中年はチートなしでもなんとかなる -異世界に来たので欲望のまま生きてみる-

ながれ

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3章 中年は街を手伝わない

第12話 外見ばかりで中身がまだまだって話

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作者の励みになります。
これからもご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

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外壁が完成したころ、月に1度訪れる商人が変わりゆく村の様子に驚嘆していた。
東西南北に門となるような開口部が作られ、高さ5メートルに及ぶ白い壁、
周りから見ただけなら十分立派な街としての防衛機能を持っていることが分かる。

まだ門扉などがあるわけではないので、
魔物の大群に襲われたときに門を閉めることはできないが、
これだけ丈夫な壁があれば、一応門以外の場所はしばらく守り切れるだろう。

門をくぐるとそこには、こじんまりとした土壁の村。

私が商人であっても同じように『おぉぉぉっぉい!』と
ツッコミを入れたくなるような張りボテ感。

街づくりの最初なんてどこもこの程度かもしれない。

「いや~すごく立派な外壁になりましたね~」

「まだまだこれからさ、村のみんなの家ももっといいものになる予定だ。」

真っ白な外壁をほめられたキジュが商人のトルネに自慢げに話している。

「いやいやあれほど立派な外壁は王都でもありません。素晴らしいです。」

トルネはまんざらでもない表情でキジュのそれに笑顔で答えていた。
いつも通り近くの街から持ってきた商品を並べながら話している。

30歩ほど先では子供たちが泥遊びよろしく四角い石を作っている。
それは外壁工事の合間に私が教えた『レンガ』だ。

以前の改築工事ラッシュのあと、時間を持て余していた子供たちを
『何とかならないものか?』とみていたステインに私が『こんなものがある。』と
教えたのがきっかけだった。
今では日に1000個ほどの日干し煉瓦を子供たちがせっせと作り出していた。

「それでちょっとお願いがあるのだが。」

キジュは何やらトルネに話し込んでいた。
トルネも『ほうほう』といった感じでそれを聞いていた。

ちょうど窯の工事をひと段落させてきたカリテがやってきた。

「シュウさん、とりあえず形にはなったらから、
  少し出来上がりを見てくれないかな?」

「分かったフェダさんのところだね。」

私はカリテとともに新しいチェスターの北西側に位置する
フェダの工房予定地へと向かった。

そこには大人が3人は入れる窯が2つと金属を精錬する大きな窯が並んでいた。
1つは陶器窯もう1つはレンガ用の窯、あとはフェダ本職の精錬窯である。

「おぉシュウ。またいいもん作ってくれたな~」

フェダは今の窯よりも倍ほどはある精錬窯を『ペチペチ』たたきながら
いつにもましてうれしそうだ。

数か月前に改築したフェダの精錬窯での反省点や改良点を加えた最新の窯。
というより、私は別の本職ではないので、
前回はとりあえず高温に耐えられるようにくらいで作ったものだったが、
今回はフェダの意見を詰め込みまくってなんだかすごく立派な窯になっている。

「いやいや、私は作り方を教えただけで実際に作ったのはカリテ達です。」

「まぁそうかもしれんが。カリテありがとうな。」

「いえいえシュウさんが教えてくれらモノですから。」

3人でひとしきり窯を見てから、
『とりあえず使ってみてまた何かあれば改良しよう』ということになった。

少しづつではあるが間違いなくこの村には「産業革命」が起きようとしていた。

これからさらに忙しくなりようなチェスターの雰囲気を感じ取りながら
私はとにかく自分の家をどんな感じにしようかと思案していた。



外壁完成から2か月後。

私はチェスターの中心街となるところでせっせとレンガを積んでいた。
レンガづくりの4階建て、高さにして15メートルほどのところで、
せっせと自分の部屋を作っていた。

1階はトルネさん所の商店が開かれる。2階はその商店で務める人用の居住スペース。
3階と4階は私のスペースとしてもらった。
1辺が15メートルほどの四角いアパートづくり。

台所には火を保存しておく用の火鉢と鉄製のコンロと鍋が3つ。
革のジャケットの下にはシルクスパイダーの布で作ったTシャツを着ていて
1年前とは本当に暮らしぶりが変わったことを感じる。

ちなみにTシャツはソシア・セシアが作ったもの。
レンガやモルタルが普及し始めて木の需要が極端に減りだした。
もともと風魔法は小さなものを浮かせたり糸を編んだりするのに重宝するため、
洋服づくりをお願いした。
二人ともさすがは女性というかすごく喜んで周りの女性たちと一緒に
布地を作り、洋服を新しくデザインしたりしているようだ。
たまに新しくできたTシャツやパンツを私にくれたりする。
レースも狩りのついでにシルクスパイダーの糸の採取なども行ってくれているようだ。

村のみんなも徐々に獣の皮の服装から布の服へと移行しつつある。

そんな折、チェスターにトルネさんと20名ほどの方々が訪れていた。
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