手紙から始まる恋人ごっこ

七色夕希

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手紙から始まる恋人ごっこ

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 俺、笹川祐太イケメンでもないし特別に人に優しい訳でもない何処にでも普通の高校三年生の俺は最近物凄く困っている事がある、それがこのラブレターの様な物が毎朝届く本来それだけなら困る必要もないただこのラブレターの様な物は異様で昨日の俺の言動などこの手紙には書いてあり初めて見た時は背筋がゾッとした、それに俺の名前を連呼し好き好きと異様な程も書かれておりそれだけで紙一枚ズラっと文字が並んでいる。さらには送り相手の名前も住所も記入されてなくどう対処したらいいのかよく分からなくダラダラと一週間近く送られ続け今に至る。


   
 「本当にこれどうしよう………って難で隠してある俺のエロ本の内容知ってんだよ!このままだと何時か危害に合うだろうか」
 溜息が自然と出てしまう警察に頼んだ方が良いのか、一応ストーカーっぽいし対応してもらえるかも知れないしでもな警察沙汰にはしたくないな。
 「本当どうすれば………」
 玄関から大きな音が聞こえた、恐らく妹の玲奈が帰って来たのだろう。
 「おにぃ彼女さんから熱烈な手紙また届いてるよ~モテモテだね」
 背は俺と大して変わらなく、黒色の短い髪に立っているアホ毛がチャームポイントの少女は俺の二歳下の妹だ、その隣には小学生並に身長が小さく長い銀色の髪を降ろしている少女は玲奈の親友の和泉美雪が遊びに来ている。
 「お帰り、美雪ちゃんいらっしゃい………あのな~玲奈誤解する言い方やめろよな、彼女じゃないんだからな」
 俺が言うのも何だが玲奈と美雪ちゃんは学校でもかなり人気がある美少女らしい。
 「お邪魔します………その~手紙って?」
 美雪が気になったのか玲奈に聞いている。
 「えっとね~彼女も居ないかっこ良くも無いこんなおにぃなんかに毎日誰が書いたのか知らない手紙が届くんだ~」
 「………そうなんだ」
 玲奈はそんなことを言うと美雪ちゃんの手を掴み自室に向かっていく。
 「じゃぁ、あたしの部屋に行くから~」
 美雪ちゃんを引っ張って無理やり部屋似連れて行った。
 「アイツ自分勝手だな、それにしてもそんな玲奈に美雪ちゃんが居てくれて助かるな」

 
 
  一時間くらい過ぎた頃玲奈の部屋からノックが聞こえた。
 「お兄さん少しお話しませんか?」
 俺の事をお兄さんなんて呼ぶのは美雪ちゃんくらいだ、別にそう呼ばれるのは嫌じゃないから何も言わないけど美雪ちゃんは初めて俺に合った時からお兄さんなんて呼ばれた時は近くに玲奈も居たから反省会なんてやらされた、『私の親友に何したんだ!』って怒鳴っていたのを今でも思い出せる程に印象的なことだった。
 「ん~別にいいけど」
 玲奈の部屋のドアがゆっくり開かれ長い銀色の髪が見え、ゆっくりずつその綺麗な顔を現す。
 「玲奈はどうしたの?」
 美雪ちゃんは俺の近くに座り控えめに話す。
 「寝てしまいましたよ」
 アイツ本当に自分勝手だな、友達連れてきた挙句寝るとか失礼すぎだろ。
 「そっか、ごめんな、そうだ!お茶淹れてくるから待ってて」
 慌てて俺はお茶を淹れに行こうとすると少し大きな声で美雪ちゃんは制する。
 「待ってください!お兄さん、お兄さんと少しく話したいだけなので大丈夫です」
 「あぁ、分かった」
 俺は再び座り美雪ちゃんになんの話か聞く。
 「えっと美雪ちゃん話って?」
 俺は美雪ちゃんの方を見一応話を聞こうとする、それにしても美雪ちゃんが学校で人気ってロリコン多すぎだろうちの学校。
 「はい、お兄さんは今ストーカー的なのに凄く困っていらしゃいますね」
 俺が今困っている事を聞いてどうするつまりなのか分からないが事実なので肯定する。
 「まぁね、今どうしようか悩んでいるところだよ」
 すると、美雪ちゃんはイタズラっ子みたいにニィと頬を緩めながら席を立ちその小さな手を一にして俺に突き出す。
 「私で良ければ何ですが提案が一つあるんですけどよろしいですか?」
 美雪ちゃんのその体制をすぐに辞めニッコリと頬を緩める。
 「提案ってなに?」
 「はい、ストーカーと言うのはお兄さんも知っての通り恋心や嫉妬心などそのような心理からついやってしまうものです、お兄さんの場合玲奈ちゃんにその手紙見せてもらいましたがどちらかと合うと恋心だと私は思いますなのでーーー」
 美雪ちゃんは一語一句何かの演技でもやっているかのように心を込め心配そうに言った。
 「なので、なにかな?」
 しかし、俺にはその後何が言いたいのか分からず聞き返してしまう。
 美雪ちゃんは少し体をもじもじさせながら恥ずかしそうに一言。
 「私とお兄さんと恋人のフリをすれば諦めてくれるかもしれないです」
 美雪ちゃんは顔を真っ赤にしながらも目は真剣で俺の事を見ている。
 「でもいいのか?俺なんかと………それにあくまでもそれは美雪ちゃんの考えで」
 「大丈夫ですよ、同じ女の子ですから分かるんです、ですので安心して下さい」
 美雪ちゃんはずっと真剣な眼差しで俺を見ていて本当に大丈夫なのではないかと俺は少し思い。
 「ん~じゃぁ美雪ちゃんその~よろしくな」
 ヘタレっぽくなんか言ってしまった。
 「はい、こちらこそ不束者ですが何卒よろしくお願いします」
 えっ………なに本当に付き合うわけでもないのになんでそんなに畏まっちゃうの、まぁそれが美雪ちゃん良い所か。
 「あとですね、お兄さん私の事は美雪ちゃんでは無く呼び捨てでよろしくお願いします、言ってみてください!」
 「えって今?どうしたの美雪ちゃん?」
 「だ~か~ら~美雪ちゃんじゃ無くてみ・ゆ・き・って呼んでよ!まぁ、呼ばなかったお兄さんにはお仕置きだね」
 美雪ちゃんは急に俺の目の前に来ると、俺の唇に柔らかい美雪ちゃんの唇が重なる、周りには美雪ちゃんの甘い香りが漂う。
 俺はあまり急な出来事に抵抗することも照れ隠しに何か言う事もせずただ呆気にとられ呆然としていた。
 「お兄さんお仕置きですよ、今度はちゃんと美雪って呼んでくれますよね?」
 あれがお仕置きだと、ご褒美じゃないのか、いや冷静になれそもそも俺はロリコン………であるかヤバイぞそれなにロリコンになってんだよ俺美雪ちゃんにもしもの事しちゃったら俺どうするんだよ、冷静になれ俺、美雪って呼べばいいだけなんだから。
 「あぁ、分かったよ美雪」
 美雪は嬉しそうに微笑むと「お邪魔しました」って言い玄関前に立つ。
 「あっ、お兄さん言いますれてましたけだあれ私のファーストキスなんですよ、ではまた明日お邪魔しました」
 そして俺は今罪悪感のようなものを背負ってしまった。
 無関係な美雪を恋人役をさせてしまった事と美雪の初めてのキスをこんな事で使わせてしまうこと最後は妹の親友とこんなことしてしまうこと。
 玲奈には内緒にしておくべきだよな。
 こうして今日という日はなにも実害無く緊張感も無く平穏に終わった。
 
 
 
 翌日の午前本当に美雪が家に遊びに来た、偶然玲奈は家を開けており俺一人の状態だったが美雪を家に招き今日来たあの手紙を見せた。
 その手紙には美雪の事が書かれてあった、俺はその事に怖くなってしまう。
 「美雪あのさ~もしお前に何か合ったら大変だし、玲奈だって悲しむだろうしだからさーーー」
 「大丈夫ですお兄さん」
 「大丈夫ってなんで言い切れるんだよ!」
 俺は大きな声で怒鳴ってしまう、そのせいで美雪がビクッとする。
 「あ、ごめん美雪驚かせてしまうつもりは無かったんだ」
 「だ、大丈夫ですお兄さんは私の事心配してくれたのは分かりますから、でも本当に大丈夫です」
  美雪は真剣な眼差しで言う。
 「なんで?」
 美雪はニャっと頬を緩める。
 「同じ女の子ですから」
 
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