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第二章 迷宮都市ロベリア
050 獣人の女の子って、ものすごく可愛いかもしれない
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静まり返った部屋の中に、立て付けの悪い馬小屋の木の窓をガタガタと揺らす風の音と、屋根をたたく雨音が際立っている。
ここの窓は、開け閉めをしなければ大丈夫だと思って放置していたけれど、ちょっと音がうるさいかもしれない。今度ちゃんと見てみたほうがいいかもしれないなぁ……雨が上がったら、忘れずにチェックしておこう。
そんなどうでもいいことを考えて、現実逃避をしている私の耳に、少女のすすり泣く声が聞こえてきた。
「うぅう……」
薄暗い馬小屋の地面の上に、ひれ伏して頭を垂れたままの姿勢で、少女はブルブルと震えている。
恐らく外の嵐の中を移動してきたせいだろう、長く伸ばした水色の髪の毛はびしょ濡れになっており、その頭には白いウサギの耳が生えていた。
この子……獣人だ。
領主の娘、セリシア様が政治に口を出すようになってからは、迷宮都市での奴隷の売買に、多大な税金がかけられるようになっていた。
街の中へ入るだけでも、奴隷には関税がかけられる為、外で買って連れてきても高くつくのだ。
そのおかげで、ひと昔前の様にダンジョンで使い捨てにしたりするような、粗雑な扱いはできない高級品といった扱いになっていたが……かといって、まだまだ沢山の奴隷がこの街には存在していたので、それほど珍しいものでもなかった。
迷宮探索でひと山当てた探索者の懐は、多少の税金程度では痛まないのだろう……そしてそんな探索者の相手をしている商人たちにだってそれは言えることだ。
この女の子も、この男に買われた奴隷なのだろうか? そう思い少女の体をよく見てみると、右手の小指に指輪がはめられているのが目についた。
「小指の指輪……」
思わずつぶやいた私の言葉に、ビクリと体を震わせた獣人の少女は、慌てて右手の小指から指輪を外して、人差し指に付け替えた。
「ち、違うんです! これは付け替えるのを忘れてただけで……」
付け替えられた指輪は、人差し指にピッタリと収まっており、サイズ調整の魔法が込められた魔道具であることがうかがえた。
銀色の指輪は、少女の呼吸にあわせて揺れるたびに、光の加減で淡く金色に光って見える。
もしかしたら、魔銀製の魔道具なのかもしれない……とんでもない高級品だ。
指輪を付け替えるのを忘れたと女の子が言っているのは、おそらく街中では人目を気にして、小指から別の指に指輪を付け替えるように躾けていたということだろうけれど……
部屋を見回してみると、馬小屋の梁にワンピースとフード付きのローブが吊るされている。
サイズ的に少女のモノなのだろうが、あのワンピースの生地と仕立ては、かなりの高級品だと一目でわかる……この男、獣人の子供にここまでお金をかけるなんて……とんでもない好き者だ。
こんないたいけな少女のことを、お金で言うことを聞かせて、自分好みに飾り付けて好き勝手に扱っているのだろう。
こういう扱いを受けている奴隷の女の子達は、自分にお金を使わせているという事で、大事にされていると勘違いしてしまうものなのだ。
私は街の中で似たようなことをしている金持ちを何度か見たことがある。
あいつらは、奴隷を大事にしているわけではないのだ、人の心までお金で操るという感覚に酔いしれて楽しんでいるだけなのだ。
その証拠に、次に見かけたときには、大体違う奴隷を引き連れているのだから……まったく、反吐が出る!
この子も、そんな子たちと同じだ、身体を張って主人を守ろうとしている……。
「そこの男に気を使ってるなら、大丈夫だよ、今は意識が無いみたいだし……思いっきり殴っちゃったけど、こんな夜更けに人の家の敷地内に勝手に入ってきたんだから、殺されたって文句は言えないんだから」
実際には、勝手に入ってきたからと言って、殺してしまっては流石に問題があるのだが、今はこの少女を安心させるために大げさに言っておこう。
「ひ、ひぃいっ! ご、ごめんなさい、殺さないでぇっ」
安心させようとしたのに、逆に怖がらせてしまった。
なんて言ってあげればいいのだろうか? むずかしいな。
「えっと、私はあなたの味方だから……だから大丈夫だよ? あなたは、そこの男の奴隷なのかもしれないけど、もしそいつが死んだとしても、私は酷いことはしないから」
あれだけ何度も力いっぱい殴ってしまったのだ、死んでいたとしてもおかしくない。
「え、死? こ、殺したんですか? そ、そんな……先輩!!」
「せんぱい?」
獣人の少女は、背中にかばっていた男に縋りついて、全身をまさぐって怪我の具合を調べ始めた。
うつぶせになったまま動かない男は、苦しそうな息遣いをしてはいるが、頭からは血の一滴も流れていない。
あれだけ力いっぱい、何度も殴ったのに……呆れるほど頑丈な体をしているようだ。
「よかった、死んでなかった……でも全然目を覚まさない。起きてくださいよ~先輩~~っ」
ゆさゆさと身体を揺する女の子だが、頭を打ったのだからあまり揺らさないほうがいいだろう。
「ちょ、ちょっと、あれだけ強く頭を殴ったんだから、あんまり揺らさないほうがいいんじゃないかな?」
「あ、確かにそうですね……ひっ!」
私の言った言葉に反応してこちらを振り向いた少女だったが、至近距離で私が持ったフォークピックを目にしてしまい、悲鳴を上げた。
「あぁ、ごめんごめん。これはこっちに置いておくね」
そう言って私は、壁にフォークピックを立てかけた。
「……」
女の子はその様子を怯えた目で追っている。
「ほ、ほら……もう何も武器は持ってないから安心して」
こちらに攻撃の意思がないことをアピールするために、両手の手の平を広げて見せるが、女の子は男に縋りついた手にぎゅっと力を入れて抱き寄せている。
まだ全然こちらを警戒しているようだ。
「こうみえて、ひと通りの怪我の対処はできるんだ。ほら、ちょっと見せてくれない?」
じりじりと二人に近寄っていくと、女の子は男を抱きしめたまま、必死に私から距離を取ろうと、男を引きずり始めた。
「んっ んんんっ! せんぱい! お願いですから、起きてくださいよぉ~」
「わ、わかった! 近寄らないから、落ち着いて! ね?」
慌てて二人から離れると、女の子は男を引きずるのをやめて、泣きはらした目でこちらを見上げてくる。
そんな目で見つめられると、私の心の中にとても強い罪悪感が湧いてくる。
正直かなりいたたまれない、この状況を作ったのは明らかに私なのだ。
「そ、そうだ! アレがあった!」
私がそんな罪悪感と戦っていると、少女は何かを思いついたのか、片手で男の頭を掴んだまま、反対の手を近くに転がっていたバッグに伸ばしている。
「んっ んんっ ん~~っ!」
男から手を離さないと届かない距離にバッグがあるのだが、なんとかそのままの体勢でバッグを掴みたいのか、女の子は必死に手を伸ばしている。
「こ、これ? このバッグ?」
私がバッグに近付いて、持ち上げて見せると、女の子は伸ばしていた手をさっと引っ込めてしまった。
「ほ、ほら……ここに置くね?」
女の子の手が届く位置にバッグを置き直したあと、私は再度距離をとる。
なんだか、警戒心が強い猫に餌付けするような気分だ。いや、ウサギなんだけどね。
「あ……ありがとう」
女の子は、少しだけ照れたような表情で小さな声でお礼を言った後、バッグを手元に手繰り寄せて中を漁っている。
か……可愛い!
獣人の女の子って、ものすごく可愛いかもしれない!!
ちょっとだけ、奴隷を買って侍らせるお金持ちの気持ちがわかってしまった……。
ここの窓は、開け閉めをしなければ大丈夫だと思って放置していたけれど、ちょっと音がうるさいかもしれない。今度ちゃんと見てみたほうがいいかもしれないなぁ……雨が上がったら、忘れずにチェックしておこう。
そんなどうでもいいことを考えて、現実逃避をしている私の耳に、少女のすすり泣く声が聞こえてきた。
「うぅう……」
薄暗い馬小屋の地面の上に、ひれ伏して頭を垂れたままの姿勢で、少女はブルブルと震えている。
恐らく外の嵐の中を移動してきたせいだろう、長く伸ばした水色の髪の毛はびしょ濡れになっており、その頭には白いウサギの耳が生えていた。
この子……獣人だ。
領主の娘、セリシア様が政治に口を出すようになってからは、迷宮都市での奴隷の売買に、多大な税金がかけられるようになっていた。
街の中へ入るだけでも、奴隷には関税がかけられる為、外で買って連れてきても高くつくのだ。
そのおかげで、ひと昔前の様にダンジョンで使い捨てにしたりするような、粗雑な扱いはできない高級品といった扱いになっていたが……かといって、まだまだ沢山の奴隷がこの街には存在していたので、それほど珍しいものでもなかった。
迷宮探索でひと山当てた探索者の懐は、多少の税金程度では痛まないのだろう……そしてそんな探索者の相手をしている商人たちにだってそれは言えることだ。
この女の子も、この男に買われた奴隷なのだろうか? そう思い少女の体をよく見てみると、右手の小指に指輪がはめられているのが目についた。
「小指の指輪……」
思わずつぶやいた私の言葉に、ビクリと体を震わせた獣人の少女は、慌てて右手の小指から指輪を外して、人差し指に付け替えた。
「ち、違うんです! これは付け替えるのを忘れてただけで……」
付け替えられた指輪は、人差し指にピッタリと収まっており、サイズ調整の魔法が込められた魔道具であることがうかがえた。
銀色の指輪は、少女の呼吸にあわせて揺れるたびに、光の加減で淡く金色に光って見える。
もしかしたら、魔銀製の魔道具なのかもしれない……とんでもない高級品だ。
指輪を付け替えるのを忘れたと女の子が言っているのは、おそらく街中では人目を気にして、小指から別の指に指輪を付け替えるように躾けていたということだろうけれど……
部屋を見回してみると、馬小屋の梁にワンピースとフード付きのローブが吊るされている。
サイズ的に少女のモノなのだろうが、あのワンピースの生地と仕立ては、かなりの高級品だと一目でわかる……この男、獣人の子供にここまでお金をかけるなんて……とんでもない好き者だ。
こんないたいけな少女のことを、お金で言うことを聞かせて、自分好みに飾り付けて好き勝手に扱っているのだろう。
こういう扱いを受けている奴隷の女の子達は、自分にお金を使わせているという事で、大事にされていると勘違いしてしまうものなのだ。
私は街の中で似たようなことをしている金持ちを何度か見たことがある。
あいつらは、奴隷を大事にしているわけではないのだ、人の心までお金で操るという感覚に酔いしれて楽しんでいるだけなのだ。
その証拠に、次に見かけたときには、大体違う奴隷を引き連れているのだから……まったく、反吐が出る!
この子も、そんな子たちと同じだ、身体を張って主人を守ろうとしている……。
「そこの男に気を使ってるなら、大丈夫だよ、今は意識が無いみたいだし……思いっきり殴っちゃったけど、こんな夜更けに人の家の敷地内に勝手に入ってきたんだから、殺されたって文句は言えないんだから」
実際には、勝手に入ってきたからと言って、殺してしまっては流石に問題があるのだが、今はこの少女を安心させるために大げさに言っておこう。
「ひ、ひぃいっ! ご、ごめんなさい、殺さないでぇっ」
安心させようとしたのに、逆に怖がらせてしまった。
なんて言ってあげればいいのだろうか? むずかしいな。
「えっと、私はあなたの味方だから……だから大丈夫だよ? あなたは、そこの男の奴隷なのかもしれないけど、もしそいつが死んだとしても、私は酷いことはしないから」
あれだけ何度も力いっぱい殴ってしまったのだ、死んでいたとしてもおかしくない。
「え、死? こ、殺したんですか? そ、そんな……先輩!!」
「せんぱい?」
獣人の少女は、背中にかばっていた男に縋りついて、全身をまさぐって怪我の具合を調べ始めた。
うつぶせになったまま動かない男は、苦しそうな息遣いをしてはいるが、頭からは血の一滴も流れていない。
あれだけ力いっぱい、何度も殴ったのに……呆れるほど頑丈な体をしているようだ。
「よかった、死んでなかった……でも全然目を覚まさない。起きてくださいよ~先輩~~っ」
ゆさゆさと身体を揺する女の子だが、頭を打ったのだからあまり揺らさないほうがいいだろう。
「ちょ、ちょっと、あれだけ強く頭を殴ったんだから、あんまり揺らさないほうがいいんじゃないかな?」
「あ、確かにそうですね……ひっ!」
私の言った言葉に反応してこちらを振り向いた少女だったが、至近距離で私が持ったフォークピックを目にしてしまい、悲鳴を上げた。
「あぁ、ごめんごめん。これはこっちに置いておくね」
そう言って私は、壁にフォークピックを立てかけた。
「……」
女の子はその様子を怯えた目で追っている。
「ほ、ほら……もう何も武器は持ってないから安心して」
こちらに攻撃の意思がないことをアピールするために、両手の手の平を広げて見せるが、女の子は男に縋りついた手にぎゅっと力を入れて抱き寄せている。
まだ全然こちらを警戒しているようだ。
「こうみえて、ひと通りの怪我の対処はできるんだ。ほら、ちょっと見せてくれない?」
じりじりと二人に近寄っていくと、女の子は男を抱きしめたまま、必死に私から距離を取ろうと、男を引きずり始めた。
「んっ んんんっ! せんぱい! お願いですから、起きてくださいよぉ~」
「わ、わかった! 近寄らないから、落ち着いて! ね?」
慌てて二人から離れると、女の子は男を引きずるのをやめて、泣きはらした目でこちらを見上げてくる。
そんな目で見つめられると、私の心の中にとても強い罪悪感が湧いてくる。
正直かなりいたたまれない、この状況を作ったのは明らかに私なのだ。
「そ、そうだ! アレがあった!」
私がそんな罪悪感と戦っていると、少女は何かを思いついたのか、片手で男の頭を掴んだまま、反対の手を近くに転がっていたバッグに伸ばしている。
「んっ んんっ ん~~っ!」
男から手を離さないと届かない距離にバッグがあるのだが、なんとかそのままの体勢でバッグを掴みたいのか、女の子は必死に手を伸ばしている。
「こ、これ? このバッグ?」
私がバッグに近付いて、持ち上げて見せると、女の子は伸ばしていた手をさっと引っ込めてしまった。
「ほ、ほら……ここに置くね?」
女の子の手が届く位置にバッグを置き直したあと、私は再度距離をとる。
なんだか、警戒心が強い猫に餌付けするような気分だ。いや、ウサギなんだけどね。
「あ……ありがとう」
女の子は、少しだけ照れたような表情で小さな声でお礼を言った後、バッグを手元に手繰り寄せて中を漁っている。
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