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1章 プロローグ
第1話 プロローグ
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「よっしゃ~もう1軒行きましょう!もう1軒!」
大声をあげながら馴れ馴れしく俺の肩に手をまわしているこいつ。
ツヨシ。会社の後輩である。
先々いろいろと問題があってもいけないので
先に自己紹介をしておこう。
私はシュウイチ・サカイ。昭和生まれの昭和育ち。
平成のはじめ頃に社会人になった。
今年で40歳になるいわゆるオヤジである。
18歳で高校を卒業してから、
地元のコネで建築会社の営業職として就職するが、
もともと他人と接するのが苦手なので営業ができず、
半ば厄介払いのように都会のゼネコンひ孫会社に移籍させられ
資材管理などの事務職をやりながらいわゆる普通の人生を
送っている。
20代のころは地元の建築会社で何とかなったが、
周りには特に目ぼしい異性もおらず、
何人かとお付き合いもしたが、結局結婚できず。
30代目前で都会にやってきたが特に結婚にメリットがなく
飄々と過ごしていたらいつの間にか40歳というわけだ。
特にやりたいことがあるわけでもないし、
特に不満もない。ただこのまま65歳の定年まで突っ走りそうな
漠然とした不安だけがある。
母親は私が都会に出る少し前、27歳の時に病気で死別した。
父は私が建築会社に勤め始めた少し後のハタチの時に
こちらも死別してしまった。
よくあるようなブラコンの妹などはおらず一人っ子。
親戚付き合いなんて母の葬式を最後に行っていないし、
まぁよくある天涯孤独の身というやつである。
話を戻して、ナウの状況を説明しよう。
後輩のツヨシである。こいつは入社6年目。
もうすでに新人と呼ぶのはおこがましく、
かといってベテランというほど仕事もできない。
こいつの最近の悩みは、
好きになった女の子がいるスナックに通うお金がないことくらい。
週末の金曜日になると俺にメシをたかってくる。
40歳独身貴族とはよく言ったもんで、
基本的に生活にはそれほど苦労はしていない。
親が残した家を売っぱらった時のお金は、
まだ銀行口座に眠っている。
車は維持費がかかりすぎるし、
洋服や小物も特にこだわりがあるわけでもないから
恥ずかしくない程度のブランドものを買っても、
まぁ貯金くらいはできる給料をもらっている。
------チリンチリン--------
「あっいらっしゃい。」
「2人だけど空いてる?」
「えぇ大丈夫よ。さっこちらにどうぞ。」
1軒のスナックに入る。
一応飲み屋街のはずれにある小さなスナック。
カウンタ席しかなく7人も入ればいっぱいな感じ。
ドアをくぐる前から後輩は上機嫌だ。
「ママ~今日アユミちゃんは??」
「今、裏で休憩中よ。」
「ツヨシは本当にアユミちゃんアユミちゃんだな。」
「先輩こそユリママ、ユリママじゃないですか!」
「あら、それは嬉しいわね。」
「本人を目の前にして肯定も否定もしづらいブッコミはやめてくれ。」
「ん?それは否定もあるってこと?」
「いや、ママのことは大好きだよ。ははは。」
まぁいつものパターンというか挨拶。
最近の癒しといえばこのスナックに来て、
ユリママと他愛もない話をグダグダと話しながら、
軽くお酒を飲むことくらいだろう。
「あっツヨシさんこんばんは。仕事帰り?」
「アユミちゃ~ん、今日も会いに来たよ~~」
このお店に通うようになって4年。
基本的にはママとスタッフの子3人で回している。
アユミちゃんはどちらかといえば最初の頃に出会った子。
チーママのリンさんとユリママがほぼ交代で、
アユミちゃんが週5で勤務している。
「ママ、昨日はどうだった?」
「昨日もすっごく気持ちよかったわよ~天気も良かったし。」
少し小声になりながらも、喜々とした表情で答えてくれる。
ママのひそかな趣味。
常連客くらいしか知らないが、ママの趣味はソロキャン。
都会の喧騒を離れて、ゆったりと森の中でワインを飲みながら肉を食べるのが、
ママにとって何よりも癒しらしい。
チーママのシフトに合わせて2日連続で休みが取れる時には
近くのキャンプ場に行ってソロキャンするらしい。
一時期〈山ガール〉なる言葉が流行ったときに山に目覚め、
そのままソロキャンまで至ったそうだ。
たまたま会社の行事でキャンプに行ったときにママを見かけ、
『見つかっちゃった!』
という感じで観念し、俺とママの秘密になった。
まぁ悪いことをしているわけでもないので、自然と話すうちに、
常連の知るところとなるのだが、
ママとしては大事なプライベートタイムとのことで
大きく公言するつもりはないらしい。
「そういえば、サカイさん理系でしょ、なんかいい火おこし知らない?」
「火おこし?」
「そうそう、ガスコンロはあるんだけど何となく文明の利器っていうか、
ズルしてるような気がしちゃってw」
「あの木の棒でグリグリ回すやつをやりたいってこと?」
「本当はそのほうが原始的でいいんだろうけど、女の力じゃなかなかね~」
「そっか~コツがつかめれば何とかなるだろうけど、
まぁ多少力がいるのは確かだね。」
「そうなのよ。だから他になんかいい方法知らない?」
「後は火打ち石か圧縮熱でやるファイヤスターターくらいかな~」
「火打ち石は持ってる~w圧縮式って初めて聞いたかも~なになに?」
「圧縮熱ってのはね・・・」
カラオケ歌って、お酒を飲んで、雑談して、気が付いたら終電。
そんな毎日を送っている。
「おっもうこんな時間か、それじゃあママ計算して。」
「あら、本当ね。サカイさんといると時間がたつのが早いわ。」
「ははっ。俺もママと話してると時間が経つのが早く感じるよ。」
[ふふっ。]
お互いにいつのころからかこうして帰り際リ笑いあう感じになる。
「そうそう、この前他のお客様から珍しいお酒をいただいたの。
健康にいいらしいのよ~。サカイさん少しお疲れみたいだから
1杯サービスしちゃうね。」
ユリママはおもむろにキープボトルが並ぶ棚の下からかなり年代物の瓶を取り出した。
いわゆるショットグラス。というかこのお店にある一番小さなグラスを取り出し
緑色の透き通った液体を注ぎながら、何となくいたずら好きそうな顔で私の前にグラスを置いた。
「はいどうぞ~。それ飲むところ見たら計算しちゃうわw」
「へ~初めて見るお酒だね。ボトルになんて書いてあるの?」
「ボトルはすごく古いみたいで字がかすれて読めないのよ。」
どうぞと言わんばかりにボトルを差し出して見せるが、確かにほとんどかすれてラベルが読めない。
というよりもラベル自体から文字が消えているのでアルコール度数もお酒の題名すらも読めない。
「なんか貴重なお酒なんじゃない?飲んでいいの?」
「ん~貰い物だからね~。お酒の名前もわからないし、私も飲んでみたけど面白い味よ。」
------ゴクリ--------
小さなグラスの中の緑がかった液体を一気に飲み干した。
「苦っ!強っ!」
「はははっ。サカイさんさすがね。私でも一気には飲めなかったわw」
「まぁママが出してくるお酒だからね~疑っても仕方ないし。」
「ありがと。信頼ってことで受け取っておくわwじゃぁ計算してくるね。」
ママは面白いものが見れて楽しかったのか喜々としてカウンターの端へ行き
電卓片手に伝票を眺め始めた。
さっきのお酒は口元にもってきても全然アルコールのにおいがしなかったから
一気に飲み干したが、味としては癖になりそうだけどおいしくはない。
まず苦いって感じて喉に流すと、胃の中や喉がアルコールを感じて熱くなる。
特にお酒に弱いほうでもないので、「なんだかおもしろいお酒を飲んだな~」ってくらい。
いつも通りお会計をしてツヨシに帰ることを告げると。
「僕このまま飲んでいくんで、先輩お先にどうぞ。ごちそうさまでした。」
と笑顔で答えると、すぐにアユミちゃんとの会話に戻る。
まぁいつもの感じだ。ここから先は自腹で飲むらしい。
店を出て、駅まで歩くと、いつも通り終電車の扉は開いていた。
いつもより少ない乗客に紛れ、空いた席に座る。
少しして扉が閉まると、電車はゆっくりと走り始めた。
ママが言う通り疲れていたのか、それとも慣れないお酒を飲んだからなのか
電車が動き出して数分で私は眠りに落ちるのだった。
大声をあげながら馴れ馴れしく俺の肩に手をまわしているこいつ。
ツヨシ。会社の後輩である。
先々いろいろと問題があってもいけないので
先に自己紹介をしておこう。
私はシュウイチ・サカイ。昭和生まれの昭和育ち。
平成のはじめ頃に社会人になった。
今年で40歳になるいわゆるオヤジである。
18歳で高校を卒業してから、
地元のコネで建築会社の営業職として就職するが、
もともと他人と接するのが苦手なので営業ができず、
半ば厄介払いのように都会のゼネコンひ孫会社に移籍させられ
資材管理などの事務職をやりながらいわゆる普通の人生を
送っている。
20代のころは地元の建築会社で何とかなったが、
周りには特に目ぼしい異性もおらず、
何人かとお付き合いもしたが、結局結婚できず。
30代目前で都会にやってきたが特に結婚にメリットがなく
飄々と過ごしていたらいつの間にか40歳というわけだ。
特にやりたいことがあるわけでもないし、
特に不満もない。ただこのまま65歳の定年まで突っ走りそうな
漠然とした不安だけがある。
母親は私が都会に出る少し前、27歳の時に病気で死別した。
父は私が建築会社に勤め始めた少し後のハタチの時に
こちらも死別してしまった。
よくあるようなブラコンの妹などはおらず一人っ子。
親戚付き合いなんて母の葬式を最後に行っていないし、
まぁよくある天涯孤独の身というやつである。
話を戻して、ナウの状況を説明しよう。
後輩のツヨシである。こいつは入社6年目。
もうすでに新人と呼ぶのはおこがましく、
かといってベテランというほど仕事もできない。
こいつの最近の悩みは、
好きになった女の子がいるスナックに通うお金がないことくらい。
週末の金曜日になると俺にメシをたかってくる。
40歳独身貴族とはよく言ったもんで、
基本的に生活にはそれほど苦労はしていない。
親が残した家を売っぱらった時のお金は、
まだ銀行口座に眠っている。
車は維持費がかかりすぎるし、
洋服や小物も特にこだわりがあるわけでもないから
恥ずかしくない程度のブランドものを買っても、
まぁ貯金くらいはできる給料をもらっている。
------チリンチリン--------
「あっいらっしゃい。」
「2人だけど空いてる?」
「えぇ大丈夫よ。さっこちらにどうぞ。」
1軒のスナックに入る。
一応飲み屋街のはずれにある小さなスナック。
カウンタ席しかなく7人も入ればいっぱいな感じ。
ドアをくぐる前から後輩は上機嫌だ。
「ママ~今日アユミちゃんは??」
「今、裏で休憩中よ。」
「ツヨシは本当にアユミちゃんアユミちゃんだな。」
「先輩こそユリママ、ユリママじゃないですか!」
「あら、それは嬉しいわね。」
「本人を目の前にして肯定も否定もしづらいブッコミはやめてくれ。」
「ん?それは否定もあるってこと?」
「いや、ママのことは大好きだよ。ははは。」
まぁいつものパターンというか挨拶。
最近の癒しといえばこのスナックに来て、
ユリママと他愛もない話をグダグダと話しながら、
軽くお酒を飲むことくらいだろう。
「あっツヨシさんこんばんは。仕事帰り?」
「アユミちゃ~ん、今日も会いに来たよ~~」
このお店に通うようになって4年。
基本的にはママとスタッフの子3人で回している。
アユミちゃんはどちらかといえば最初の頃に出会った子。
チーママのリンさんとユリママがほぼ交代で、
アユミちゃんが週5で勤務している。
「ママ、昨日はどうだった?」
「昨日もすっごく気持ちよかったわよ~天気も良かったし。」
少し小声になりながらも、喜々とした表情で答えてくれる。
ママのひそかな趣味。
常連客くらいしか知らないが、ママの趣味はソロキャン。
都会の喧騒を離れて、ゆったりと森の中でワインを飲みながら肉を食べるのが、
ママにとって何よりも癒しらしい。
チーママのシフトに合わせて2日連続で休みが取れる時には
近くのキャンプ場に行ってソロキャンするらしい。
一時期〈山ガール〉なる言葉が流行ったときに山に目覚め、
そのままソロキャンまで至ったそうだ。
たまたま会社の行事でキャンプに行ったときにママを見かけ、
『見つかっちゃった!』
という感じで観念し、俺とママの秘密になった。
まぁ悪いことをしているわけでもないので、自然と話すうちに、
常連の知るところとなるのだが、
ママとしては大事なプライベートタイムとのことで
大きく公言するつもりはないらしい。
「そういえば、サカイさん理系でしょ、なんかいい火おこし知らない?」
「火おこし?」
「そうそう、ガスコンロはあるんだけど何となく文明の利器っていうか、
ズルしてるような気がしちゃってw」
「あの木の棒でグリグリ回すやつをやりたいってこと?」
「本当はそのほうが原始的でいいんだろうけど、女の力じゃなかなかね~」
「そっか~コツがつかめれば何とかなるだろうけど、
まぁ多少力がいるのは確かだね。」
「そうなのよ。だから他になんかいい方法知らない?」
「後は火打ち石か圧縮熱でやるファイヤスターターくらいかな~」
「火打ち石は持ってる~w圧縮式って初めて聞いたかも~なになに?」
「圧縮熱ってのはね・・・」
カラオケ歌って、お酒を飲んで、雑談して、気が付いたら終電。
そんな毎日を送っている。
「おっもうこんな時間か、それじゃあママ計算して。」
「あら、本当ね。サカイさんといると時間がたつのが早いわ。」
「ははっ。俺もママと話してると時間が経つのが早く感じるよ。」
[ふふっ。]
お互いにいつのころからかこうして帰り際リ笑いあう感じになる。
「そうそう、この前他のお客様から珍しいお酒をいただいたの。
健康にいいらしいのよ~。サカイさん少しお疲れみたいだから
1杯サービスしちゃうね。」
ユリママはおもむろにキープボトルが並ぶ棚の下からかなり年代物の瓶を取り出した。
いわゆるショットグラス。というかこのお店にある一番小さなグラスを取り出し
緑色の透き通った液体を注ぎながら、何となくいたずら好きそうな顔で私の前にグラスを置いた。
「はいどうぞ~。それ飲むところ見たら計算しちゃうわw」
「へ~初めて見るお酒だね。ボトルになんて書いてあるの?」
「ボトルはすごく古いみたいで字がかすれて読めないのよ。」
どうぞと言わんばかりにボトルを差し出して見せるが、確かにほとんどかすれてラベルが読めない。
というよりもラベル自体から文字が消えているのでアルコール度数もお酒の題名すらも読めない。
「なんか貴重なお酒なんじゃない?飲んでいいの?」
「ん~貰い物だからね~。お酒の名前もわからないし、私も飲んでみたけど面白い味よ。」
------ゴクリ--------
小さなグラスの中の緑がかった液体を一気に飲み干した。
「苦っ!強っ!」
「はははっ。サカイさんさすがね。私でも一気には飲めなかったわw」
「まぁママが出してくるお酒だからね~疑っても仕方ないし。」
「ありがと。信頼ってことで受け取っておくわwじゃぁ計算してくるね。」
ママは面白いものが見れて楽しかったのか喜々としてカウンターの端へ行き
電卓片手に伝票を眺め始めた。
さっきのお酒は口元にもってきても全然アルコールのにおいがしなかったから
一気に飲み干したが、味としては癖になりそうだけどおいしくはない。
まず苦いって感じて喉に流すと、胃の中や喉がアルコールを感じて熱くなる。
特にお酒に弱いほうでもないので、「なんだかおもしろいお酒を飲んだな~」ってくらい。
いつも通りお会計をしてツヨシに帰ることを告げると。
「僕このまま飲んでいくんで、先輩お先にどうぞ。ごちそうさまでした。」
と笑顔で答えると、すぐにアユミちゃんとの会話に戻る。
まぁいつもの感じだ。ここから先は自腹で飲むらしい。
店を出て、駅まで歩くと、いつも通り終電車の扉は開いていた。
いつもより少ない乗客に紛れ、空いた席に座る。
少しして扉が閉まると、電車はゆっくりと走り始めた。
ママが言う通り疲れていたのか、それとも慣れないお酒を飲んだからなのか
電車が動き出して数分で私は眠りに落ちるのだった。
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