魔導学園『レスト』

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れい、荷物は持った?」
「うん!じゃあ行ってくるね!」
母の言葉を聞き、家の扉を開け、走り出す。
今日は友達と映画を見る約束をしている。
私は女子小学生同士で遊ぶことは初めてで楽しみだ。
「う~ん、やっぱり早く出過ぎたかな?電車が来るにはまだ時間があるし、どこかに寄り道しようかな」
街道を駆け抜けると一軒の店に突き当たった。
『レスト』と看板に書かれたその店は洋風で古びている。
店の扉を開くと緑色の光が店の中から飛び出してきた。
その光は目の前を通り過ぎると空に向けて飛んで行った。
「何だろう?あれ」
「あれは風の精霊だよ。もしかして君は入学生かい?」
店の中にいる魔法使いが良く被っている、尖がり帽子を被り片手に杖を持った老婆が話しかけてきた。
「違います、私はたまたま扉を開けただけです」
「なんだつまらないねえ」
「つまらないとか言われましても」
慣れない敬語を使ったため、言葉遣いが変なことになっている。
「あなた、言葉遣いが変だけどどうしたんだい」
「やっぱり変だと思われていたんですか……。もうため口でいいですか?」
「いいよ。それよりもあなたは本当に新入生じゃないのよね?」
「そうだけど」
「ってことは魔導家系じゃないのよね。魔導家系じゃないのにその体に秘めた魔力量。そうだ!あなた今から新入生にならないかい?いや、それがいい。そうしましょう」
なんで勝手に話が進んでいるんだろう……。
「手続きと親御さんへの説明はしておくから。じゃあ学校の前に転移するわね」
老婆がそう言うと杖の先端に白光の球が現れる。
老婆が杖を振るうと先端にあった白光は私の体を包んだ。
次の瞬間、私が立っていたのは学校の中だった。
私がいつも小学校とは違い、校庭では炎や水が飛び交っている。
この学校は何なのだろう放火魔と消防隊が戦ってでもいるのだろうか。
そのままぼーっとその光景を見ていると、いつの間にか隣に立っていたさっきの老婆が説明をした。
「あれは魔法の相殺練習だね。今日が入学式なのに早速自主練かい。最近の若者は忙しいね」
「あはは、まさかこんな感じで中学生デビューすることになるなんてね」
「まあいいじゃない。ようこそ魔導学園『レスト』へ!これからよろしくね玲ちゃん」
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