとドラゴンスープだ。
正直、今まで食べてきたステーキとシチューの中でも一番美味しかったかもしれない程の味だった。
料理そのものの味も去ることながら、食べながら実感できるくらいに沸き上がる力が堪らないのだ。
流石は最高級のバフ料理だ、なんだかイケナイものを食べている気分になってしまう料理だった。
「そうだね、今のところ馬車に追い越されたりしなかったし、俺の走るペースなら食糧も問題無さそうなんだけど…」
駅馬車で3日の距離だという迷宮都市までなら、残り11食ずつステーキとシチューがあれば、なんとでもなるだろう。
因みに昼飯は田仲君のお弁当セット(サンドイッチ)だった。
俺はその後も走らないといけなかったので、あまり食べないようにしていたというのもあったが、思ったより量があって二人で分けても丁度良いくらいの量があった。
あとは道中の水の確保だが、今のところちょくちょく川が見つかるので、あまり気にしてない。
田仲君が持っていた水筒の中身も補充してあり、減っているのは今の食事で飲んだ分だけだ。
それに、ポーションの空き瓶にも念のため水を詰めてある。
だから、旅の心配はしていないのだ。俺が心配しているのは……
「そうじゃなくてさ、今夜これからどうするのかってことだよ」
「今夜コレから? もうお腹も膨れたし、寝るだけじゃないんですか?」
そう言って首をかしげるウサ耳幼女。かわいい。
俺がそんな事を考えていたら、ハッとして後ずさる田仲君。
「いくら僕の見た目が超可愛いからって、それはないでしょ……」
ん?
「すいません、先輩の守備範囲が広いのは知っていましたけど、僕まで射程に入れないで欲しいっていうか……もちろん先輩のことは嫌いではないんですけど、僕にはそういう趣味はないので、そういうのはちょっと困るっていうかなんていうか」
は? 何を言い出したんだコイツ?
っていうかお前の中の俺のイメージはどうなってるんだよ。
「えっと、何を言ってるのかな?」
「でも、先輩には沢山お世話になってますから、仕方ないですね。見るだけだったら……良いですよ」
そう言って立ち上がった田仲君は、おもむろにワンピースのスカートをめくりあげた。
出てきたのは白地に赤いイチゴ柄のパンツだ。
たくしあげたスカートの真ん中は口に咥えて、両サイドを手でつかんで広げているせいで、かわいいおへそまで丸見えだ。
コレはヤバい、犯罪臭が半端ない。
っていうかパンツはウサギじゃないんかい! と心の中で突っ込みを入れていると田仲君の右手がそのパンツをガシリと掴む。
「じゃあ、いきまフね」
まて! 行くんじゃない、タナカ!
「ちょっと待って田仲君! そうじゃないから!」
ん? と首をかしげるウサ耳幼女。かわいい。でもスカートは下ろしてくれ。
「あ、あぁ、そうですよね、違いますよね、はやとちりしちゃいました。すいません」
あはは、と照れ笑いしながら頭をかく田仲君。
良かった、分かってくれたらしい。
「やっぱり"おっぱ○"ですよね、ちゃんとわかってますからね」
いや、何も分かってなかった。
「でも恥ずかしいから、片方だけ……」
そう言ってワンピースの肩紐をはずす田仲君。
服を脱いで今にも片乳を出そうとしている。
そんな独特の羞恥心をお持ちのウサ耳の奇行を止めて話を戻さなくては。
「そういうことじゃなくて、俺が言ってるのは、今夜の見張りをどうするかだよ! 俺たちが出てきた王都は立派な塀で囲まれてたよね? あれってやっぱり外にいる外敵に備えてだと思うんだよね」
「はあ、外敵ですか?」
田仲君はよくわかってないようだ。
しょうがない、ちゃんと説明しよう。
「他国の軍隊はもちろんだけど、異世界ファンタジーならモンスター対策であんなに高い塀をつくったのかもしれないってことだよ。ここは外なんだから、モンスターの一匹や二匹出てもおかしくないんじゃないかな?」
服をはだけさせて、今にも見せますよといった状態の田仲君がピシリと固まる。
「そ、それってゴブリンとか?」
「うん。ゴブリンとかメジャーだよね」
「お、オークとかも?」
「女騎士の天敵だね」
「じゃあ、僕も危ないじゃないですか!」
じゃあ? 女騎士とは対極にいるようなウサ耳幼女が口に手を当てて、あわわわーとかやっている。
まあ、一応身体は女の子な訳だから危ないことは危ないだろうな。
そんなやり取りをしていると、不意に近くの茂みから"ガサッ"と音がした。
「うわ、でたぁー!」
そう叫んで田仲君が俺に飛び付いてくる。
「ちょ、前見えないから! 危ないって!」
「出た! 犯される! 助けて!」
パニックになっているようだ。顔の前をパタパタするウサ耳が鬱陶しい。
「田仲君ちょっと落ち着いて、大丈夫だから」
「オークの大きいのでそんなことされたら、血とかいっぱいで死んでしまいますよぉ」
田仲君がどんなことを想像しているのかは流石に分かるが、取り敢えず落ち着かせないと。
「田仲君大丈夫だから、ちゃんと俺が守るから、だから落ち着いて」
そう言うと、ピタリとウサ耳が動きを止める。
そして涙目になった顔で下から見上げてくる。
「大丈夫だからほら、取り敢えず離れてくれない? 身軽にしてないと反応できないし」
ぴょんと飛び下りて、いそいそと俺の後ろに移動するウサ耳。
「じゃあ、ちょっと見てくるからここにいて」
そう言うと、こくこくと頷き返している。
取り敢えず、さっさと音の原因を調べよう。
そう思って音がした茂みに近寄ると、白い塊がピョンと飛び出してきた。
「おぉ、ウサギか」
ウサギはそのまま跳び跳ねて遠くに逃げていってしまった。
「ウサギだったね。田仲君のことを仲間と間違っちゃったんじゃない? まぁ、俺のレベルはMaxなんだから、ある程度の敵は大丈夫だからさ、落ち着いて対処していこう」
振り向いて田仲君を見ると、彼は顔の前で手を組んで顔を隠している。
なんだ? 取り乱したのが恥ずかしかったのかな?
「大丈夫だから? 俺が守るから? 何ですかそれ……」
そこまで言うと、ガバッと両手を広げてせり寄ってきた。
目がやたらキラキラしている。
「格好良いじゃあないですか! 僕が女の子だったら惚れてるところですよ!」
「あ、そう?」
なんだかテンション高いなあ。
だけど取り敢えずは馬鹿なこと言ってないで、早いとこその放り出している貧相なモノを仕舞って欲しい。
その片方だけ丸出しの"おっぱ○"を。
応援ありがとうございます!
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