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Ox Head
14:逢魔5
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目の前で起っていた戦いにおいては傍観者だった。化け物と魔法使いの戦い。
少なくとも、私ではあの戦いに加わることは出来ない。
心臓が煩いほど暴れているが、それぐらいの判断力は残っている。
「シロウは私の従者だな」
私でなければどうだろうか。例えばこのシロウと言う名の従者ならば。
「そうだ」
間髪入れぬシロウの言葉、化け物は無造作にこちらに歩みを進めてくる。この戦いに加わる意味は無い。ならば、急いで離れるべきだ。一歩後ずさりし、足はそこで止まる。大きく深呼吸をする。
化け物の醜悪さへの嫌悪感も、裏腹に感じている親近感も全て根は同じ。アレと私は本質的に同じものなのだ。本能的にそれが分かる、故にただ引くことは肯定できない。
「アレを殺せシロウ、あんな醜悪なモノが存在していることに耐えられない」
「承知した」
後姿でその顔は見えない、だがきっと、その口元には笑みが浮かんでいるだろう。そんな予感と共に、私は強く強く強く手を握り固めた。
シロウは化け物に向かって駆け出す。化け物の単眼がギョロリと一回転しシロウと視線が合う。化け物が奇声をあげる。耳を覆いたくなるような、甲高い音。人の形を留めている生き物の声には思えない。
「大分進行はしてるな」
呟きは誰に聞こえることも無い。かつて人為的に同じモノになった存在をシロウは知っている。双凪市において20年前に流行したドラッグ、ELと呼ばれる血の色の薬。元々居た世界において、人為的に能力者を生み出すために誰かが造った死の薬。その中毒者の症状に良く似ている。
「まずは、多幸感」
それは、あらゆる感覚を幸福に感じる。
化け物の放つ風の刃を右に左に避けながら距離を詰める。膝を落とし、地面を蹴りながら掌底を化け物の顎に打つ。衝撃で化け物の体が一瞬浮く。化け物の口元には笑みが浮かんでいる。
「次に幻覚、幻聴」
それは、本来なら見るはずの無いものを見て、聞くはずの無い音を聞く。
あるものは、過去を見たといい。
あるものは、未来を見たという。
そして、さらにあるものは世界の本当の姿を見たという。
宙に浮いた化け物の体の鳩尾に、勢いのまま肘を入れる。肉の潰れる感触、背骨が折れる感触がする。化け物の眼球が再び一周する、頭上から降り注ぐ無数の炎の刃。シロウはバックステップでそれを避ける。直撃はしないものの、その肌は焼け火脹れが出来る。
「そして、体質の合うものは能力に目覚める」
それは、人間が本来持ってないはず力。超能力、あるいは、魔法と呼ばれる異端の力。様々な人間に様々な能力が目覚めた。磁力を操るもの、炎を操るもの、水を操るもの。それらを学術的にまとめた論文さえ当時出された、確か『超能力と脳の伝達物資による因果関連』だったろうか。父や兄はその論文を見て笑みを浮かべていた記憶がある。
化け物の片翼が一際強く輝き、化け物を中心に地面から無数の槍が現れる。それを、力ずくで蹴り折る。技術でも何でもない力技。炎や風と違い、物理的に防ぎやすい分だけ土との相性は悪くない。反動で折れた骨は数秒後には再び繋がっている。
「最後に、その状況から更に摂取、或いは投薬された場合。人間は違うモノに変質する」
致死率は80%以上、よほど相性が良い、或いは絶望的に悪いというべきだろうか、大量のELを摂取した人間は生物としての変質を始める。それは、様々な現れ方をするが1つの傾向として、死ににくくなる。ちょうど、目の前にいる化け物のように頭が半分吹き飛んでいても活動を行うといったように。
化け物が叫ぶ。狂気と狂喜の声。死ににくいとはいえ、頭を吹き飛ばされてまともに生きていられるわけが無い。有り余る魔力で自身の命を本能的に繋ぎとめているに過ぎない。まともな思考能力もなく、本能だけで動いているだろうことは想像に難くない。
「ならば、生命維持分に足りなくすれば良い」
100日でも、200日でも魔法を使い続けさせれば、いずれ死ぬ。知性があるならともかく、本能的に攻撃してくる分には命の危険は無い。少なくとも負けは無いだろう。
蹴り折った土の槍を、化け物に向かって投擲する。風を切る音が化け物の正面で止まる。分厚い風の壁にぶつかり、土の槍が四散する。
「とはいえ、このまま戦う分には決め手にもかけるか」
軽く息を吐き、主人を一瞥する。
「連れて逃げろ、なら楽だったんだがな」
再び化け物に駆け出しながら、呟いた。
痩せた男はその戦いを呆れ顔で見ていた。
「両方とも化け物だな、死ぬ姿が想像できない」
痩せた男の言葉に、ゼスが頷く。あれも御使いだろうか、その可能性は否定は出来ないが低い気がする。先人達の話が正しければ、あれほど身体能力に頼った戦いはしないように思う。
「だが、人間ならば脅威だ」
御使いと思われる化け物と、無手で渡り合う人間。そんなのが大量にいるとしたら、その想像に顔を青くする。御使いだけでも自分達にとっては強大すぎる敵だというのに、魔法使いに加え、獣人以上の身体能力をもつ人間がいるという事実。起こすべくして起こす、獣人と人間の戦争で獣人は負けるだろう。だが、負けすぎるわけには行かない。
「適度に負けるためには、想定外の事態は極力避けたい」
故にこの場から男は逃げる事も無く、その戦いを見ている。新たな脅威の力を少しでも知るために。
レフィはその戦いを恐怖と共に見ていた。
「あれがシロウ」
鳥肌が立つ。シロウの戦いを見るのは二度目だった。前回は神殿騎士とシロウが戦っているのを遠巻きに見ていた。あの時は武と武、力と力の戦いだった。優秀な戦士であり、稀有な回復能力を持つ人間。そして、恐らくはその回復能力は自身と同じ12家門に連なる魔法の一種なのだろう。それがレフィにとってシロウの評価だった。目の前で強大な魔法を操る化け物と魔法を使わず互角以上に戦う人間、果たしてそんな生物が存在しうるのだろうか。
「存在している以上、それは存在しうるのだ」
頭で考えるのは否定しないけれど、見たものを否定してはいけない
父の言葉が頭を過ぎる。シロウが事実としてそういう存在であるならば、そういう存在は確かに在るのだ。
「視線をそらしてはいけない」
自らの命により戦う、2つの存在。
未熟な自身には、助力するだけの武力も魔力も存在しない。だからこそ、その結末をしっかりと見届けなければいけない。戦いの魔法の余波で思わず目を瞑ろうとしてしまうのを意志の力で抑え込む。
そして、戦いは唐突に終わる。
それは余りに巨大な雷の矢。それは2組の観客の間を通り、2つの化け物の戦いの中心を貫いた。閃光があたりを白く染める。化け物は奇声を上げ、自身の正面に幾重もの壁を作る。
降り注ぐ炎の刃と矢、雷の矢は僅かに勢いを衰えつつも止まらない
渦を巻く水の盾、雷の矢は一瞬放電のため輝くも水を散らし進む
目に見えない風の槌、雷の矢は方向をそらされることもなく、真っ直ぐに進む
幾重にも展開された土の壁、雷の矢が一枚ずつ貫いてゆく
化け物は土の壁を貫き、雷の矢が向かってくる様子を静かに見ている。壁が四散し、遥かかなたに一瞬、嘗て争った人間の姿見える。口元に笑みが浮かぶ。
「これでやっと死ねる」
自身ですら分からない誰かの言葉が化け物の口から漏れる。
この日、1人の男の反乱は静かに終わった。
少なくとも、私ではあの戦いに加わることは出来ない。
心臓が煩いほど暴れているが、それぐらいの判断力は残っている。
「シロウは私の従者だな」
私でなければどうだろうか。例えばこのシロウと言う名の従者ならば。
「そうだ」
間髪入れぬシロウの言葉、化け物は無造作にこちらに歩みを進めてくる。この戦いに加わる意味は無い。ならば、急いで離れるべきだ。一歩後ずさりし、足はそこで止まる。大きく深呼吸をする。
化け物の醜悪さへの嫌悪感も、裏腹に感じている親近感も全て根は同じ。アレと私は本質的に同じものなのだ。本能的にそれが分かる、故にただ引くことは肯定できない。
「アレを殺せシロウ、あんな醜悪なモノが存在していることに耐えられない」
「承知した」
後姿でその顔は見えない、だがきっと、その口元には笑みが浮かんでいるだろう。そんな予感と共に、私は強く強く強く手を握り固めた。
シロウは化け物に向かって駆け出す。化け物の単眼がギョロリと一回転しシロウと視線が合う。化け物が奇声をあげる。耳を覆いたくなるような、甲高い音。人の形を留めている生き物の声には思えない。
「大分進行はしてるな」
呟きは誰に聞こえることも無い。かつて人為的に同じモノになった存在をシロウは知っている。双凪市において20年前に流行したドラッグ、ELと呼ばれる血の色の薬。元々居た世界において、人為的に能力者を生み出すために誰かが造った死の薬。その中毒者の症状に良く似ている。
「まずは、多幸感」
それは、あらゆる感覚を幸福に感じる。
化け物の放つ風の刃を右に左に避けながら距離を詰める。膝を落とし、地面を蹴りながら掌底を化け物の顎に打つ。衝撃で化け物の体が一瞬浮く。化け物の口元には笑みが浮かんでいる。
「次に幻覚、幻聴」
それは、本来なら見るはずの無いものを見て、聞くはずの無い音を聞く。
あるものは、過去を見たといい。
あるものは、未来を見たという。
そして、さらにあるものは世界の本当の姿を見たという。
宙に浮いた化け物の体の鳩尾に、勢いのまま肘を入れる。肉の潰れる感触、背骨が折れる感触がする。化け物の眼球が再び一周する、頭上から降り注ぐ無数の炎の刃。シロウはバックステップでそれを避ける。直撃はしないものの、その肌は焼け火脹れが出来る。
「そして、体質の合うものは能力に目覚める」
それは、人間が本来持ってないはず力。超能力、あるいは、魔法と呼ばれる異端の力。様々な人間に様々な能力が目覚めた。磁力を操るもの、炎を操るもの、水を操るもの。それらを学術的にまとめた論文さえ当時出された、確か『超能力と脳の伝達物資による因果関連』だったろうか。父や兄はその論文を見て笑みを浮かべていた記憶がある。
化け物の片翼が一際強く輝き、化け物を中心に地面から無数の槍が現れる。それを、力ずくで蹴り折る。技術でも何でもない力技。炎や風と違い、物理的に防ぎやすい分だけ土との相性は悪くない。反動で折れた骨は数秒後には再び繋がっている。
「最後に、その状況から更に摂取、或いは投薬された場合。人間は違うモノに変質する」
致死率は80%以上、よほど相性が良い、或いは絶望的に悪いというべきだろうか、大量のELを摂取した人間は生物としての変質を始める。それは、様々な現れ方をするが1つの傾向として、死ににくくなる。ちょうど、目の前にいる化け物のように頭が半分吹き飛んでいても活動を行うといったように。
化け物が叫ぶ。狂気と狂喜の声。死ににくいとはいえ、頭を吹き飛ばされてまともに生きていられるわけが無い。有り余る魔力で自身の命を本能的に繋ぎとめているに過ぎない。まともな思考能力もなく、本能だけで動いているだろうことは想像に難くない。
「ならば、生命維持分に足りなくすれば良い」
100日でも、200日でも魔法を使い続けさせれば、いずれ死ぬ。知性があるならともかく、本能的に攻撃してくる分には命の危険は無い。少なくとも負けは無いだろう。
蹴り折った土の槍を、化け物に向かって投擲する。風を切る音が化け物の正面で止まる。分厚い風の壁にぶつかり、土の槍が四散する。
「とはいえ、このまま戦う分には決め手にもかけるか」
軽く息を吐き、主人を一瞥する。
「連れて逃げろ、なら楽だったんだがな」
再び化け物に駆け出しながら、呟いた。
痩せた男はその戦いを呆れ顔で見ていた。
「両方とも化け物だな、死ぬ姿が想像できない」
痩せた男の言葉に、ゼスが頷く。あれも御使いだろうか、その可能性は否定は出来ないが低い気がする。先人達の話が正しければ、あれほど身体能力に頼った戦いはしないように思う。
「だが、人間ならば脅威だ」
御使いと思われる化け物と、無手で渡り合う人間。そんなのが大量にいるとしたら、その想像に顔を青くする。御使いだけでも自分達にとっては強大すぎる敵だというのに、魔法使いに加え、獣人以上の身体能力をもつ人間がいるという事実。起こすべくして起こす、獣人と人間の戦争で獣人は負けるだろう。だが、負けすぎるわけには行かない。
「適度に負けるためには、想定外の事態は極力避けたい」
故にこの場から男は逃げる事も無く、その戦いを見ている。新たな脅威の力を少しでも知るために。
レフィはその戦いを恐怖と共に見ていた。
「あれがシロウ」
鳥肌が立つ。シロウの戦いを見るのは二度目だった。前回は神殿騎士とシロウが戦っているのを遠巻きに見ていた。あの時は武と武、力と力の戦いだった。優秀な戦士であり、稀有な回復能力を持つ人間。そして、恐らくはその回復能力は自身と同じ12家門に連なる魔法の一種なのだろう。それがレフィにとってシロウの評価だった。目の前で強大な魔法を操る化け物と魔法を使わず互角以上に戦う人間、果たしてそんな生物が存在しうるのだろうか。
「存在している以上、それは存在しうるのだ」
頭で考えるのは否定しないけれど、見たものを否定してはいけない
父の言葉が頭を過ぎる。シロウが事実としてそういう存在であるならば、そういう存在は確かに在るのだ。
「視線をそらしてはいけない」
自らの命により戦う、2つの存在。
未熟な自身には、助力するだけの武力も魔力も存在しない。だからこそ、その結末をしっかりと見届けなければいけない。戦いの魔法の余波で思わず目を瞑ろうとしてしまうのを意志の力で抑え込む。
そして、戦いは唐突に終わる。
それは余りに巨大な雷の矢。それは2組の観客の間を通り、2つの化け物の戦いの中心を貫いた。閃光があたりを白く染める。化け物は奇声を上げ、自身の正面に幾重もの壁を作る。
降り注ぐ炎の刃と矢、雷の矢は僅かに勢いを衰えつつも止まらない
渦を巻く水の盾、雷の矢は一瞬放電のため輝くも水を散らし進む
目に見えない風の槌、雷の矢は方向をそらされることもなく、真っ直ぐに進む
幾重にも展開された土の壁、雷の矢が一枚ずつ貫いてゆく
化け物は土の壁を貫き、雷の矢が向かってくる様子を静かに見ている。壁が四散し、遥かかなたに一瞬、嘗て争った人間の姿見える。口元に笑みが浮かぶ。
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