3 / 101
1章 プロローグ
第3話 ジェスチャーって偉大って話
しおりを挟む少女がトテトテと走り去っていったため、
私は草原で一人、全裸でただたたずんでいる。
なぜここにいるのか?ここはどこなのか?
なぜ全裸なのか?ちょっと風が気持ちいいな。
そんなことを思いながら、
とにかく頭の中で状況整理をしようと思いました。
太陽の光はだいたい右側60度程あたりにありそうな感じ。
時間にすると10時か14時くらい。ってか暑っ。
気温は大体26度くらいだろうか、
寒くはなく太陽が当たっている右半身が少し熱いが、
お尻の下の草はひんやりして気持ちいい。
なるほどヌーディストってこんな感じなんだな~
そんなことを考えていると先ほど走り去った少女が戻ってきた。
お母さんかな?少女はユリママと同世代くらいの女性を連れて
戻ってきた。女性の手には槍らしきものを携えている。
今更ながら裸でいることが少し恥ずかしかったので、
股座を手で隠し、少しおどけた感じで女性を見るのであった。
≪リース視点≫
私がいつものように家で道具の手入れをしていると、
孫のリーアが何やら慌てた感じで家に飛び込んできた。
リーアが言うには、村の裏手の草原にヘンタイが行き倒れしているそうだ。
この村付近でも魔物や獣に襲われたり、
盗賊に襲われたりすることはあるようで年に1人くらい行き倒れの人は見かける。
普段なら取り合わないのであるが、リーアが襲われでもしたらいけないので、
一緒について行ってあげることにした。
リーアがいう通り、年のころは村長と同じくらいの男性が草原に全裸で座っている。
見るからに怪しい男性は一応理性があるのか股間の逸物を手で隠し、
少し恥ずかしそうにこちらを見ている。
「どこのお方か存じせんが、何かありましたか?」
男性に問いかけてみる。反応がない。
いかにも『何を言っているか分からない。』といった風に首を傾げている。
草原に全裸の男性がたたずんでいれば、まぁ『何かあったのか?』と聞くのは
至極自然なつもりではあるが、全く意に介さない感じで不思議そうにこちらを見ている。
さも『裸で自然と戯れていますが何か?』的な当たり前な感じすら醸し出している。
何とも話が進まないので、とりあえず敵意はなさそうではあるが威嚇の意味も込めて
槍を構えてみる。男性は股間を隠していた手を挙げ、降参とばかりに両手を挙げた姿勢である。
男性のモノは、まぁ村の男たちのものより少し小さいくらい。
なんだか少し可哀そうに感じてしまった。
「リーア、家の水瓶の横にじいさんが使っていた腰巻があるから、取ってきて」
私は一刻も早くこの可哀そうなヘンタイからリーアを遠ざけるべく、
リーアにお使いを頼むのであった。
≪シュウイチ視点≫
少女が連れてきたお母さんらしき人は警戒した感じの目でこちらを見ている。
『%$&>*+%$&*+##$+#$&*?』
何かを言われたが、まず何を言っているかがわからない。
こう見えても俺は高卒程度の学力しかないので、基本的には日本語しかわからない。
一応英語も習ったことはあるが、正直よくわかっていない。
日本語でも英語でもない言葉なんて知るはずがない。
何を聞かれているかが分からないから、何も答えられない。
いかにもキョトンとした感じで座っていると突然、その女性が槍を構えた。
『えぇ!!!』
びっくりした私は争う気はありませんという意味で咄嗟に両手を挙げた体制になっていた。
モロ見えである。正直、自分より5つ6つ年下の女性にマジマジと全裸を見られるのは恥ずかしい。
『%$&>*+%$&*+##$+#$&*%$&
*+%$&*+##$+#$&*?』
女性が何かを言うと、少女はまたしてもトテトテと丘の向こうへ走っていった。
しばらく女性から視姦されている。槍先はこちらを向いている。
あと2,3歩踏み込まれれば、槍の射程範囲に入る。
恥ずかしいような、気持ちいいような変な感覚で、頬を伝う汗が少しの緊張を伝えてくる。
10分ほどたったのだろうか?すごく長い時間に感じたそのころ、
少女が何やら動物の死骸のようなものを片手に戻ってきた。
少女は女性にそれを渡すと、女性がそれを私の足元に放ってきた。
槍先で取れと促される死骸と思ったそれはいわゆる動物の毛皮である。
さらに槍先で催促される。手に取り見ているとちょうど腰巻になりそうな感じである。
尚も槍先で催促される。『粗末なものを隠せ!』といかにも促される。
恐る恐るその動物の毛皮を腰に巻く。
とりあえず全裸ではないパンイチみたいな状態には進化した。
『%$&>*+%$&*%$&*+%$&*+##$+#$&*?』
また何か言われたが、何を言われているのかが分からないので、
ジェスチャーで『話し』『聞く』『分からない』といいたしぐさをしてみた。
同時に『あなたの』『言葉が』『わかりません。』と声もつけてみた。
女性が首を傾げた。少し伝わったようだ。
まだ槍先はこちらを向いている。
もう一度同じジェスチャーをしていると、女性は何かに気が付いたようだ。
槍先をいったん離し、少し考えたようなしぐさを取る。
数瞬、考えていた女性もジェスチャーでこちらに伝えてくる。
『あなた』『ここ』『わからない』。
なるほど、『なぜここにいるのか?』と聞きたいのだろう。
私は、『寝て』『目を覚ますと』『ここに居た』と返す。
女性は少し考えて、
『ここは』『怪獣が』『襲ってくるから』『危ない』
といったジェスチャーを見せてきた。
おぉ。とびっくりした感じの私に向かって女性は指をクイックイッと動かし、
『ついてこい』というジェスチャーをして丘の方への歩みを向けた。
丘を越えた向こうには丸太の塀に囲まれた集落のようなものが見えた。
こうして私はこの『チェスター村』に案内されたのであった。
10
あなたにおすすめの小説
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる